金色の見た目や濃厚な味わいから高級料理店からも引っ張りだこの松輪サバ。一定の大きさに達しないと松輪サバと名乗れないという貴重な魚です。そこで三浦市で漁獲されている松輪サバについて詳しく紹介します。
ブランドの高級サバ
松輪サバは神奈川県三浦市にある松輪漁港で水揚げされるサバです。松輪漁港で釣れることから地名から取ってそのまま松輪サバと名づけられました。大分県佐賀関で水揚げされる関サバと並ぶ高級魚の一つです。サバの種類は「マサバ」で、背中の模様が木目のようなデザインになっています。かつては大量に獲れる魚でしたが、年々捕獲量が減少していることもあり、比較的高値で取引されています。旬の時期は10月から12月までです。
サバの好漁場としても知られている松輪付近では本格的に漁が始まるのが5月ごろです。夏の時期に向けて湾奥にあるサバの群れに向かって漁がスタートします。秋になるとさらに奥にある千葉県の袖ヶ浦沖にまで距離を伸ばしていくのです。餌が豊富にあり波が穏やかなのでサバが育つ環境が整えられていて、皮が脂で輝いていることから「黄金サバ」としても人気を集めています。漁では一本釣りが採用されていて、出荷される直前まで生かされているのが特徴です。松輪サバは人の手が触れてしまうと黒く変色してしまうことがあります。一本釣りにすることで人の手が触れず、変色を防いでいます。出荷前まで生かしてあるので鮮度が良く、新鮮な状態で食べられるのです。
松輪サバがある程度漁獲量をアップさせるためには、3つの条件が揃うことが大切だと考えられています。伊豆大島付近の水深30メートルの地点の塩分濃度が低いこと、東京湾の8月の水温が低いことが条件となります。また伊豆半島東岸の定期網で獲れるマサバの漁獲量が多いことです。このような条件が揃ったときに好漁になると言われています。
松輪サバに含まれている栄養素にはEPAやDHA、ビタミンB12などがあります。EPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールや中性脂肪を抑える働きがあり、脳卒中や高血圧、動脈硬化などの病気を防いでくる栄養素です。ビタミンB12は貧血の予防や肩こりに効果があるとされています。その他にビタミンDも含まれていて、カルシウムの吸収をサポートしてくれます。
味は濃厚な脂のうまみが広がり、繊細で良質な身が魅力です。お刺身はもちろんのこと、煮つけや様々なアレンジ料理を作ることが出来ます。お刺身で食べる場合はサバについている薄いうろこを包丁の先で取り除いて、胸のヒレ部分から包丁を入れて頭を落とします。お腹を割いたら内臓を取り出して、しっかり洗うこともポイントです。付着している血合いなども綺麗に洗い流して、汚れを落としていきます。三枚におろして小骨を取り除いたら皮も剥がしてしまいます。斜めに包丁を入れて身をカットして完成です。寄生虫のアニサキスが付着しているケースもあるので、内臓に居ないかチェックしたり、身をさばくときにも注意して調理することが重要です。松輪サバの煮つけを作るときには、切り身に軽く塩をして余分の水分を取り除きます。塩を振り掛けて20分程度経ったら塩をよく洗い流して、皮目に熱湯をかけます。熱湯をかけるとサバのぬめりが取れて、魚臭さが軽減されるのです。酒や砂糖、みりんや水、しょうがのスライスを鍋に入れてひと煮立ちさせます。煮立ったらサバが鍋の中で重ならないように入れて、落とし蓋をするだけです。醤油か味噌を加えてさらに煮て完成です。
色々な料理に馴染む松輪サバ
肉付きが良く、沢山の脂がのっている身を楽しめるのは松輪サバならではです。脂がのっているといっても全くくどくなく、どんな料理にも馴染んでくれます。コース料理で提供しているお店も多く、色々な形で松輪サバを楽しめるのも良いところです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 高級魚として知られる「松輪サバ」はどこの都道府県のブランド?
A.神奈川県
Q. 高級魚「松輪サバ」が水揚げされる松輪漁港は、神奈川県の何市にある?
A.三浦市