平たく作った団子にこし餡をからませて作る、神奈川県の名物菓子とは?

神奈川県横須賀市の佐島には、江戸時代から伝わる郷土料理があります。少し前までは、佐島以外の神奈川県民にもあまり知られていませんでしたが、近年は郷土料理百選にも選ばれるほど注目を集めています。

神奈川県の名物「へらへら団子」

へらへら団子とは、小麦粉や上新粉を水で練って作った団子にこし餡をからめたものです。団子を平たく押しつぶした特徴的な形状であるため、へらへら団子と呼ばれるようになったとのことです。佐島で毎年7月に行われる船祭りでは、豊漁と無病息災を願いマダイと共にへらへら団子が奉納されます。
お店などで販売されているのではなく、佐島の家庭のみで作られていた郷土料理であるため、長い間神奈川県民にすら存在を知られていませんでした。船祭りで奉納されるほか、農家のおやつとして昔から親しまれてきたお菓子です。

もともとは、船祭りの奉納のために作られてきたお菓子であるうえ、すぐに固くなる日持ちのしないお菓子であるため、定番商品として販売しているお店はありませんでした。しかし、2007年に農林水産省主催の農山漁村の郷土料理百選に選ばれたため、商品化に乗り出す和菓子店も出てきました。神奈川県佐島地区のいくつかの和菓子店は柔らかいまま日持ちさせることに成功したため、へらへら団子をお土産として販売するようになりました。また、1日個数限定で提供している喫茶店や茶屋もあるので、神奈川県佐島地区に行った際には、できたてのへらへら団子を食べてみると良いでしょう。

へらへら団子の作り方

へらへら団子は様々なレシピがありますが、基本的な作り方をご紹介しましょう。
材料は小麦粉100グラム、白玉粉50グラム、水100cc、こし餡100グラムです。まずは白玉粉と水を混ぜたあと、ふるいにかけた小麦粉を入れて混ぜます。次に、混ぜてできた団子のもとを親指大にちぎり、沸騰したお湯で茹でましょう。団子が浮いてきたら1分から2分弱火で茹で、ざるにあげて水を切ります。最後に、水を切った団子とこし餡を絡めて完成です。
日持ちがしないので、その日のうちに食べるのがベストです。

江戸時代に食べられていた伝統的なへらへら団子は、小麦粉だけで作られていたようですが、近年は食感や歯ごたえを持続させるために、白玉粉を入れるのが一般的になっています。

神奈川県横須賀市の観光スポット

へらへら団子の発祥の地である神奈川県横須賀市は、海に面した風光明媚な環境にあります。海に面した観光スポットも多く、地元の人はもちろん多くの観光客も訪れています。その中でも、人気が高いのが三笠公園、ヴェルニー公園、猿島です。
三笠公園は水と光と音をテーマにした公園で、音に合わせて躍動する噴水や壁泉のほか、日露戦争で活躍した世界三大記念艦の三笠が保管されています。東京湾を背景に、歴史を感じるゆったりとした時間が過ごせるでしょう。

ヴェルニー公園は、フランス庭園様式を取り入れた美しい公園で、2000株ものバラが咲き誇る景色は圧巻です。洋風の東屋やフランス式花壇、噴水など、西洋の雰囲気が漂っています。横須賀港を見渡せるボードウォークもあり、気持ちの良い散歩ができます。
猿島は横須賀から船で渡れる無人島で、東京湾最大の自然島です。旧日本軍の要塞跡が残り、まるでタイムスリップしたような錯覚に陥ります。幻想的なスポットも多く、フォトジェニックな場所としても人気があります。無人島ですがきちんと整備されているため過ごしやすく、リラックスして自然や歴史を体感できる観光スポットです。

家庭料理から郷土料理へと進化した「へらへら団子」

へらへら団子は神奈川県佐島地区の家庭料理であったのが、郷土料理としてステップアップした縁起の良いお菓子です。無病息災祈願だけでなく、出世にもご利益がありそうな団子ですね。神奈川県に行った際には、味見してみてはいかがでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 平たく作った団子にこし餡をからませて作る、神奈川県のお菓子は?

A.へらへら団子

Q. フランス庭園様式を取り入れた、2000株ものバラが咲き誇る神奈川県横須賀市の公園は?

A. ヴェルニー公園