岩手県の郷土料理に、小麦粉を用いた汁物があります。ここでは、その汁物について、作り方を踏まえて紹介していきます。岩手県に行く予定がある方は、この記事をチェックしてから行きましょう。
小麦粉を使った岩手県の郷土料理とは
ひっつみや、とってなげとは岩手県の郷土料理として知られています。小麦粉を練って作られた、平たい団子状のものを引きちぎって汁の中に投げ入れて作ることから、そのような名前がつけられているのです。汁に入っている具材は各家庭によって異なっていて、特に入れなくてはいけないと決まっているものはありません。鶏肉や野菜のほかに、山菜などあらゆる食材が入れられています。場合によっては、カニや魚が入ったり、季節に応じた旬の野菜が入れられたりすることもあります。すいとんにも似ていますが、食感はワンタンのような感じになっています。ツルっとしていて、喉越しが良いものの、噛み応えもしっかりあります。
岩手県の中でも、特に北上川中流域の地域で食されている料理ですが、もともと、岩手県南部では、小麦粉やそば粉を使用したさまざまな料理が存在していました。なかでも、ひっつみやとってなげは、団子状のものが入っていることからも分かるように、ごはんの代わりとして食されていたという歴史もあります。ごはんが足りないときに、それに代わるものとして食べられ、県民の中で広く愛されてきた郷土料理になったのです。なお、ひっつみやとってなげは、汁の中に入れて食べるだけではありません。茹でたものにきな粉と砂糖をまぶすことで、おやつとしても食せるのです。
ひっつみ・とってなげの作り方
ひっつみ・とってなげの作り方は、まず小麦粉2カップとぬるま湯3分の1カップを用意します。ボウルに入れた小麦粉を耳たぶくらいの硬さになるまで、ぬるま湯を加えながら練って下さい。さらに打ち粉をした台でなめらかになるまで練って、夏は30分ほど、冬は2時間ほど寝かせましょう。生地を寝かせている間に、汁の具材を用意します。一口大に切った鶏肉や野菜を、だし汁を入れた鍋に投入し、野菜が柔らかくなるまで火を通します。その後、酒や醤油、塩などでお好みの味付けをおこないましょう。
別の鍋でお湯を沸かし、寝かせておいた生地を薄くちぎって入れます。1分ほど茹でて冷水に取った後、具材が入っている鍋に加えて、ひと煮立ちさせて完成です。あっさりとした味付けなので、食欲のないときでも食べられるでしょう。
岩手県について知ろう
岩手県は、東北地方の北部に位置していて、北海道に次ぐ土地の面積を有している広い県という点が特徴です。人口の半分以上は内陸部の北上盆地に集中して住んでいます。山地や丘陵地などがあり、自然豊かな県として知られているのです。気候としては、内陸部においては夏が暑く、冬は寒くなります。一方で、太平洋側沿岸部では海洋性気候であり、夏も涼しいため、快適に過ごせるでしょう。また、岩手県には、中尊寺金色堂や無量光院跡といったような複数の世界遺産をはじめとして、多くの観光スポットが存在しています。
自然豊かな岩手県だからこそ、外山早坂高原県立自然公園や花巻温泉郷県立自然公園など、県立自然公園も多数あるのです。さらに、重要無形民俗文化財として山屋の田植踊や川西念仏剣舞、吉浜のスネカなどが認定されています。このほかにも、盛岡さんさ祭りや、岩手雪まつりなどの岩手県内でおこなわれる各種お祭には、全国から多くの観光客が訪れ、毎年賑わいをみせています。
岩手県で郷土料理を食べよう
岩手県の郷土料理は、家庭で作られるほか、お店でも食べることができます。観光スポットも多数ある岩手県なので、観光しに行った際には是非、ひっつみ・とってなげを食べてみて下さい。岩手県へ郷土料理を堪能しに行きましょう。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 小麦粉を練り、平たい団子状にして汁に入れて食べる、岩手の郷土料理は?
A.ひっつみ
Q. 岩手の郷土料理「ひっつみ」の別名といえば?
A.とってなげ