北海道で大人気のカップ焼きそばとは?

北海道でカップ焼きそばといえばこれ!と言われている商品があります。その商品は北海道エリア限定販売です。道内の小売店で最も多く販売されていると言われる人気商品についてご紹介します。

北海道の流通事情が普及の一因

やきそば弁当は食品メーカーである東洋水産の商品です。やきそば弁当はカップ焼きそばの一種ですが、当初は北海道だけで売られていました。これは東洋水産の主力商品である魚介類の多くが北海道産であり、東洋水産は北海道内に独自の流通ルートを持っていたためです。自社の流通ルートを利用して販売することにより、カップ焼きそばといえばやきそば弁当というイメージが定着するに至りました。他の食品メーカーはもちろん、東洋水産が北海道以外の地域で販売しているカップ焼きそばも道内では知名度が低く、商品の流通量も少ないのが実状です。近年ではアンテナショップでの販売やネット通販により、北海道以外の地域でもやきそば弁当を購入することが可能になっています。

やきそば弁当と他のカップ焼きそばとの違い

やきそば弁当が他のカップ焼きそばと決定的に違うのは「弁当」という形にこだわっている点です。通常のカップ焼きそばは文字通り、四角形のカップ式容器に入った焼きそばです。その一方でやきそば弁当は同じカップ式容器でもその形状を弁当箱に見立てているのが特徴です。また、やきそば弁当には麺を戻すのに用いた熱湯を注いで作る粉末スープが付属しています。焼きそば以外の食品が付いていることで他のカップ焼きそばとは異なる、ひとつの弁当としてのスタイルを保っているのが商品名の由来です。製造元の東洋水産は複数の異なるカップ焼きそばを販売していますが、粉末スープが付属しているのはやきそば弁当だけです。

カップ焼きそばは濃厚な風味のソースが付いていますが、やきそば弁当のソースは甘味が強く、後味がさっぱりしているのが特徴です。これは他メーカーの商品のソースよりも糖分が多く含まれているのが理由になっています。かやくと称される乾燥キャベツや四角形に成形された肉もほのかな甘味を持っているため、やきそば弁当はカップ焼きそばの中では甘く、軽い口当たりになっています。塩味やたらこ味など風味が異なる商品の他、同じソース味でも容量が異なる商品など姉妹品が多く作られているのもやきそば弁当の特徴の一つです。

北海道のソウルフードとしての位置づけ

やきそば弁当は手軽に食べることができるインスタント食品でありながら、製造元と北海道地方の特殊な事情によって北海道だけで広く普及し、他の地域では知る人ぞ知る、隠れた珍品扱いでした。しかし、流通網の改善が進んだことやインターネットによって個人が情報を発信できるようになったことからやきそば弁当の人気は全国的なものになり、現在では日本各地にあるアンテナショップで購入できるようになっています。また、ネット通販での購入も可能なことから、北海道限定のローカル商品としての側面は薄れ、北海道民のソウルフードとして位置づけられるようになりました。インスタント食品が地域を代表するソウルフードとして扱われるのは極めて異例のことです。

北海道は新鮮な野菜や魚介類など、雄大な自然で育まれた天然の食材が人気です。その中でインスタント食品であるやきそば弁当がソウルフードとして扱われるのは、やきそば弁当が辿った歴史が他のカップ焼きそばには無い特異なものであるのが大きな理由です。北海道の特殊な流通事情から生じた、地元民に長く愛される加工食品としての歴史は意図せずに生まれた奇跡の産物と言えます。

安価で美味しく食べられるカップ焼きそばでも地域を代表する食べ物になる

やきそば弁当の人気は全国的なものになりましたが、それでも北海道を代表する食品である事実は変わりません。安価で購入できるうえに手軽に美味しく食べられるカップ焼きそばでありながら、やきそば弁当は北海道の顔とも言える馴染み深い食品です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 北海道で販売され人気のカップ焼きそばといえば?

A.やきそば弁当