旅行へいったら、その土地ならではの美味しいものと一緒に地ビールを楽しみたいですよね。今は全国各地で個性的な地ビールが作られています。今回はそんな地ビールの中からオゼノユキドケと月夜野クラフトビールをご紹介します。
幻の地ビールとなってしまったオゼノユキドケ
オゼノユキドケとは、群馬県館林市にある龍神酒造という日本酒を造っている酒蔵が手がけていた地ビールです。龍神酒造の創業は南北朝時代と言われるほど古く、江戸時代に本格的な酒造業を始めました。「尾瀬の雪どけ」「龍神」という日本酒が有名です。
地ビール事業は1997年から行われ、群馬県地ビール第一号としてオゼノユキドケが発売されました。ヴァイツェン系のビールで、小麦麦芽とホップ、酵母、そして日本酒造りでも使われている赤城山系の尾瀬の雪どけ水を汲み上げて仕込み水とし、造られていました。和食に合い、飲みやすいと人気のあった地ビールでしたが、醸造設備の老朽化のため、2018年10月に残念ながら製造を中止しています。2019年3月末に蔵から出荷されたものが最後になりました。
多彩なラインナップで多くのファンがいる月夜野クラフトビール
月夜野クラフトビールは、1996年月夜野クラフトビール株式会社として設立された地ビールの醸造会社で造られています。現在は群馬県利根郡みなかみ町にありますが、2005年10月に合併するまでは月夜野町でした。月夜野町の姉妹都市であったチェコ東部の町ウェルスキーブロットに協力を仰ぎ、地ビールの醸造を始めたのです。この辺りは利根川の上流域にあたり、蛍が見られる水のきれいな場所として知られています。ビール醸造に欠かせない上質な水が豊富にあったので、この土地ならではの地ビールを造ることができたのです。
コクと旨味が感じられる月夜野クラフトビールの味わいは、女性にも人気です。2018年、オーストラリアのメルボルンで開催された世界最大規模のビール審査会であるAIBAで、月夜野クラフトビールの2つの銘柄が銀賞と銅賞を受賞するという快挙を成し遂げました。この受賞で月夜野クラフトビールは日本を代表する地ビールとして、全国で知られるようになっています。
月夜野クラフトビールは、ガラスアートの観光施設である月夜野びーどろパーク内のマイクロブルワリーで醸造しています。月夜野びーどろパークは、ガラス工場やガラスアート美術館の見学、ガラス工芸体験とともに地ビールである月夜野クラフトビールが楽しめる場所として、群馬県みなかみ町の一大観光スポットとなっています。近くには、月夜野温泉や上杉謙信の隠し湯とも言われる奈女沢温泉など上質な温泉があるほか、真田氏ゆかりの名胡桃城址もあります。
月夜野クラフトビールは、月夜野びーどろパーク内のドブリーデンというレストランで楽しめるほか、 クリスタル物産館というお土産物を扱ったショップでも購入できます。 月夜野びーどろパーク以外では、群馬県内の一部の食料品店、 東京銀座にある群馬県アンテナショップ、ぐんまちゃん家で扱っています。
地ビールというと瓶ビールが主流ですが、月夜野クラフトビールは持ち帰り用にペットボトルでも販売されています。ラベルには群馬県のマスコットキャラクターであるぐんまちゃんが描かれていて、群馬県の地ビールであることがよく分かります。月夜野クラフトビールは、JR東日本とタイアップして群馬のSLをイメージした上越線ビールも造っています。こちらは月夜野びーどろパークのほか、JR駅構内などで購入できます。蒸気機関車D-51498とC6120 がラベルに描かれていて、スタイリッシュな外見です。D-51タイプは黒ビールで、重厚感のあるコクと旨味が楽しめます。C61タイプはピルスナーで、料理にも合わせやすく、女性にも飲みやすいすっきりとした味わいが特徴です。2019年には、ラベルデザインはそのままにペットボトルタイプも発売され、さらに手に取りやすいものとなりました。
群馬県は地ビール天国
美味しい地ビールを造るためには、醸造者の努力や工夫、吟味された材料、そして上質で豊かな水が欠かせません。群馬県は地理的条件から水に恵まれています。だからこそオゼノユキドケや月夜野クラフトビールといった素晴らしい地ビールが生まれたのです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 「オゼノユキドケ」や「月夜野クラフトビール」といえばどこの都道府県の地ビール?
A.群馬県