福井県の名産品「パールマッシュ」とは、どんなものの種類?

福井県の名産品「パールマッシュ」をご存じでしょうか?低カロリーかつ栄養素もふんだんで、ダイエットにも適した食品として人気を集めています。白い宝石ともいわれるパールマッシュについて、くわしくご紹介します。

パールマッシュってどんなキノコ

パールマッシュは、きのこの真珠と言われているように美しい白色をしているのが特徴です。そして食べた時もキノコの一般的な印象としては弾力のある歯ごたえですが、パールマッシュは柔らかく、香りや味わいもシメジやシイタケよりも強くなく淡白な味わいになります。そのため他の食材の味わいを邪魔しないので軽く火を通してサラダの材料にしたり、ソテーや鍋物そしてパスタなどの料理に加えると真価を発揮するのです。

そしてパールマッシュは栄養価にも優れていて、ほかのキノコと同様に食物繊維が豊富で便秘解消に効果があります。さらにほかのキノコには含まれていない栄養素ビタミンB1とB2が豊富です。ビタミンB1は炭水化物の分解を促進してエネルギー源にする効能があり、それによって細胞が元気になると皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。そしてビタミンB2は別名発育ビタミンと呼ばれ、ビタミンB1の効能によって炭水化物をエネルギー源にするときにビタミンB2が速いスピードで処理してくれるのです。速いスピードで処理してくれれば、その分だけ体に吸収される量も多くなるので皮膚や粘膜の健康維持を助ける力がより強くなります。

ただビタミンB1とB2は水溶性ビタミンといわれる分類で、お湯で煮たり油で炒めると外に出てしまいます。そのためパールマッシュの栄養素をすべて吸収したいときには、必ず使用したお湯や油ごと食べると満遍なく栄養を吸収できるのです。

パールマッシュが福井県で作られるようになった理由

見た目が美しいだけでなく、栄養価や美味しさにも優れているパールマッシュの産地は福井県美山地区の名産品として栽培されています。パールマッシュの歴史は新しく、このキノコが出来上がったのは1989年から1990年の平成元年に遡ります。福井県でキノコを栽培していた生産者の坂本一秀さんが、福井県がキノコの産地ということを利用して町おこしとして新しい名産品になるキノコを作ろうとしたことが始まりです。

まず福井県美山地区がキノコ栽培に適しているのは、この美山地区の位置が関係しています。美山地区は福井県でも内陸部に位置しているので隣接している滋賀県や岐阜県から質の良い水が流れます。さらに福井県は海側に存在しているので、太平洋側と違って標高の高い山がなく、湿った暖かい空気が吹き下ろすことがない環境です。

キノコ栽培にとって最大の敵は、同じ細菌類に属するカビ菌になります。カビは暖かく湿った空気を好んで成長するので、太平洋側だと偏西風が標高の高い山にあたることで湿った空気が流れ込み、室内であってもカビの発生リスクがあり、キノコ栽培が難しくなるのです。その点福井県美山地区は西側に標高の高い山は存在せず、常に湿度の少ない乾燥した空気が流れ込むのでカビ菌の影響を考えずに栽培が可能になります。

そのキノコ栽培に適した環境を利用して、当時珍しかったマッシュルームの品種改良を始めます。なんども試行錯誤をして生まれたパールマッシュですが、試験はうまくいっても栽培条件が難しく軌道には乗らなかったのです。そこで現在では主流の形になっている、キノコ栽培の無菌室栽培を実行します。無菌室で栽培することでほかの雑菌の影響を受けることがないだけでなく、室温や湿度をコントロールすることができます。さらにおがくず中心にトウモロコシや米ぬかそして小麦粉の皮などを加えて栄養価の優れた菌床を作り、そこで栽培をしたのです。

その結果、栽培は成功して大量生産に成功するだけでなく、白くてきれいなマッシュルームが完成したことでパールマッシュと名付けられます。その後淡白な味わいが受けて、福井県のパールマッシュは全国のきのこ生産者に苗を送ることで広まったのです。

パールマッシュは地産地消の良さを子供たちに伝えている

絶え間ない研究の結果生まれたパールマッシュは、その後福井県美山地区から栽培法が伝授され福井県全体で名産品となっています。その栄養価の高さから学校給食に取り入れられるようになっており、子供たちに地産地消の良さを伝える役割を担っているのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福井県の名産品「パールマッシュ」とは、どんなものの種類?

A.キノコ