赤い色が特徴の福井県福井市のご当地野菜とは?

河内赤かぶらの「かぶら」とはカブの別名で、福井県の特産品であり「福井百歳やさい」とされています。表面のみならず内部までも赤く染まる河内赤かぶらはどのようにして生まれ、どのような栄養が含まれているのでしょうか。

河内赤かぶらの歴史と特徴

河内赤かぶらは福井県福井市の南東に位置する美山町で盛んに生産されているご当地野菜です。かぶは紀元前より栽培されており、原産地はアフガニスタン付近です。弥生時代に日本に伝わり、飛鳥時代にかぶの栽培を推奨する法令が出されています。古くから日本で栽培されていたため、地域に根付いた独自の種類が生まれたとも言われています。その一つが河内赤かぶらです。福井市美山地区でも古来よりカブが栽培されてきました。その歴史は平安時代、戦に敗れた平家の落人がこの地域に住み、河内赤かぶらの栽培技術を伝えたのが始まりだとされています。美山地区はかねてより山奥に位置していたため、他の種類と掛け合わされることなく純粋な種類として栽培されてきました。

さらに美山地区は、冬は降雪が激しいため気温が下がり夏でもそこまで気温が上がらないという気候なので、カブの栽培に最適なのです。この地域では東南アジアなどで見られる焼畑農業でカブが栽培されており、畑を焼いたことで生じる灰が肥料代わりに使われるため農薬などを使わなくても良質なカブを栽培することができるのです。このようにして生まれた赤かぶらの特徴は、一般的なカブに比べやや硬くややほろ苦い点にありますが塩漬けや千枚漬けに使うと旨味が引き出されるとして人気の野菜です。

赤かぶらの栄養と保存方法

河内赤かぶらには多くの栄養が含まれています。まず、アミラーゼが挙げられます。これは、デンプンの消化酵素として胸やけ解消や整腸作用などの働きがあり河内赤かぶらの根に多く含まれています。また、β-カロテンが挙げられます。これは河内赤かぶらの葉に多く含まれ体内でビタミンAとなり、視力や皮膚、髪の健康を維持する働きがあります。また、ビタミンCも含まれています。これには美容や疲労の回復、風邪を予防する働きがありかぶの根と葉両方に含まれています。さらに、イソチオシアネートが含まれています。これには殺菌効果や消化機能を高めてくれる働きがあります。赤かぶらを食べると少々の辛みを感じますが、イソチオシアネートが辛みの原因です。このような栄養を失うことなく河内赤かぶらを味わうためにはきちんと保存をする必要があります。

なぜなら冷蔵庫や台所で保存しておくと味も栄養も落ちてしまうからです。河内赤かぶらの保存方法は、保存期間によって分けることができます。まず、手に入れてから1週間程度保存する場合は、葉と根を切り離すことが必要です。これらを切り離さず保存をしてしまうと、葉や根の水分が失われ旨味も栄養も抜けてしまうのです。次に、2週間程度保存する場合は塩や酢に漬けることが必要です。塩や酢につけると食品を長持ちさせることができるため、この方法で赤かぶらを保存するのです。さらに1カ月程度保存する場合は、冷凍したり干すことが必要です。きちんと保存することによって長持ちさせることができ、河内赤かぶらに含まれる豊富な栄養を摂取することができるのです。

福井県のグルメ

福井県には様々なグルメがありますが、代表的なものとして越前ガニが挙げられます。福井県の寒冷な海水で育ったズワイガニは身が引き締まっておりほのかな甘みが特徴です。甲羅に日本酒を入れる甲羅酒は冬の寒い時期にピッタリで贅沢な味わいです。

河内赤かぶらを存分に楽しむ

上述の通り河内赤かぶらは少々の硬さやほろ苦さがありますが、そのシャキシャキとした食感で人気の野菜です。栄養も豊富に含まれているので、きちとした手順で保存し河内赤かぶらの魅力を存分に味わいたいものです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福井県福井市のご当地野菜「河内赤○○」。○○に入るのは?

A.かぶら

Q. 福井県で水揚げされる、ズワイガニの愛称は?

A. 越前ガニ