愛媛県の給食で出される「あけぼのめし」をご存じですか?一体どんなものを使って炊いたご飯なのでしょうか?
「あけぼのめし」=「みかんジュースごはん」!?
日本全国に昔から伝わる郷土料理や地元でのみ食べられてきた食事をご当地グルメとして、後世へ残していこう、他の地域にも広めていこうという働きがあります。
学校給食ではそういった郷土料理、ご当地料理が献立として組み込まれることもあるようですが、愛媛県では名物のみかんジュースを使った「あけぼのめし」が出されていたのだとか。学校給食のモンスターとも学校給食の黒歴史とも言われている「あけぼのめし」こと「みかんごはん」。不名誉な二つ名の裏には無限に広がる「あけぼのめし」の可能性がありました。
「あけぼの寿司」と「あけぼのめし」?!
かつて愛媛県には、希少だった米酢の変わりにかぼすやみかんなどの柑橘果汁を使って「みかん寿司」をつくっていたそうです。酸味と香りが強い「みかん寿司」は、ほんのりオレンジに色づいたご飯の上に、きぬさや、れんこん、ごぼうなどの野菜と、酢でしめた魚を並べ、にぎり寿司ではなくちらし寿司のような食べ物だったそうです。
今では手に入りやすくなった酢をみかん果汁に加えて、食べやすくしたものが「あけぼの寿司」と言われ、さらにそれをヒントにみかんジュースで米を炊き込んだ「あけぼのめし」や「みかんごはん」が、愛媛県内では学校給食として出されていたのだとか。
現在ではその「あけぼのめし」をアレンジして、炊き込みご飯やピラフ風などのメニューが増えているようです。
どうやら作りようによっては美味しくできる反面、ちらほらと美味しくはないという正直な食レポも散見される「あけぼのめし」。
どうやら「カンタンに作れる」などのレシピをすべて鵜呑みにしてみかんジュースだけで米を炊く、など雑に作ってしまうと「イヤまずくはないけど…」というやはり物足りない出来上がりになってしまうようです。
先人の苦労の末のレシピで丁寧に作れば、「美味い不味いのその先」と表現される、クセになる仕上がりとのことで、少々デリケートなメニューのようです。
バリエーションが豊富な「あけぼのめし」?!
そもそも愛媛県南部は日本でトップクラスの「みかん」の生産地です。暖かな気候と瀬戸内海を見下ろす段々畑で太陽の恵みをたくさん受けて育った愛媛の美味しいみかん。
出荷されなかった余ったみかんで作られていたという「みかん寿司」は、当時はお祝いの席で出されるようなおもてなし料理だったのだとか。
色鮮やかでビタミン豊富な「みかん寿司」はお目出たい席に華を添えたにちがいありません。
現在では、みかんごはんを油揚げに詰めた「みかんいなり」もあるそうで、甘辛い油揚げに爽やかなみかんの酸味が後をひく美味しさとのこと。
やはり「あけぼのめし」や「みかんごはん」から派生したバリエーションメニューがまだまだ豊富にあるようです。
ポンジュースで「あけぼのめし」?!
「愛媛のまじめなジュースです」のCMでもおなじみのポンジュースを製造している「えひめ飲料」のホームページではなんと「ポンジュースごはん」のページがあり、ポンジュースを使用したレシピを募集する「ポンジュースごはんグランプリ」なるものまで開催されました。
最優秀賞に輝いた「ポンジュースごはんで作るライスバーガー」や、優秀賞を獲得した「ポンジュースご飯で作るライスコロッケ」などが写真とレシピ付きで公開されています。
オシャレで美味しそうなメニューが並んでおり、「みかんごはん」「あけぼのめし」の更なる可能性を感じます。
なかなか一歩踏み出せないようでハマってしまいそうな「あけぼのめし」。晩御飯の献立が思いつかないそんな日に、勇気を出して挑戦してみてはいかがでしょう。新しい扉が開くかもしれません。
ちなみに愛媛県内のお土産コーナーやサービスエリアでは「炊き込みご飯の素 みかんごはん」が販売されているようです。こちらも見かけたら手に取ってみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q.愛媛県の給食で出される「あけぼのめし」とは、どんなものを使って炊いたご飯?
A.みかんジュース