名古屋のご当地麺料理「えびおろし」ってどんな料理?

愛知県の「名古屋めし」と称するご当地グルメの中で、「えびおろし」も人気の一品です。「えびおろし」は、名古屋のうだるような暑い夏を乗り切るために欠かせないソウルフードと言って良いでしょう。えびおろしの特徴と魅力について紹介します。

えびおろしの特徴について

えびおろしとは、愛知県のご当地グルメ「名古屋めし」の1種で、冷たいきしめんやうどんの上に大根おろしと海老の天ぷらを乗せた食べ物です。隣の静岡県にも冷たい蕎麦の上に大根おろしと天ぷらを乗せた「天磯おろし」というソウルフードがありますが、天磯おろしの天ぷらは海老だけでなく、魚のキス・カボチャ・海苔など様々な種類の具が使われます。また磯おろしは蕎麦だけでうどんはありません。どちらも店員のための賄い料理であったものが、客の要望で商品化されたと言われています。えびおろしを最初に開発したのは名古屋市の「えびすや」という店だったとされています。

名古屋には元々「香露」といううどんがありました。「香露」の特徴は、冷たいうどんにネギ・ショウガの薬味とコクと甘みのある溜まり醤油を使った冷たい汁をかけている点です。えびおろしは「香露」に海老の天ぷらと大根おろしを乗せ、平らな皿で提供するものです。えびおろしは香露を改良したものと言えるでしょう。えびおろしを平たい容器に乗せるのは、便宜的な理由によるものです。元々えびおろしが店員に提供する賄い飯で、手間を省くため海老を乗せる皿にそのまま蕎麦を乗せてしまったからだと言われています。

えびおろしは名古屋の地元民にこよなく愛されており、「皿うどん」と言うと九州の「かたやきそば」ではなく、このえびおろしを連想する人が名古屋では少なくありません。つるつるとした麺の食感と天ぷらのサクサクした食感が調和して食べやすい夏の逸品と言えるでしょう。うどんと大根おろしは消化しやすく、高齢者にも人気があります。汁にはミネラルが豊富に含まれており、血液を作る働きを助け貧血を防ぐとされています。高カロリーの海老天ぷらに加えて消毒効果のある薬味も乗せたえびおろしは、夏バテに効果があると言われています。大根おろしは植物繊維のほか、ビタミンC・カロテン等のビタミン類やカルシウム・カリウムなどのミネラルが豊富です。

海老はカロリーが高いだけでなく、「タウリン」という物質が含まれており、心臓の働きを正常化してくれることで、血圧を安定させ血管の老化を予防したり、血糖値を下げたりする効果も期待できます。海老はウナギと同様にビタミンEも多く含んでおり、体内の活性酸素を除去しホルモンのバランスを保つ働きをします。えびおろしの元祖「えびすや」は本店のほかに名古屋市近郊に7店を出店しており、全国からえびおろしを求める客が集まってきます。

名古屋ってどんなところ?

愛知県名古屋市はB級グルメのメッカと言っても良いほど庶民の食文化が発達しており、味噌煮込みうどん・台湾ラーメン・手羽先唐揚げなど枚挙に暇がありません。どの料理も採算度外視と思われるほどの大盤振る舞いが特徴的で、蕎麦のお代わり自由やトースト・茹で卵・サラダ付きのモーニング珈琲など、県外から来た人が驚くようなサービスが行われています。

名古屋市民は堅実な人柄で職人気質を自負する人が多く、客が納得いくまで妥協しない商品を提供するというサービス精神が育ってきたと言われています。自動車に代表される愛知県の工業は製造品出荷額や貿易黒字額で東京・大阪を抜き日本1の地位を保ってきました。東京・大阪といった大都市に対するライバル意識が強く、食文化もユニークでチャレンジ精神に富んだご当地グルメが次々と生み出されてきたのです。

夏に食べたい愛知県の「えびおろし」

愛知県のB級グルメとして、名古屋でえびおろしは不動の地位を築いています。うどん好きの人なら誰でも、一度食べるとそのさっぱりとした上品な味は忘れられないでしょう。夏に名古屋を訪れたら、えびおろしを食べてみることをおすすめします。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 名古屋のご当地麺料理「えびおろし」のエビは、どんな状態で提供されている?

A.天ぷら