2014年度、海苔の収穫量が全国1位の都道府県は?

おにぎりや巻き寿司などに欠かせない板海苔、ご飯のお供には海苔の佃煮。たらこスパゲティや照り焼きピザなどにも刻み海苔など、和食だけに留まらない海苔ですが、2014年の収穫量が1位の都道府県はどこでしょう?

2014年度はやはり・・・長年王者の佐賀県!

ずばり!2014年における海苔の養殖収穫量ですが1位は佐賀県です!全体の収穫量276,129トンのうち、1位 佐賀県が23%を占め、62,663トン、次いで2位 兵庫県で20% 54,897トン、そして3位に福岡県 14% 39,013トンとなっています。
実に2004年から10年間、海苔の養殖収穫量において佐賀県は絶対1位でした。

海苔とは一体なにもの?

実は海苔は、ワカメやコンブと違い「海苔」という海藻が海中に生えているわけではありません。海苔は、紅藻・緑藻・シアノバクテリアなどを含んだ食用の藻類の総称で、それらの加工品が板海苔や生海苔です。ですので「海苔の養殖収穫量」とは、「多数の海藻の養殖収穫量」を指します。 そして、収穫する「多数の海藻」とは主に養殖された、
・あまのり属 すさびのり、あさくさのり
・あおのり属 すじあおのり
・あおさ属 ひとえぐさ
という海藻です。
ちなみに、海苔は栄養が大変豊富で、タンパク質、食物繊維、ビタミンC、カルシウム、EPAなどが含まれており、特に葉酸は、食品の中でも一番の含有量と言われています。(焼海苔100g中の含有量は1,900μg)

気になる収穫量1位の推移

先ほど、2004年から2014年の10年は佐賀県がトップだったとお話しましたが、近年の推移はどうなっているのか見てみましょう。

  • 2014年 1位 佐賀県 23% 2位 兵庫県 20% 3位 福岡県 14%
  • 2015年 1位 兵庫県 23% 2位 佐賀県 22% 3位福岡県 14%
  • 2016年 1位 佐賀県25% 2位 兵庫県20% 3位 福岡県15%
  • 2017年 1位 佐賀県22% 2位 兵庫県20% 3位 福岡県16%
  • 2018年 1位 兵庫県24% 2位 佐賀県24% 3位 福岡県13%
  • 2019年 1位 佐賀県25% 2位 兵庫県21% 3位 福岡県15%

ご覧のとおり、2015年、2018年に関しては、絶対王者であった佐賀県が兵庫県に1位の座を渡しています。
国内では有明海の海苔の養殖に続いて、明石や淡路など播磨灘での海苔の養殖が盛んなことがわかります。

有明海の恵み!有明のり

有明海で採れる海苔は先ほどのデータで分かるとおり、国内最多の生産量(佐賀、福岡、熊本など合わせてシェア約50%)を誇っています。
有明海が海苔づくりに適している理由は3つ。
・100以上の多くの河川からミネラル豊富な栄養がたっぷり流れ込んでくること!
・淡水と海水がほどよく混ぜ合わさり、海苔の養殖に適した塩分濃度!
・潮の満ち引きによる水位の差と光合成!
特に有明海の干満差はなんと最大6メートルもあり、海苔づくり最高の環境ともいえます。養殖の支柱に固定した海苔網が1日1回干し出されるので、太陽の光を浴びた海苔が光合成することで独特のうま味へと繋がります。

海藻が板海苔に変身するまで!

有明海での板海苔の養殖を参考に、板海苔が作られる工程を見てみましょう。

①夏、海苔の素になる殻胞子嚢(かくほうしのう)を、カキ殻を寝床にして育てます。
②秋、殻胞子嚢がたくさんの胞子を放出します。その胞子を海苔の栽培に使う網に付着させます。
③海苔種が付いた網を1枚ずつにして、培養漁場いっぱいに広げます。
④日中の太陽光線を受けて、濃い赤みを帯びた海苔が育ちます。(ここまで室内養殖場で行うこともあります。)
⑤干満を繰り返す海の中で海苔が15cm~20cmに育ったら収穫をします。
⑥摘んだ海苔は、全形一枚分の量に分けて「みす」の上にのせ、四角い海苔の形にすきます。
⑦全自動のり乾燥機で水分をとり温風にあてて乾燥し、乾のりに製造します。板海苔の完成です!

海苔は縁起物!

海苔は奈良時代より前から、朝廷に献上されるほどの高級品で縁起が良いと重宝されていました。
また昭和20年代まで海苔の生態系は明らかになっておらず、漁師の勘と経験のみで養殖をしていて、豊作も不作も運に左右されるものでした。そのため海苔は運草と呼ばれ、おめでたいときの御進物に使われるようになったそうです。ぜひ幸運を願う縁起物として、日本の自然が育んだ各地の海苔を大切な人に贈ってみてはいかがでしょうか?

ザ・ご当地検定の問題

Q.2014年度、海苔の収穫量が全国1位の都道府県は?

A.佐賀