佐賀県の郷土料理と言えば、呼子のいか料理や有明海の海の幸を使った有明料理、須古寿しなど様々にありますが、その中でデザートにもなる郷土料理があります。ご紹介しましょう。
プルプルもちもち食感
『呉豆腐(ごどうふ)』は、豆乳に「にがり」を使って固める一般の豆腐と違い、葛粉や片栗粉(でんぷん)などを混ぜ合わせて固めた佐賀県や長崎県の郷土料理です。もっちりプルプルとした食感と滑らかな舌触りが特徴で、豆腐とは一味違ったおいしさを楽しめます。
一般的な食べ方は、しょうゆ、すりごま、砂糖などで作る少し甘めのごましょうゆをかけていただきますが、しょうがやわさびともよく合います。最近ではきなこや黒蜜をやきなこをかけて、デザート感覚で食べたりすることも。また天ぷらやフライなど油で揚げてもおいしくいただけます。
『呉豆腐』の歴史
昭和の初めごろ、長崎に大豆の買付けに訪れた有田の豆腐屋が、中国人から葛を用いた豆腐のことを聞き、その作り方を習ったのが始まりと言われています。精進料理の中の一品として有田で食べられるようになり、やがて『呉豆腐』と呼ばれるようになりました。現在では各家庭の普段の食卓にものぼるようになり、佐賀の有田の郷土料理として知られるようになりました。
『呉豆腐』の作り方
『呉豆腐』は身近な材料で簡単に作れるので、興味のある方はぜひ試してみてください。
材料はお茶碗約4個分で、無調整豆乳500グラム、片栗粉50グラム、塩ひとつまみを用意します。大きめのお鍋に豆乳と片栗粉、塩を入れてよく混ぜて片栗粉を溶かします。片栗粉が完全に溶けたら、弱火でゆっくりと混ぜ合わせながら加熱し、もちもちとまとまるようになるまで5分から8分程度よく練りましょう。2分程度火にかけると、少し粘り気が出てきます。そして5分経つと、もっちりとしてくるので焦がさないよう気をつけてよく練ります。完全に固まったら火を止め、湯のみ茶碗などにラップを敷いて、その上に固まったものを入れましょう。巾着のようにしっかり閉じ、水を入れたボウルに入れて冷やして粗熱を取ります。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、完成です。
できたものは味噌だれやしょうゆだれでおかずとして、または黒蜜などをかけて、デザートとしても楽しめます。冷やし固める前に、火を通した海老や鶏肉などを入れたりとアレンジも色々とできます。
有田焼の町、有田町に出かけてみよう
佐賀県有田町と言えば有田焼で有名です。『有田ポーセリンパーク・のんのこの郷』は、17世紀以降、ヨーロッパの王候貴族を魅了し世界の陶磁器に影響を与えた有田焼の里ならではのテーマパークです。入って目を引くのは、ドイツのドレスデン市にあるツヴィンガー宮殿を再現した建物たち。江戸幕末から明治初期までの有田焼の作品を展示や様々な飲食店が軒を並べています。また園内の所々にある庭園では、四季折々の花々と緑で癒されます。『有田焼工房』では絵付けや手びねり、ろくろによる陶芸が体験できますよ。
佐賀県立九州陶磁文化館は、九州最大規模の焼物博物館で約2万5000点の所蔵品を誇ります。中でも江戸時代の有田焼を収集した柴田夫妻コレクションや古伊万里(有田焼)を集めた蒲原コレクションは忘れずに見学しましょう。実はこの博物館はトイレも有田焼。1階のトイレの3室が洗面台やペーパーホルダー、ゴミ箱など有田焼の特別仕様のおしゃれなトイレになっています。
『陶山神社(すえやまじんじゃ)』は、応神天皇や鍋島直茂、陶祖である李参平を祀る有田町の総鎮守。陶山神社の本殿前の鳥居は何と磁器製。境内も狛犬、大灯籠、大水瓶、陶柱などが焼物だけでなく、絵馬やお守りも焼物でできています。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 豆乳にくずや澱粉を加えて固めた、佐賀県や長崎県の郷土料理は?
A. 呉豆腐