京都府を中心に生産されている、曲がった形と縞模様が特徴的な里芋とは?

京都府と言えば京野菜が使われたおばんざいが有名です。そんな野菜の中でも曲がった形と縞模様が特徴的なブランド野菜があるんです。今回はその野菜の特徴や栄養、栽培方法などについて紹介します。

ある魚介類に似た京都のブランド野菜

京都府丹波ではサトイモのことを小芋と呼ぶこともあり、様々な種類があります。特に11月~1月に旬を迎えるエビイモは、通常のサトイモよりも大ぶりで、エビのような縞模様と形がやや細長くエビの尾のように曲がるのが特徴です。その見た目からエビイモと名付けられましたが、京芋とも呼ばれています。エビイモは身がきめ細かく煮崩れしにくいのが特徴です。そのためおばんざいでも煮物やおでんなどによく使われます、特に棒タラと一緒に炊き合わせた「いもぼう」は有名です。ただ栽培するのが難しく、有機質が多いこと、土が深いこと、水捌けがよく適度な湿気をもつことなど、土壌の条件がいくつかあります。

エビイモの栽培方法は、まず土を耕しビニールをかぶせます。そこに種芋を植えて、水をたくさんかけます。種芋が育ったら親芋の葉を2、3枚とります。これを葉かきといいます。次に土を寄せますが、少しずつ何回も繰り返します。葉が少し枯れてきたら、収穫となります。栽培で重要になるのが土寄せで、親芋の茎と子芋の茎の間に土を入れる作業です。この工程を行わないと、子芋が親芋にくっついたままでエビイモの特徴である曲がった形になりません。

種芋の大きさは40~80グラムが好ましく、大きさは揃えます。そして、もうひとつ栽培する上で重要なのは、肥料の量と時期です。エビイモは肥料障害を受けやすいので、植える時期は土の湿り気によって決めます。適しているのは梅雨後の適度に湿った状態です。もし土が乾燥気味の時は、2週間前に施した肥料でも障害が出る可能性があるので水をまく必要があります。

美味しいエビイモの見分け方

美味しいエビイモの見分け方や選び方を紹介します。まず、ふっくらと丸みがあり表面にキズの無いものを選びます。そして手に持った時に、ずっしりと重みを感じるものが美味しいエビイモです。軽かったり軟らかくなっているものは古くなっていたり、傷みが進んでいる証拠なので避けましょう。エビイモなどサトイモの栄養素は、カリウムを多く含んでいて塩分を排出する手助けをしてくれるので、高血圧や動脈硬化に効果的です。また、カルシウムやマグネシウムなども比較的多く含まれています。

保存方法は、通常のサトイモと同じで土がついたまま冷暗所に保存します。土を落とすと乾燥して傷みが早くなってしまいます。加えてあまり寒過ぎてもいけないので、冷蔵庫には入れないようにしましょう。エビイモは道の駅などで購入でき、この場合は土つきの場合がほとんどですが、もしスーパーなどで土のついていないものを購入した場合は濡れた新聞紙やペーパータオルで包んで保存します。

ちなみに冷凍保存も可能です。たくさんある場合は冷凍しておくと傷みが気にならず、また使いたいときにすぐ使えるので便利です。冷凍する方法は、生のまま、茹でて皮をむく、皮を向いてからゆでる、の3通りです。一番簡単なのは茹でてから皮をむく方法です。半茹でくらいに茹でてざるにあげ、流水に当てることで皮をむきます。加熱することで簡単に皮がむけるので、滑ったり痒くなったりすることがありません。皮をむいたら好みの大きさに切って冷凍します。灰汁抜きが充分に出来ていないので、お吸い物やスープには不向きです。煮物やコロッケなど、多少濁っても大丈夫な料理に使うのがおすすめです。

エビイモは京都を代表する京野菜

エビイモは栽培が難しく、生産地も少ないサトイモです。きめ細やかで肉厚なエビイモはおばんざいの材料としても人気です。京都の伝統野菜37品目にも選ばれているので味もお墨付きです。一番美味しい11月~1月にぜひ味わってみてくださいね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 京都府を中心に生産されている、曲がった形と縞模様が特徴的な里芋は?

A.エビイモ