長野県のうどん「おざんざ」で、つなぎとして使われている変わったものは?

長野県には、塩ではないものをつなぎに使って作る不思議なうどんがあります。その名も「おざんざ」と言います。長野県の大町でしか食べることができない幻のうどんなのです。おざんざの歴史とその魅力について紹介します。

長野県大町温泉郷で生まれたおざんざ

納豆の糸をつなぎにしているおざんざは、長野県大町温泉郷で生まれました。大町の温泉旅館の会長さんは納豆が好きでした。スキーヤーや観光客など多くの人が訪れる大町温泉郷でも、何か納豆を使った良い料理がないものかと考えていたのです。そんな会長さんのアイデアで生まれたのが、塩ではなく納豆をつなぎに使ったうどんです。そのアイデアは斬新でしたが、試しに旅館で出すと美味しいと好評でした。納豆のネバネバ感もありません。さらに、乾麺にすればお土産としても販売できました。

こうして大町の温泉旅館の会長のアイデアで、おざんざは長野県の名物となったのです。乾燥させることが難しいと言われるおざんざですが、乾麺で販売されることで長野土産としても人気を呼ぶようになります。地元の飲食店や旅館でも、おざんざが提供されることが増えていきました。大町温泉郷の会長は、まさに長野のグルメの歴史を生み出したとも言えるのです。

隠れた名物おざんざの栄養効能と食べ方

納豆をつなぎに使っているおざんざは、塩を使っていないために塩分を控えたい人におすすめのうどんです。美味しいうどんでも食べたときに塩気を感じることがありますが、おざんざはまったく塩気がありません。高血圧などの成人病で塩分量をコントロールしなければいけない人に最適と言えるでしょう。さらに納豆を使っていることから、大豆イソフラボンも摂取できます。イソフラボンには、女性ホルモンを整える作用があります。生理痛や更年期のイライラなどを抑えることができるうどんとして、女性にも人気が出てきます。さらにナットウキナーゼにより、血栓も溶かしてくれるのです。腸内環境にも良いヘルシーなうどんで、便秘症の人にも喜ばれました。

おざんざは、納豆の香りはほとんどしないので、納豆が苦手な人でも問題なく食べることができるのも嬉しい点です。茹でているときは多少納豆の匂いがしますが、茹で上がってから水で冷やすと匂いはほとんどなくなります。勿論、納豆が好きで匂いも気にならない人は、熱いおざんざを食べるのもまた美味しいものです。冷やして食べる際はしっかりと水洗いして粘り気を洗い流してから、薄口醤油か白醤油に付けて食べるのがポイントです。

おざんざ、消えないで!

そんな長野県の名物おざんざですが、残念ながら長い歴史ある製造元ではおざんざは作られなくなってしまいました。けれども美味しいおざんざを長野県から絶やしてはならないと、地元の飲食店が製粉所や製麺所と力を合わせて、新しい形の細麺を開発しています。おざんざの良さは、コシがあってもちもちした触感です。本来のおざんざとはまた少し異なりますが、こうしたおざんざの魅力と特徴を受け受け継ぎ、できるだけ似た麺を作ろうと張り切っているお店があるのです。

長野県というとやはり蕎麦が有名ですが、大町の旅館で生まれたおざんざうどんのファンがたくさんいるのは確かです。こんな特徴のあるうどんはなかなかそうありませんよね。栄養も豊富で健康にもつながります。そんなおざんざが長野県から消えてしまうのは、やはり惜しいものです。何とかおざんざの魅力を知っている地元の人、ファンの人たちの力で、おざんざを絶やさないよう頑張って欲しいものですね。

長野県の幻のおざんざは形を変えても語り継がれることでしょう

長野の温泉郷発祥のおざんざは、酵素が活きる麺と高く評価しているうどん職人も見られます。製造元はなくなっても、きっとこれからもその存在は消えることはないでしょう。長野に行ったなら、おざんざを食べることができる店を探してみてはどうでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 長野県のうどん「おざんざ」で、つなぎとして使われている変わったものは?

A. 納豆の糸