山梨県大月市は、県東部の郡内地方に位置する市です。市内には桂川や笹子川が流れ、市内からは富士山が望めるほか、日本三奇橋の一つである「猿橋」がある地としても知られています。そんな大月市の特産品を紹介します。
ターメリックとウコンはちょっと違う?
山梨県大月市の特産品、ウコン。よく『ターメリック=ウコン』と認識されがちですが、厳密に言うと少し意味合いが異なります。大月市とウコンの関係性を見る前に、ターメリックとウコンの違いも知っておきましょう。
そもそもターメリックとは、ショウガ科ウコン属の多年草ウコンの根や茎を乾燥させ、粉末状にしたものを指します。原産国はインドとされており、鮮やかな黄色が特徴的な食材です。味はほんのりとした甘みと苦みがあり、ショウガのような爽やかな香りがあります。アジア各地では料理に使われるだけでなく、魔除け、薬、化粧品など多種多様な場面で使われてきました。
このターメリックの原料となるのがウコンです。しかし、ウコンと言っても様々な種類があり、食用と健康食品用と使い分けられています。健康食品の材料としてよく使われるのは春に花を咲かせる春ウコンで、食用として使われるのは秋に花を咲かせる秋ウコンです。
ターメリックは、ダイエット効果や殺菌・抗酸化効果のほか、肝機能向上効果が認められています。お酒を飲んだ後の悪酔いや二日酔い対策として、秋ウコンを使ったドリンク剤が国内でも流通しています。ウコンはお酒好きな人たちの強い味方なのです。
大月市のウコンは何がすごい?
山梨県大月市では約30年前からウコンを特産品として売り出しています。豊かな自然が残る大月市には野生動物も多く生息しており、畑は長年、鳥獣被害に悩まされてきました。そこで、鳥獣被害の少ない作物が何か考えたところ、地元の人たちはウコンにたどり着きました。それまで畑で育てていた野菜を囲うようにしてウコンを植えて一緒に栽培することで、被害を少なくすることができたのです。
元々、大月市は織物産業が盛んな土地でもあり、ウコンも染料として使われていたので、大月の人々にとってウコンは馴染みのある植物でした。やがて、ウコンは染物の材料として使うだけでなく、身体に良い食品であることも明らかになります。このような経緯から大月市内では染料、薬草、健康食品としてのウコンの栽培が活発に行われるようになり、平成9年7月には大月市、大月市農業委員会、クレイン農業協同組合、大月市商工会の計四者で「野草のさと・大月」構想を打ち出しました。
国内で市販されている多くのウコン商品の中でも、大月市産のウコンは最高クラスの純度を保っています。その秘訣は、無農薬栽培が徹底されていることです。また、製造・加工途中の選定や屑取りなどは、ほとんどが手作業で行われています。製造過程でも薬品を使わないことで、清潔で純度の高い品質を実現することができるのです。
ウコンを使ったお土産はある?
大月市内では、特産品であるウコンを使ったお土産も販売されています。大月名物の『月まんじゅう』は、まるで満月のような形の黄色いおまんじゅうです。この黄色いおまんじゅうの皮に、大月産のウコンが使われているのです。大月市内の観光案内所や、初狩パーキングエリア(上下どちらも)などで購入することができます。粉末状のウコンも料理に使ったり、お茶に溶かして飲むことができたりと様々な使い道がありますよ。例えば、カレーを作った時にお米をターメリックで黄色く色付けするだけで、一気に本格的なカレーに早変わりです!
大月の特産品、ウコンのすごいチカラ!
業界内でも最高品質との呼び声高い山梨県大月市産のウコン。それは、かつてこの地に暮らす人々の生活の知恵から生まれた特産品でした。今も農家や多くの地元の人たちの地道な努力によって、その品質が保たれています。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 山梨県大月市の特産でもある、ターメリックの原料とは?
A.ウコン