国技館のある両国のご当地グルメをご紹介します。力士の鍋料理という印象が強いグルメですが、その歴史などについて詳しく紹介していきます。
ちゃんこ鍋とは
ちゃんこ鍋とは相撲部屋で力士が食べる食事の代表的なものとして広く知られています。相撲部屋で鍋料理がよく食べられるようになったのは明治時代以降とされておりそこまで歴史が古いわけではありませんが、ただ単に鍋料理を食べるというだけではなく兄弟力士や親方と反省会や食べることそのものが稽古であるという考えからこのような形が広まったとされています。ちゃんこ鍋は寄せ鍋風のものやソップ炊きのものなどが基本で、部屋によっては名物的なちゃんこ鍋がある場合もあります。
ちゃんこ鍋では野菜やキノコの他、魚や肉類など様々な食材が使用されていますが、以前は肉は鶏肉以外はほとんど使われないことが多かったです。鶏肉がほとんどだった理由としては、牛や豚は四足動物だからです。相撲の世界では手をついた四つん這いの格好は負けになりますので、縁起をかついでこれらの食材は使われませんでした。ただし、現代においてはこのようなこだわりを強く持っている部屋は少なく牛や豚も普通に使われています。
ちゃんこ鍋はちゃんこ番という当番が作るのですが、両国の周辺には元力士が開いたちゃんこ鍋のお店も多数あります。力士が食べるので太る食べ物と思っている人もいますが、バランスのいい食材を煮込んで食べるちゃんこ鍋は消化も栄養も優れているということで、美容食や健康食として注目されることが増えてきました。
お店だけでなく本物のちゃんこ鍋も
東京都墨田区両国近辺のご当地グルメとなっているちゃんこ鍋ですが、国技館の周辺には多数のちゃんこ鍋を提供しているお店があります。実際に力士として活動していた方が引退後にちゃんこ番の経験を活かして開業しているケースもあれば、ちゃんこ鍋専門店以外でも提供されているケースがあります。このような一般の人が訪れるちゃんこ鍋のお店は、一般の人が食べるのに向けた味付けのアレンジや食材のサイズになっていることが多いです。また、店内に土俵があったり、相撲に関するものが展示されているお店など両国ならではのお店も少なくありません。
一般向けのお店のちゃんこ鍋も良いですが、本格的な相撲部屋のちゃんこ鍋を食べてみたいという人も多いでしょう。そういった人には不定期で開催される相撲部屋見学ツアーがあります。相撲部屋の稽古見学はできるところとできないところがあり、できるところでもちゃんこ鍋の提供がされるのは後援会など関係者のみです。しかし、このようなツアーの中にはちゃんこ鍋がセットになっているものもあり、本当に力士の方が食べているちゃんこ鍋を楽しむことができます。
相撲部屋の見学ツアーは数も少なく、なかなか見つけることもできないという人も多いですし、朝早く行くのは大変という人も多いでしょう。そんな人でも本物のちゃんこ鍋を食べる方法はあります。国技館で大相撲を開催している期間限定になりますが、国技館の地下にある大広間で相撲部屋特製ちゃんこが1杯300円で提供されているのです。ちゃんこは日替わりで各部屋のちゃんこ長のレシピで作られた本物の相撲部屋ちゃんこ鍋です。開催期間中は来場者の多くがこのちゃんこ鍋を求めて地下大広間に訪れており、1日2,000杯以上売り上げています。国技館で相撲観戦しつつちゃんこ鍋を食べるというのがある意味お決まりなのです。
ちゃんこ鍋を食べに行こう
ちゃんこ鍋は両国周辺のご当地グルメとして知られていますが、お店ではなく本物の相撲部屋のちゃんこ鍋を食べる方法もあります。現地に行かないとなかなか経験できることではありませんので、国技館で相撲観戦する際などには試してみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 東京のご当地グルメともなっている、力士の食事として有名な鍋料理は?
A.ちゃんこ鍋