滋賀県の「贅沢煮」で煮込まれている贅沢じゃない具材とは?

贅沢煮は滋賀県の郷土料理です。味付けは家庭によって微妙に異なりますが、素朴な見た目とあいまって、どこか懐かしい雰囲気が漂う一品となっています。今回はそんな贅沢煮の豆知識や作り方について詳しく紹介していきます。

なにが「贅沢」?贅沢煮の豆知識

贅沢煮のメインとなる材料は、たくあんの漬物です。たくあんはスーパーなどの一般的な店でも手に入れやすく、価格もあまり高すぎないので、美味しい節約料理を作りたい時や、たくあんのアレンジ料理を探している時にも贅沢煮はぴったりです。ほかの材料も醤油やみりん、トウガラシなど、用意しやすいものが多いため、献立のレパートリーにも加えやすいです。

そんな作りやすさも贅沢煮の魅力の1つなのですが、それならこの料理の「贅沢」さはどこにあるのか、という疑問を持つ方もいるかもしれません。その疑問は、贅沢煮になくてはならないたくあんが解決してくれます。そもそもたくあんは調理をせずにそのまま食べることができる漬物です。それをきちんと塩抜きしたり、出汁などで煮込むなどの手間隙をかけて1つの料理に仕上げるところが「贅沢」なので、この名がつけられたとされています。

琵琶湖の北側にある農村部では、このたくあんを使った贅沢煮を葬式に出す風習があったそうです。また、贅沢煮と共に塩切りにしたナスビの煮物も出す風習もありました。このためこの地域では大根やナスビをたくさん漬けておいて、いつ葬式があっても対応できるように準備している家庭が多かった、という話も残っています。贅沢煮は葬式という亡くなった人を悼む行事にも相応しい料理として、滋賀県の北部に住む人々に昔から重宝されてきたようです。

チャレンジしてみよう!贅沢煮の作り方

贅沢煮を作る時は、まずメイン食材であるたくあんの味に合わせたレシピを探すようにしましょう。たくあんの味が濃すぎる場合は醤油などの調味料の分量を減らしてみるなど、ちょうど良い味に仕上がるように味見しながら作るのがおすすめです。贅沢煮の基本的な材料は、たくあんが1本、醤油が大さじ3、みりんと酒が大さじ1、出汁が2カップ、トウガラシが1本です。

作り方は、最初にたくあんを厚さ3mmほどに切って、沸騰したお湯の中に入れます。次にお湯をもう一度沸騰させたら、10秒ほど待って火を消し、塩を抜くためにそのまま1日ほど置いておきます。途中で2度ほど水を入れ替えましょう。たくあんの塩気がなくなったらざるにあげておきます。

次に鍋にたくあんと出汁、酒、みりん、醤油を入れて、具材が柔らかくなるまで煮ます。圧力鍋を使う場合は、圧力がかかってから12分ほど炊き、圧力が抜けたら蓋を開けておきます。普通の鍋で煮込む場合は、たくあんの柔らかさをチェックしながら作ると失敗が少ないです。煮汁が少なくなったら細かく刻んだトウガラシを加え、少し煮込んで完成です。この基本レシピ以外にも、煮干を加えて作ってみたり、仕上げに白ゴマをふりかけたり、大根の葉も一緒に煮てみるなど、様々なアレンジ方法があります。

煮込んだたくあんは独特の食感で、噛めば噛むほど出汁や醤油のまろやかな味が染み出てきます。また、トウガラシのぴりっとした辛さも効いていて、最後まで飽きずに食べ続けやすいです。お粥のトッピングにしてみたり、弁当の一品に加えるのもおすすめの活用方法で、作りすぎてあまった時はチャーハンの具材にしたり、卵焼きの中に入れてみても美味しいです。手間隙かけて作った贅沢煮は、食べると作り手の愛情や想いも感じられそうです。

贅沢煮は滋賀県民に愛される郷土料理

滋賀県の家庭では贅沢煮が食卓にのぼる機会も多く、子どもの頃から食べなれている思い出の味としても親しまれています。材料も手に入れやすいものばかりなので、たくあんがあまった時や、あと一品ほしいという時に手作りしてみるのもおすすめです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 滋賀県で「贅沢煮」と呼ばれる煮物。メインで煮込まれる贅沢でも何でもない具材は?

A.たくあん