麺の上に豆腐とひき肉のあんかけが乗った「豆腐ラーメン」は、どこの都道府県の料理?

豆腐ラーメンは、鶏ガラベースの醤油ラーメンに、ひき肉と豆腐で作ったとろみのある餡がたっぷりとかかっているのが特徴です。ある県のB級ご当地グルメ王決定戦で、2度の優勝に輝いた豆腐ラーメンについてくわしく紹介します。

見た目はユニークだけれど、どこか懐かしくてホッとする味

豆腐ラーメンの味は、見た目の予想に反してあっさりしています。麺が見えなくなるほどたっぷりと盛られた豆腐のあんかけは、少し甘みのある醤油味で味付けられています。一見すると味にパンチのある麻婆豆腐のようですが、実際は肉豆腐のようなやさしい味わいが特徴です。トロトロに煮えた大きめの絹ごし豆腐は、ひき肉とスープの旨みをたっぷりと吸い込み、とじた餡は麺とよく絡み、息をフーフーさせながら熱々の豆腐ラーメンを食べると何だか幸せな気持ちになれることから、癒しのラーメンと称する声もあるそうです。

豆腐ラーメンのスープは、鶏ガラベースの醤油味でさっぱりとしていますが、味はキリッと醤油の味が立っています。食べ進めるうちにスープは餡とよくからみ、より深みのあるマイルドな味に変化します。豆腐ラーメンは味付けに少々ラー油などの辛みが入っているものの、さほど辛くはないので、小さなお子さんでも食べることができます。また、家系や豚骨などのこってりしたラーメンが苦手なシニア世代にも好まれているようです。豆腐ラーメンは、どの世代でも美味しく食べられるのが魅力なのです。

豆腐ラーメンを語るならこの店を押さえよう

埼玉県のご当地ラーメンとなった豆腐ラーメンですが、その発祥・ルーツは明確です。豆腐ラーメンは1970年、埼玉県岩槻市(さいたま市岩槻区)にある「レストラン大手門」で誕生しました。当時コックとして勤めていた高木利三さんが、まかないメニューとして考案したのがはじまりです。ラーメンの上に豆腐のあんかけを乗せネギをトッピングしたシンプルなもので、それがとても美味しく評判がよかったことから、店でも提供されるようになりました。豆腐ラーメンは店の人気メニューとなり、やがて岩槻市内のさまざまな店でも豆腐ラーメンが売られるようになり、いつしか岩槻市の名物ラーメンになったのです。岩槻城址公園内にある「レストラン大手門」は、法事や宴会料理も手がけるレストランですが、今でも元祖・豆腐ラーメンを500円というリーズナブルな価格で提供しています。

一方、豆腐ラーメンを考案した高木利三さんは、店を退職した後、2002年にさいたま市桜区田島に「トーフラーメン幸楊」を開店しました。昭和の面影が漂うレトロな店内は、豆腐ラーメンの考案者が作る味を求めて、連日多くのファンが足を運んでいます。豆腐ラーメンの他にも黒ごまがたっぷり入った真っ黒なスープのラーメンや、季節限定の七草粥ラーメンなど、想像力をかきたてるメニューを開発しています。また、「レストラン大手門」を退職したコックがさいたま市岩槻区に開店した「とうふらぁめん蘭蘭」も、若い人を中心に人気を集めています。

埼玉B級ご当地グルメ王決定戦2冠の実力

豆腐ラーメンは2008年、「トーフラーメン幸楊」と「レストラン大手門」が共同で出場した、第2回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦で優勝し、一躍その名が全国に知られるようになりました。さらに2年後の第4回大会でも再び優勝し、豆腐ラーメンの人気を不動のものにしたのです。豆腐ラーメンにはカップ麺もあるようです。2014年に寿がきやが高木利三さん監修のもと発売した「さいたま豆腐ラーメン」や、2016年にヤマダイが発売したニュータッチ凄麺「さいたま豆腐ラーメン」などがあり、手軽に埼玉のご当地ラーメンを楽しむことができます。

発祥の店と考案者の店が力を合わせる

最初に豆腐ラーメンを世に広めた発祥の店と、豆腐ラーメンを考案した人が開いた店が共に協力し、普及に励んでいる姿が印象的なご当地フードです。食べやすくて飽きのこない味付けの豆腐ラーメンの人気は、今後ますます広がっていくことでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 麺の上に豆腐とひき肉のあんかけが乗った「豆腐ラーメン」はどこの都道府県の料理?

A.埼玉県