沖縄のポピュラーな魚である「スク」を塩辛にした料理は?

沖縄ではポピュラーであるという「スク」という魚。みなさんは聞いたことがありますか?実は「アイゴ」の稚魚を「スク」と呼ぶのです。その「スク」を塩辛にした料理があるのですが、どんな料理なのでしょうか。

沖縄料理「スクガラス」

「スク」を塩漬けにした料理を「スクガラス」と呼びます。「スク」は「アイゴの稚魚」、塩漬けを「カラス」と呼びます。すなわち「アイゴの稚魚の塩漬け」ですね。

スクガラスは塩が効いている一品ですので、沖縄では、ひと口大に切った島豆腐の上に並べ、お酒のおつまみとして頂くのが一般的です。豆腐の上にスクガラスをのせたものを「スクガラス豆腐」と呼び、沖縄では、昔から親しまれている郷土料理です。豆腐は沖縄の島豆腐を使います。島豆腐は、本土の木綿や絹ごしよりも濃厚な味が特徴です。スクガラスに塩気がたぷりとありますので、醤油はかけずに、スクガラス豆腐をそのまま頂きます。口に入れると、スクガラスの強烈な塩辛さと、コクのある島豆腐が、沖縄の泡盛ととてもよく合います。さらにお好みで、島とうがらしを加えると、ぴりっとした辛味が楽しめます。

スクは、頭の部分が硬く、小骨が多い魚ですので、尾のほうから食べると骨が喉に引っかかり危険です。頭から食べるのが良いでしょう。

スクガラスの食べごろは?

水揚げしたスクをたっぷりの塩にじっくりと漬け込み、熟成発酵させることでスクガラスが出来ます。
本来スクガラスは3ヶ月で浅漬け、完熟には数ヶ月から1年はかかるといわれています。付け込んで1ヶ月程で魚の少しずつ魚特有の生臭さ消えていきます。そしてだんだん塩辛の匂いへと変わっていくのです。さらに3ヶ月程付け込むとスクの銀色だった表面がほのかに黄色みをおびてきてきます。その頃になるとやっとスクガラスの風味がではじめます。

潮の香りがまだほんのり残るその頃のスクガラスは浅漬けとして楽しみますが、それからさらに3ヶ月程でやっと熟したスクガラスの色である赤茶をおびはじめます。
完熟のスクガラスができるのは漬け始めてから約8ヶ月~1年と、長い時間が必要なのです。

しかし、塩分の加減によっては長期間の仕込ができなくなるそうで、美味しいスクガラスを作るには長年の長年の経験による塩とスクの絶妙なバランスが大事なのです。

スクってどんな魚?

スクとは、方言でエーグァーといい、まだ3cm前後の稚魚です。旧暦の6月、そして7月の大潮の日、決まったこの日に毎年、海の色を変えるほどの群れをなしてがやってきます。この年に2回しかない貴重な収穫時に、沖縄の漁師さんたちは海へ飛び出し、昔ながらの追い込み漁を行うのです。スク漁は、年に数日しか漁が行われないことから漁師さんたちには嬉しい「海からのボーナス」とも呼ばれます。

しかし、美味しく頂けるスクは餌となる海藻を食す前のスクのみです。藻を食べたスクは内臓臭くなってしまうため、食用には向かなくなってしまうのです。
生まれてから3日後には藻を食べはじめるので、その前の生まれてから2日以内には捕獲しないとスクガラスには利用できないとうわけですので、収穫時が貴重だというのも納得です。

また、スクは新鮮なうちは刺身でも食べる事が出来ますが、ほとんどがすぐにスクガラスの塩漬けされてお酒のおつまみになったりします。また、最近ではから揚げにするのも人気だそうですよ。

危険な魚?スクの食べ方とは

実はスクには、鋭い骨とトゲがあり、ヒレには毒もあります。
この毒にあった場合、舌がしびれたりするようです。しびれる痛みは数日続くこともあるそうですので注意が必要です。
沖縄では酢で締めて食べる調理法があり、酢で、スクをしめると、スクのとげが収まってくるのだそう。 食べる時も、棘に気をつけます。尻尾から食べると舌を指してしまう事があるので、あたまから口に入れます。スクを食べる時はあたまから。これだけは覚えて沖縄料理を楽しみましょう。

Q. 沖縄のポピュラーな魚である「スク」を塩辛にした料理は?

A. スクガラス