長崎のお菓子「かす巻き」や「カスドース」の「かす」とは何のこと?

九州の西側に位置し欧州諸国と交流があった長崎。そのため、異国情緒に溢れた美しい街並みで根強い人気がある観光都市です。そんな長崎で古くから地元の人たちに愛されている「かす巻き」や「カスドース」というお菓子をご存知でしょうか? 長崎土産として、この2つの銘菓もぜひチェックしてみてください。

「かす巻き」や「カスドース」の「かす」は「カステラ」が由来

長崎銘菓といえば、まっさきにイメージするのが「カステラ」という方がほとんどでしょう。実は「かす巻き」はカステラ生地であんを巻いたお菓子で、「カステラ巻き」と呼ばれることも。そして「カスドース」はカステラの焼き目がある両端をそぎ、溶いた卵黄にたっぷりくぐらせ、しっかり熱した糖蜜で揚げるように焼き上げたお菓子のこと。それぞれの名前につく「かす」とはカステラが由来で、ポルトガルの貿易商人やキリスト教の宣教師によって、カステラが伝えられたと言われています。カステラの語源は、ポルトガル語の「pao de Castelra(パオ・デ・カスティーリャ:カスティーリャ地方のパン)」のことで、日本ではそれを略してカスティーラ、カステラと呼んだといわれています。

バリエーションが豊富な「かす巻き」

かす巻きには粒あん、こしあん、白あん、抹茶あん、柚子あん、お餅入りなどバリエーションが豊富で、食べ比べも楽しいもの。どっしりしたカステラに素朴なあんの風味が溶け合い、お茶にもコーヒーにも合うお菓子です。外側にザラメ糖をまぶしたタイプは食感の変化がいいアクセントにも! カステラ生地で巻いたものが一般的ですが、薄いどら焼きのような生地で巻いたものも人気です。近年TV番組でも紹介され、広く知られるようになりました。

かす巻きの紀元は江戸時代までさかのぼり、帰国した藩主を迎える為に、当時贅沢品とされていたあんを使い、喜びを分かち合うお菓子として考案され、お殿様に献上されたと伝えられている歴史のある郷土菓子です。

「カスドース」はカステラのフレンチトースト版!?

カスドースの歴史もかす巻きと同様に古く、約400年に渡って愛され続けてきた伝統銘菓です。南蛮渡来のカステラに、当時は最高の贅沢品だった卵と砂糖をふんだんに使ったお菓子で、殿様しか食べられなかったそう。

長崎県平戸にある「平戸蔦屋」は創業1502年になる九州最古の菓子司。平戸蔦屋のカスドースは、明治から昭和にかけては皇室献上銘菓にもなりました。その製法も美味しさも400年前から変えず、良質な素材にこだわり、無添加で手作りされています。古くは平戸藩外不出とされ、庶民は食べることができなかったカスドース。当時の味わいを堪能できる平戸蔦屋の「カスドース」は、どのような味なのでしょうか。

カステラにコクのある卵黄をたっぷりまとわせ、糖蜜で揚げ焼きしたカスドースは、カステラのフレンチトーストと称する人も。卵黄の風味とコクが際立つスイーツで、原料がシンプルなだけに上質な素材こだわっている点も頷けます。表面にまぶした砂糖は、より溶けにくいグラニュー糖にした点が、昔と違う点だそう。

カスドースはそのままでももちろん美味しいのですが、トースターなどで少し温めて頬張れば、カステラ生地のしっとり感にじゅわっとにじみ出る糖蜜、そして卵の濃厚な風味が広がります! カスドースを入手した際は、常温と温めたものの2通りをぜひ試したいですね。なお、カスケードもかす巻きも常温で保存できるので、旅行の際にはお土産で買い求めるのも最適です。

ザ・ご当地検定の問題

Q.長崎のお菓子「かす巻き」や「カスドース」の「かす」とは何のこと?


A.カステラ