長野県で食べられている「ニラチヂミ」のような食べ物とは?

長野県の郷土料理と言えばおやきが知られていますが、まるで韓国の「ニラチヂミ」のようなもう1つのソウルフードも有名です。そのグルメの特徴やレシピと共に、長野県の特色も紹介しましょう。

ニラせんべいの特徴

ニラせんべいとは、小麦粉・水・卵を混ぜた生地にニラを加えて円形に焼き上げた料理のことです。うるち米の粉を焼きあげて作る一般的な硬い煎餅とは異なり、小麦粉を使った柔らかい薄焼きのことを指します。一口大に切ったニラ・卵・水を入れたボウルに小麦粉を加えて粘りが出るまでかき混ぜたら、フライパンに生地を流し込んで両面を焼き上げるだけで完了です。具材はニラだけなので見た目は地味で華やかさはありませんが、香ばしい匂いが食欲をそそります。

ニラせんべいをほおばるともちもちした粘りがあり、焼いたニラと小麦の香ばしさが口いっぱいに広がります。このように小麦粉を水で溶かした生地を焼いた食べ物を含め、穀物の粉を練って焼いた物を全て長野県では煎餅と呼ぶのです。長野県の長野市や須坂市といった北信地域では、江戸時代から各家庭でオリジナルの味付けのニラせんべいを間食や主食として食べてきたと言われています。いつでも手軽に作れるのでおやつとして愛されてきたニラせんべいは、江戸時代のファストフードとも言える存在でした。北信地域は冷涼な気候で米作が盛んでなかったため、代わりに蕎麦粉や小麦粉などを使った粉料理が発達してきたのです。

また寒冷地でも1年を通して採れるニラが具材として重宝されてきました。ニラせんべいはニラを入れて練った小麦粉を焼く点において、韓国のニラチヂミに似ています。しかし、豚バラや海老等の海鮮物を入れるニラチヂミと違って、具材としてはニラしか入れない点がニラせんべいの特徴です。ニラせんべいの味わい方に決まりは無く、生地に味付けしないで味噌・醤油・マヨネーズなどに砂糖や蜂蜜などを混ぜ合わせた独特のタレをつけて食べることになっています。ニラせんべいは家庭料理と言えますが、信濃製菓が商品として販売しており、若穂や北長池のコンビニなどでも購入が可能です。

ニラの栄養分として代表的な物はアリシンという物質で、ニラの独特の臭みの原因となっています。アリシンはビタミンB1の吸収に役立ち、疲労回復の効能が認められています。またアリシンには、免疫力アップと癌予防の効果もあるだけでなく、血流を滑らかにすることにより高血圧や動脈硬化の防止にも有効と言われています。ニラは大量のβカロテンやビタミンが含まれる緑黄色野菜であるため、視力の衰えを防ぎ皮膚をつややかに保って老化を防止する食材としても生活に欠かせません。心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも貢献する大変ヘルシーな野菜なのです。

長野県の特色について

ニラせんべいの誕生の地である長野県は、八ヶ岳や日本アルプスなどの高山を擁し自然に恵まれた県です。高原や盆地が多く存在しますが、気温の安定した平地が少ないため米作が難しくて、高原野菜のレタス・セロリ・アスパラガスやブドウ・桃などの生産量を伸ばしてきました。寒暖差の大きい長野県内陸部の伊那などの地域では、寒天の生産も盛んです。米が採れない地域では炭水化物の摂取を小麦粉や蕎麦粉に頼ることになり、信州そばやおやきが常食となっていました。

長野県名物として有名なおやきは、小麦粉と蕎麦粉を練り合わせて作った生地に野沢菜やカボチャなどの季節の野菜を入れて焼き上げる郷土料理です。長野県の主要な観光地では必ずと言ってよいほど、おやきの販売店があります。自然豊かな長野県の観光地と言えば、大正池や河童橋のコースで知られている上高地・電柱が1本も無く江戸時代の雰囲気を残す妻籠宿・全国屈指の別荘地である軽井沢など、枚挙に暇がありません。長野県の特産品や名物は東京銀座のアンテナショップ「銀座NAGANO」でも購入できます。

長野県を訪れたら、郷土料理ニラせんべいを探してみましょう。

長野県の郷土料理として有名なおやきを観光地で買える機会は多いですが、家庭料理のニラせんべいをお店で見つける機会はそれほどありません。しかし、長野に行ったら小さな屋台や古民家の食堂などで食べられることもあるのでニラせんべいを探してみましょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 長野県で食べられている「ニラチヂミ」のような食べ物は?

A.ニラせんべい