三重県で昔からある鍋料理。日本の「国の鳥」を使った鍋とは?

三重県は、海岸線も長く、山岳地帯もある豊かな自然に恵まれた地域です。そのため、三重県には海の幸、山の幸を問わず多くの名産品があります。この記事では、数ある名産品の中から紀和町自慢の鍋料理と、その周辺の観光スポットを紹介します。

紀和町渾身の名物

何故、キジ鍋が三重県熊野市紀和町の名物なのか、それは、紀和町でキジを飼育しているからです。紀和町では、昭和57年から狩猟用資源の確保のためとして放鳥用キジの生産を始めました。そして、昭和59年から食肉用として高麗きじの飼育を行っています。つまり、郷土の名産品としては、比較的歴史が浅いとも言えます。しかし、その飼育に対するこだわりは、瞠目に値します。約16,000平方メートルの広大な飼育場で卵から雛を孵化させ、丹精込めて育て、食用としての処理までを一貫して行っているのです。

雌鳥は1年に一度、春先に10個程度の卵しか産まないため、時期になると飼育員は一日何度も「種キジ舎」を確認し、丁寧に卵を集めます。孵化した雛のための飼育用水は、人間が一切手を加えていない天然水を使用します。孵化後100日くらいまでは温度管理や衛生面など非常に慎重な管理が必要です。その後も日々生育状況を確認しながら、丹精を込めて飼育します。キジは野鳥であり、家畜ではありません。したがって、確立した飼育方法がある訳ではないのです。今でも飼育員や関係者の方は、試行錯誤を重ねているそうです。このような取り組みに40年近い歳月を費やしているのです。当然、ブロイラーとは、まったく別の食材であることは、明白なのです。

健康食材でもある紀和町のキジ鍋

キジ肉は、鶏肉と比べタンパク質が多く、脂肪分が少ないため、カロリーも約半分程度でリンやカリウムといったミネラルに加え、アミノ酸も多く含んでいるため健康食品としての評価が高い食材です。そのキジ肉を昆布と鰹節のだし汁に白菜、ねぎ、にんじんなどの野菜とともに煮込むとあっさりとした中にもコク深い絶品の鍋料理が完成します。ただし、煮込み過ぎると肉が硬くなりますので、放置厳禁で堪能しましょう。高たんぱく、低カロリーで栄養価の高い紀和町のキジ鍋は、熊野市紀和町の料理屋、旅館などで提供されています。なかなか、他では味わえない逸品ですので、是非とも紀和町を訪ねてみてはいかがでしょうか。

紀和町周辺の観光スポット

「湯ノ口温泉」は、南北朝時代時代にはすでに温泉地として成立していたといわれますが、鉱山開発などによって昭和初期には一度枯れてしまいました。しかし、昭和53年に源泉が発見され、昭和54年に復活を果たしました。南北朝時代の後醍醐天皇ゆかりの温泉でもあります。また、丸山地区には、日本一の棚田とも言われる「丸山千枚田」があります。「笠の下にかくれていた田んぼがわからなかった」との言い伝えが残っているほどの小さな田が重なり合っていて、その数は約1,340枚と言われており、田植え前の夕焼けの絶景は、圧巻です。「風伝峠」は、熊野古道の一部であり、峠道のうち約2キロメートルが世界遺産に指定されています。同じく「鬼ヶ城」は、波の侵食と地殻変動による隆起によってできた巨岩です。その景観は、まさに大自然の彫刻芸術であり、これも世界遺産に指定されています。

この他にも「布引の滝」「赤城城址」「木津呂」など、南北朝以前から続く古の土地柄は、見どころが満載です。歴史好きにとっては、たまらない旅になるのではないでしょうか。また、三重県熊野市紀和町は大自然に恵まれた豊かな資源が豊富な土地柄です。歴史ばかりではなく、大自然が織りなす、名もない景観を楽しむことも一興ではないでしょうか。

穴場かも!熊野市紀和町

三重県は、その名も高き「松阪牛」、「伊勢海老」そして「ナガシマリゾート」など、全国区のグルメやレジャースポットを誇っています。しかし、そんなメジャーよりも穴場をお求めの方は、紀和町への訪問を検討してみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 三重県で昔からある鍋料理。日本の「国の鳥」を使った鍋は?

A.キジ鍋

Q. 日本一ともいわれる、三重県熊野市紀和町の棚田群は?

A. 丸山千枚田