手軽に立ち寄っておいしい餃子をいつでも食べられる「餃子の王将」。競合店の「大阪王将」のイメージから、こちらも大阪発祥と思っている方もいるかもしれません。でも、実は「餃子の王将」のルーツは大阪ではないのです。
餃子の王将の歴史
東北や九州の一部などを除き、日本全国の8割以上の都道府県に展開している「餃子の王将」。その第1号店と本社は京都府にあります。餃子の王将の創業者は加藤朝雄さんです。加藤朝雄さんは日中戦争のおりに中国にわたり、そこで中華料理を覚えたといわれています。1966年に京都御所の近くに王将という中華料理店を開業したものの振るわず、一時閉店。翌年1967年に、京都の四条大宮に現在まで続く「餃子の王将」を開店しました。こちらは順調に売上を伸ばし、開業から7年で法人化に成功しています。その時点で直営店が15店舗、フランチャイズ店が3店舗になっていたといいますからかなりの成長率です。
「早く、おいしく、安く」という餃子の王将の営業方針は庶民に受け入れられ、京都だけではなく滋賀、大阪、兵庫などへも進出。そして、創業から11年後の1978年には、新宿に直営店を出し、関東進出を果たしました。1980年に「株式会社 餃子の王将チェーン」、1990年には現在の「株式会社 王将フードサービス」に社名を変更しています。そして2005年には、餃子の本家、中国の大連に海外1号店を開店しています。
餃子の王将の特徴
餃子の王将の特徴は、やはり看板商品の餃子のおいしさ。2014年には主要な食材を国産化。餃子の命ともいえる皮も、北海道産国産小麦で作られており、味わい深さを増しているのに加えて安全性も高まっています。もう一つの特徴は、店舗での手作りのこだわり。特に低価格が売りのファミレスなどは、工場で作った料理を店舗で温めるだけという場合も多いです。それに対して餃子の王将は、料理人が店舗で調理しています。このため、味のカスタマイズにまで応じてくれます。マニュアルではなく、庶民に愛される「町の中華料理店」がそのまま全国規模になったのが餃子の王将だといってもいいかもしれません。
ただその餃子の王将でも、ただ一つ工場で作られているものがあります。それは餃子です。2014年以前、餃子の王将では餃子も店舗ごとに手で包んでいました。しかし、餃子の王将の名前が広まり、客の数が増えるとともに、餃子を包む作業は店員の負担となっていきました。売れる店だと、1日で6000個もの餃子を包まなければならなかったといいます。そこで社員の負担を減らすため、餃子だけは工場で作られるようになったのです。
餃子の王将1号店は京都観光の途中で行きやすい場所
餃子の王将の1号店は餃子の王将四条大宮店として今も営業しています。1号店の最寄り駅は山陰本線丸町駅、もしくは地下鉄東西線の西大路御池駅。近隣には大政奉還の舞台となった二条城があります。またもうすこし足を伸ばせば、京都市の中心である京都御苑があり、京都御苑内には遷都前の天皇のお住まいだった京都御所や、「蛤御門の変」の舞台となった蛤御門があります。1号店の店舗から西大路通りを南下すれば、西大路三条駅から太秦や嵐山へとつながる嵐山本線にも乗ることができるので、京都観光の途中で立ち寄るにも便利な場所です。1号店に行っても味に大きな違いはないかもしれませんが、餃子の王将の発祥地で食べたという思い出になりますね。京都には地下鉄とバスが乗り放題の1日乗車券もあり、地下鉄とバスを組み合わせて移動すれば効率よく京都観光ができます。
餃子の王将1号店・四条大宮店には限定セットメニューあり
京都府の餃子の王将1号店・四条大宮店には、壁面に「餃子の王将発祥の地」という石碑が貼り付けてあります。また、四条大宮店限定のセットメニューも用意されているので、それを食べに行くのもおすすめです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 『餃子の王将』を展開する『王将フードサービス』の本社があるのは?
A.京都
Q. 京都府にある「餃子の王将」の1号店はどれ?
A. 四条大宮店