日本全国の広域で見られる植物の「イタドリ」。高知県では山菜として名物にもなる植物です。その「イタドリ」を漢字で書くとどう書くか知っていますか?
高知の美味しい山菜「虎杖(いたどり)」?!
日本全土、山や野原だけでなく、川沿いの土手、道端、線路脇など至る所に自生している植物で食べると美味しい「イタドリ」をご存じですか?漢字では「虎杖」と書きます。
タデ科の植物で春先にタケノコのような紅色の斑点がある若芽を出し、地上から直立して育っていきます。その構造はタケやアスパラガスにも似ています。丈は1.5mほどまで成長し、環境が良いと2m近くまで育つことがあるのだとか。茎がジグザグに育ち、葉も大きい卵型に広がります。夏から秋には稲穂のような白い花を咲かせます。
高知県では「イタズリ」とも称され山菜として収穫し郷土料理に使用されています。
若芽も使えますが、そこからある程度大きくなった茎を食用として使用するため、葉がまだ開いていない太めの若い茎を狙って採取します。「虎杖」の収穫時期は4月半ば。野山でも群生していることが多いので一度に何本も収穫が期待できます。茎を引き抜く時の
ポンっという音も爽快で楽しい植物です。高知をはじめ、各地で春先のシーズンには野菜売り場に並ぶことがあります。
高知県では塩漬けにするのが主流ですが、その他にも幅広い料理に使えます。酸味があり爽やかな口当たりで、若芽部分は柔らかく、茎の部分はシャキシャキとした食感です。
「虎杖」を使ったさまざまなメニュー!
虎杖」は根際から折り取って収穫し、間が経つと硬くなって皮が向きにくくなるので、なるべく早く皮を剥きます。皮を剥いた中の茎を食べますが、太いものほど味が良いといわれ、サクサクした歯ごたえで、ぬらめきがあります。若芽は柔らかく生でも食べられます。料理によって使う箇所を変えるのがポイントです。
「虎杖」を使った料理はバラエティに富んでいます。
・虎杖の塩漬け
・虎杖の酢の物
・虎杖の和え物
・虎杖のきんぴら
・虎杖の天ぷら
・虎杖の混ぜご飯
・虎杖のジャム
などなど、たくさんの料理に使用できます。
虎杖は酸っぱさと爽やかさが美味しい春の味覚ですが、この酸っぱさには体に良い酸も悪い酸も含まれています。生でも食べられますが下処理として水に晒したりして酸味を軽くすることが必要です。体に悪い酸の中でも「シュウ酸」が含まれていて、摂りすぎると下痢を起こしたり結石などになる恐れがあるので一度に食べ過ぎないように注意が必要です。
食用にも薬にも杖にもなる?!「虎杖」!!
食用にも薬にも杖にもなる?!「虎杖」!!
「虎の杖」と書いてイタドリと読みますが、その名の通り山に生えている雑草の中でも茎が太く、長く硬く育つこと。そして軽くて丈夫なことも加えて「杖」として役に立つ植物なのだそうです。そしてよく見ると茎の部分には赤黒い横長の斑点があります。虎柄の斑点模様の杖ということで「虎杖(こじょう)」と呼ばれていた時代もあるようです。
平安時代初期に作られた日本最古の薬物辞典「本草和名」にも登場し、昔から傷薬として若芽をもんで傷口に付けると血が止まったり痛みが和らいだりしたようで、昔の人は「痛み取り」として使用していました。それが転じて「イタドリ」と呼ばれるようになったという説があります。
また根は、緩下薬として用いられています。
スカンボと呼ばれることもあり、これは茎を折った時のポンという音から来ていると言われています。(ちなみに同じタデ科のスイバという植物もスカンボと呼ばれることがあります。)
海外では厄介者にされる「虎杖」?!
高知県では保存食や郷土料理として名物になっている虎杖は、非常にパワフルな植物でどんな所でも根を張り群生します。
元々、日本で自生していた丈夫な虎杖ですが、19世紀にドイツの医師で博物学者のシーボルトによってヨーロッパへ持ちだされます。観賞用の目的と言われていますが、海外で虎杖は逞しく群生していきました。やがてヨーロッパや北アメリカでは強害草として扱われていきます。
日当たりが良ければすぐに根付き、コンクリートやアスファルトを突き破って、硬い茎をグングン伸ばして育ちます。その生命力の強さから虎杖の生えている物件は買い手がつきにくく厄介者扱いなのだそうです。
ヨーロッパではスイーツ作りに使われるタデ科の野菜「ルバーブ」のような爽やかな甘味を持っている虎杖。海外でも嫌われず、ジャムやタルトやマフィンなどの食材として役に立つことを願います。
ザ・ご当地検定の問題
Q.高知県名物の山菜「イタドリ」を漢字で書くと?
A.虎杖