「鹿児島風月堂」は鹿児島県を中心に、鹿児島にちなんだ数々の和洋菓子を製造・販売する大正時代から続く老舗。そこで販売されている桜島にちなんだお菓子は、どんなお菓子かご存知でしょうか?
その名も「溶岩饅頭」
鹿児島のシンボルと言われる桜島は、今も活動を続けている活火山。大正8年創業の風月堂初代が、溶岩を模して作ったのが「桜島溶岩饅頭」です。名前からするとえらく硬そうですが、ぼこぼことした生地は黒糖が入ってしっとりとやわらかく、中にあずきのつぶあんが包まれています。甘めで素材の良さを感じる素朴な味わいのお饅頭です。
鹿児島のシンボルの桜島
錦江湾とも呼ばれる鹿児島湾に浮かぶ桜島は高さ1,117メートル、周囲約52キロ、面積約80キロ平方メートルの北岳・南岳の2つの主峰からなる複合火山で、霧島錦江湾国立公園に指定されています。
桜島は約2万6千年前に誕生し、17回に及ぶ大噴火を繰り返してきました。以前は名前の通り「島」でしたが、大正3(1914)年に起こった大正大噴火で噴出され、流れた溶岩によって海峡が埋め立てられ、大隅半島と陸続きとなりました。現在も毎日のように小規模な噴火を繰り返す世界的な活火山なのです。2011年の爆発的噴火は996回を数え、観測史上最多を記録しています。
桜島には見どころいっぱい
まず訪れたいのは、桜島フェリー乗り場すぐそばにある桜島ビジターセンター(火山のミニ博物館)。桜島の火山のしくみ、海や植物のことなども展示されており、ハイビジョンシアターやジオラマ、パソコンなどで現在も活動する桜島を体感することができます。入館料は無料なので、立ち寄って火山について知識を深めると桜島をより身近に楽しめますよ。
鹿児島市街から桜島へ向かうのには、鹿児島港からフェリーに乗るのが手軽でおすすめ。パンフレットなどでもお馴染みの海上からの桜島を眺めることができます。そして、この桜島フェリーの名物が「やぶ金」のうどん。鹿児島グルメの薩摩揚げがのった、関西風のおだしの素朴な味わいがおいしいうどんで小腹を満たして、桜島に上陸しましょう。ちなみに、錦江湾には野生のイルカが生息しています。桜島フェリーのデッキからもイルカの群れを見かけることがあるのだとか。運が良ければドルフィンウォッチングもできてしまいます。
桜島の4合目にあるのが湯之平展望所です。標高373メートルで北岳の4合目に位置し、桜島で立ち入ることができる最高地点です。ここでは、溶岩やゴツゴツとした山肌といった活火山ならではの光景が目の当たりにできます。360度のパノラマで西側には錦江湾を挟み、南九州最大の都市である鹿児島市の街並みが望めます。
桜島港から歩いて約5分の場所にある桜島溶岩なぎさ公園は、日本最大級の足湯があります。全長約100mの長い足湯は、1,000m地下より湧出するお湯のれっきとした天然温泉なのです。赤褐色の足湯に足だけでも浸せば身体がポカポカ温まります。
大正3(1914)年の大噴火は、国内では20世紀に経験した最大規模の噴火でした。噴出した大量の火山灰・軽石は、上空18,000メートル以上まで上昇したと言われています。黒神地区にあった「腹五社神社」の鳥居は、大正噴火後わずか1日で火山灰に埋め尽くされ、高さ3mあったという鳥居も上部の約1mのところまで埋まってしまいました。住民は鳥居を掘り起こそうとしましたが、当時の村長が「後世に噴火の記憶を残そう」と決め、噴火直後の姿が現在に残されています。
桜島で最も大きい神社である月讀神社(つきよみじんじゃ)は、1,300年の歴史があるといわれる由緒ある神社で、パワースポットとしても人気があります。ここのおみくじは、幸福の「鳩みくじ」と開運の「ふくろうみくじ」の2種類あり、鳩とふくろうの形でかわいく結ばれていて、どちらも引きたくなります。桜島港のすぐそばにあるので、フェリーで桜島に渡ったら、まずはお参りして旅の安全をお願いしてみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 桜島にちなんで命名された、『鹿児島風月堂』が販売するお菓子は?
A. 熔岩饅頭