おいしい洋菓子店やケーキ店が数多くあり、スイーツのレベルが高い街として有名な神戸。スイーツ激戦区である神戸を代表する洋菓子店『ユーハイム』は、創業100年を超える老舗です。『ユーハイム』で創業当時から作られてきた伝統あるお菓子をご紹介します。
ドイツ人菓子職人カール・ユーハイムによってもたらされたお菓子
バウムクーヘンは、日本ではその幾重にも重ねられた年輪が長寿や繁栄をイメージすることから、結婚式を始めとして慶事の贈り物として欠かせないお菓子となっています。
ユーハイムのバウムクーヘンは特に年輪が美しく、スポンジはふんわりとして口さわりも良くて、まわりにコーティングされたホワイトチョコレートは上品な甘さ。この誰にでも愛されるバウムクーヘンは神戸の人々の贈り物の定番の地位を築いています。
バウムクーヘンの歴史
バウムクーヘンは、ドイツ人菓子職人のカール・ユーハイムよって日本で初めて焼かれました。ユーハイムは最初、横浜にお店を開きましたが、大正12年の関東大震災で被災し、難を逃れて神戸に移り『ユーハイム』神戸1号店をオープンさせました。
諸外国に開かれた港町・神戸には昔から多くの外国人が居住しており、ユーハイムはバウムクーヘンだけではなく、本場のドイツ菓子を売るお店として発展していきました。創始者であるカール・ユーハイムが亡くなった後も、神戸の菓子職人達によって彼の技術・理念は現在に至るまで伝承されています。
こだわりのバウムクーヘン
ユーハイムのバウムクーヘンは機械に任せきりで作られてはいません。マイスターの指導のもと、必ず職人が立ち会い、一つ一つ丁寧に焼き上げられています。
ユーハイムのバウムクーヘンには、添加物を一切使用しておりません。1960年代の大量生産の時代、食品添加物が当たり前に使われていた時でも、ユーハイムは不必要な添加物を使うことをしませんでした。「ほんとうにおいしいお菓子はカラダにやさしい」という理念のもと、創業以来、不必要な添加物を加えずに作っています。そのため卵の黄身と卵白を別々に泡立たり使う材料に気を配ったりと、様々な工夫がされています。そして、一切添加物を使用しないバウムクーヘンを作ることをついに実現させ、2020年3月4日「純正自然宣言」が発表されました。
とっておきのバウムクーヘンが食べられる
ユーハイムでは、切りたてのバウムクーヘンを店舗限定で買うことができます。バウムクーヘンは通常、輪切りにした円の形をしていますが、この切りたてのバウムクーヘンは、原木を削るように切り分けます。この切り方が食べやすく、かつ最もおいしいのだそう。実際、しっとりして柔らかくパサつきをほとんど感じることなく食べられます。切りたてのバウムクーヘンは珍しいのでお土産にも喜ばれそうですね。
そして神戸元町にあるユーハイム本店では、マイスター自らが作った『マイスターの手焼きバウム』が販売されています。本店にはティーサロンやレストランも併設されており、古い写真が飾られた異国情緒が漂う店内でいただくことができます。バウムクーヘンと並んで人気なのが本店特製ショートケーキ。苺とラズベリージャムをミルフィーユのように何重もたっぷりと挟みこんだ、ボリューム満点のケーキです。かなり大きめですが苺とラズベリーの酸味が爽やかに感じられ、最後まで飽きずにペロリと食べられます。このショートケーキ、売り切れてしまうことも多々あるので、食べてみたい方は早めにいくのがおすすめだそうです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 神戸を代表するお菓子メーカー『ユーハイム』の人気商品で、婚礼引出物として定番となっているのは?
A. バウムクーヘン