山都そばは、喜多方市山都町にある宮古地区で作られたご当地そばです。今回は、その美味しさが口コミで伝わり、観光客からも人気を集めるようになった山都そばの歴史や山都そばが味わえる場所などを紹介します。
山都そばとは?
山都そばは、昭和50年代に山都町商工会が村おこしのため考案したご当地そばです。もともとは宮古そばという名前でしたが、町全体で売り出す際に山都そばに名称が変更されました。福島県喜多方市山都町の宮古地区は標高が高く、朝晩の寒暖差がある場所に位置しています。標高が高いため米作には不適切な環境であり、代わりに宮古地区では古くからそばが多く食べられてきました。そばの生育にはおいしい水と冷涼な気候が必要とされます。宮古地区は標高の高い場所にあることや冷涼な気候であることから、美味しいそばを育てるのに適した環境だったことも、そばが主食となった理由の1つです。
山都そばの前身である宮古そばを提供する農家は、昭和30年代から盛んになった県道工事によって増加し始めます。工事関係者が訪れた際、地元住民にそばの提供を願い出たことから予約営業を始める農家が現れました。山都そばの特徴はつなぎと呼ばれる小麦粉を一切使用せず、100%そば粉で作られているところです。また、製粉歩溜まりも約70%にとどめるなど、厳しい条件のもと作られています。つなぎを使用していないため白く透き通った色合いをしており、しっかりとしたコシと歯ごたえを感じることができます。
山都そばが味わえる場所
山都そばは福島県内のスーパーでも生そばとして購入することができますが、打ち立てのそばを味わいたい場合、宮古地区を訪れる方法があります。宮古そばの里は国道459号線、福島県と新潟県の県境近くに位置しています。標高450メートルの宮古地区は、山都そばのもとでもあるそばの畑が広がる場所です。国道459号線の宮古トンネルを抜けると、通り沿いにはそば屋が数軒立ち並んでいます。一軒家全体を飲食店として構えているところもあれば、農家の一部をそば屋としているところもあるなど、それぞれ個性的な店構えです。
完全予約制の店が多くあった宮古そばの里ですが、予約なしでも気軽に立ち寄れる店が増えています。それぞれメニューは違いますが、店によって値段に差がありすぎないよう宮古そばの里組合によって決められているのも特徴です。山都そばは1杯約700円から注文することができるほか、漬物や天ぷらが付いたコースなども店によって用意されています。リーズナブルなコースメニューは約1,500円となっており、約2,000円のコースや約3,000円のコースなどもあります。ほとんどがセットメニューの多さによって値段が変わる仕組みです。
福島県の観光スポットも楽しもう!
福島県を訪れたら、喜多方市にある飯豊とそばの里センターに立ち寄ってみるのも1つの方法です。飯豊とそばの里センターには、山都駅から徒歩10分でアクセスすることができます。センターではそば栽培のことや飯豊山の自然のこと、民話などを学ぶことができます。日本のそばだけではなく、世界のそばについてもパネルやビデオで知ることが可能です。
また、喜多方市には小野小町塚というスポットもあります。平安時代の女流歌人である小野小町の墓と伝えられている場所です。喜多方市から西会津への道中にあるため、観光途中に一度立ち寄ってみるのも手です。喜多方市には、ほかにも身体を動かして遊べる山都森林スポーツ公園などがあります。自然と歴史を堪能できる観光スポットが多いのが、このエリアの特徴です。
福島県を訪れるならご当地そばの山都そばも忘れずに
福島県の山都そばは美味しいそばの生育に適した環境のなか、そば粉100%で作られたコシと歯ごたえが特徴のご当地そばです。喜多方市に立ち寄った際には、ぜひ宮古そばの里にも訪れて打ち立てのそばを味わってみてくださいね。
ザ・ご当地検定の問題
Q. ご当地そば「山都そば」は、どこの名物料理?
A.福島県
Q. 福島県のほぼ中央に位置する、日本で4番目に面積の広い湖は?
A. 猪苗代湖