日本ですっかりお馴染みの「B級グルメ」。福井県のほぼ中央に位置する鯖江市のご当地B級グルメの1つをご紹介します。2010年に鯖江市のさばえB級グルメグランプリで見事グランプリに輝いたグルメです。
香ばしい油揚げは日本の味
大豆から加工した食品の代表、油揚げ。いなりが吸った美味しい汁が口の中に広がる幸せは今や多くの外国人にも知られるところとなっています。実は福井県はそんな油揚げの消費が長年日本でダントツ1位なのです。そんな福井県にある鯖江市のB級グルメとしてさばえ焼きいなりが選ばれたのも納得のいくところでしょう。グランプリに輝いた当初のさばえ焼きいなりは裏返したいなりにコロッケが入ったものでした。コロッケの衣の部分にあたるいなりは裏返して香ばしく焼いてあるというのが特徴です。
その後ご当地グルメとして特徴あるいなりの中身はステーキやそばも出回るようになりました。蕎麦の場合は必ずしもいなりに詰めてあるわけではなく、蕎麦にいなりが載せられたような形で出されることもあります。いなりの表面は焼いてあってもしっとりとしている店もあります。蕎麦と一緒に出汁のきいた汁に付けて食べたり、肉じゃが風の味付けにした中身といなりとのハーモニーを楽しんだりと焼きいなりがベースとなっていても全く違った1品になるのがさばえ焼きいなりの特徴です。
家でさばえ焼きいなり風を作る際もオーブンやトースターでひっくり返したいなりの表面を焼くとそれらしくできあがります。いなり自体大豆ですから見た目よりも食べこたえがありますが、お腹の好き具合によって中身を伝統的な味付けの肉じゃが風にしてみたり、ほんのりカレー風味の肉じゃがにアレンジしてみてもいいでしょう。あっさり軽めにしたい時には蕎麦を用意して焼きいなりと一緒に汁に付け、いなりにたっぷり汁を吸わせて食べるのがいいでしょう。
さばえ焼きいなりは鯖江市の蕎麦屋や福井県内の和食店の他にイベントの際の出店にもお目見えします。お手軽な価格なので同じくご当地グルメのサバエドッグや三六サラダ焼きと一緒に鯖江市の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
鯖江市といえばうるしの里会館
福井県鯖江市といえば全国で95パーセントのシェアを誇る眼鏡フレームと共に、1500年の歴史を誇る越前漆器が有名です。6世紀、後に第26代継体天皇となる皇子が自分の壊れた冠の修理を片山集落、つまり現在の福井県鯖江市片山町の塗師に命じました。この塗師は修理した冠と共に黒塗りの椀を献上し、この椀が見事に皇子の心を射止めました。それから片山集落は漆器づくりを奨励されることになり、越前漆器が始まったと言われています。越前にはこの当時既に漆かきが多くおり、後には日光東照宮を建てる際にも漆液の採集は越前に任されたというほどその技術は広く認められていきました。
うるしの里会館でそんな歴史を追いながら過去から現在の作品や制作の工程を見た後は、施設内の喫茶「椀椀」で漆の器を楽しみながらランチを食べることができます。それからミュージアムショップで鯖江市のお土産を選んだら腹ごなしに片山町と河和田町にある2つの漆器神社を散歩してみてはいかがでしょうか。片山町の八幡神社の方は漆器が全て手作業で作られていた当時の道具が展示してあります。河和田町の敷山神社の本殿からは河和田の街並みが一望できます。敷山神社の見事な漆の天井絵は通常非公開ですが、見学を希望の場合は河和田町会館に問い合わせをしてみるといいでしょう。
鯖江市散歩を終え帰宅したら後日、お土産の漆器にオリジナルさばえ焼きいなりを作ってみると、また一段と料理が映えるにちがいありません。
親しみと味わいのある1品、さばえ焼きいなり
食卓でおかずの1品にも主役にもなれる油揚げを使ったさばえ焼きいなりは日本の食を豊かにし、和食のおいしさを再発見できます。健康に良い食品が手軽な予算でおいしく、しかも様々に形を変えて食べられる気の利いたB級グルメです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. ステーキやそばなどを包んで食べる、福井県鯖江市のB級グルメは「さばえ○○いなり」。○○に入るのは?
A.焼き