青森市で愛される、個性的なご当地ラーメンとは?

最近のブームに乗り、青森県内には多くの煮干しラーメン店が登場しました。ポタージュと見間違えるようなスープを出す新参店も話題を集めています。しかし、そんなブームなど無関係と言わんばかりに、独自の路線を行く人気ラーメンがあります。

研究と偶然の結びつきがから生まれたラーメン

ラーメン好きな人は珍しくありませんが、青森県民のラーメン愛は統計でも証明されています。即席麺の購入量が全国1位であり、人口10万人あたりのラーメン店舗数も全国第4位です。実際に青森県内を車で移動すれば、至る所にラーメン店を発見できます。昔懐かしい味のラーメンは食堂でも注文できるため、ラーメン専門店舗の数だけでは愛の深さを比べられません。そんな青森県民を魅了してやまない味噌カレー牛乳ラーメンは、北海道でラーメン店を営んでいた佐藤清氏が青森市で開業したことに端を発します。当時はまだ青森県内で人気がなかった味噌ラーメンを広めるため、味に工夫を凝らしていました。

そんなときに、いろいろな調味料を入れて味を楽しみたいという中高生のオーダーからヒントを得ます。ベストミックスだったのが味噌、カレー、牛乳という取り合わせだったのです。その味は、味の札幌大西に受け継がれたばかりでなく、青森市内にある数店で堪能できます。お土産やギフト用にパック詰めされたものが、青森空港、道の駅、市内の土産物店で購入でき、半生麺や生麺タイプを選ぶことができます。もちろん通販でも買い求めることが可能です。

青森観光の新しい楽しみ方として

味噌カレー牛乳ラーメン発祥の地、青森県青森市には東北新幹線が通っているためスムーズに足を運べます。青森空港も利用できるため、遠隔地や海外からの観光にも便利です。特徴的なのはなんといっても雪の深さです。降雪量は全国トップですし、底冷えする寒さも続きます。ご当地ラーメンである味噌カレー牛乳ラーメンへの愛が深まるのも頷ける風土なのです。青森県民は、どちらかといえば言葉数が少なく、ぶっきら棒な印象を与えがちですが、熱いハートの持ち主です。年に数日しか催されない夏の祭典、ねぶた祭りでの燃え方を見れば納得できるはずです。好きなものにはとことんこだわる、じょっぱりと呼ばれる精神が満ち溢れているのです。

津軽弁という魅力も忘れてはなりません。日本広しといえど、津軽弁ほど難解で聴き取りにくいお国言葉は珍しいと言われます。しかし、なかには聞いてほっこりする言葉も多く、地方ってイイな、東北って優しいな、と思える素朴さも伝わります。地元民たちが足しげく通うラーメン店に出向き、味噌カレー牛乳ラーメンの味だけではなく、カウンター越しに方言マスターの店主と会話してみるのも青森観光の醍醐味です。

パンチの効いた郷土料理がたくさんあります

青森県といえば八戸名物せんべい汁や十和田のバラ焼きがB1グランプリでゴールドを受賞したことでも有名です。ほかにも、イカのゲソを細かく切り、丸めて揚げたイガメンチ、根菜類、山菜、高野豆腐などを細かく切って煮るけの汁、ホタテの貝殻を器にしてつくる独特の卵とじである貝焼き味噌といった多種多様な郷土料理があります。トップランナーのリンゴを先頭に、ニンニクやゴボウ、ホタテやイカ、根曲がりタケや長芋も全国にその名を広めています。十三湖のシジミや倉石牛という名産も人気です。

県外から訪れる観光客を驚かせるのは、素材の鮮度だけではありません。料理には甘さが強いものが多いのです。代表的なのは茶碗蒸しと赤飯です。赤飯は小豆が甘く、スイーツ的な感じがします。おはぎは甘い食べ物ですから、それに近いような感覚です。ただ、茶わん蒸しは衝撃的です。銀杏の代わりに甘い栗も入っていてダブルパンチです。慣れてしまえば、こちらのほうが欲しくなるという不思議な魅力があります。

しかし、味噌カレー牛乳ラーメンと肩を並べるソウルフードといえば、イギリストーストです。青森県民なら子供のころから食べ続けているポップな一品で、薄手のトーストでシュガーバターを挟んだものです。近年では様々な味が販売され、ラジオやテレビ番組とのコラボ商品も人気です。オーブントースターで少し焦げ目をつければ病みつきになります。

ベストミックスを最後の一滴まで

ご当地ラーメンの魅力は、流行に左右されないということです。その土地のオリジナリティを上手く表現しているからこそ、地元民が愛してやまない一品に成長していきます。味噌カレー牛乳ラーメンは、いまや青森ラーメン界のレジェンド的な存在となりました。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 青森市で愛されているご当地ラーメンといえば「何・ラーメン」?

A.味噌カレー牛乳