秋田県で鍋物の具材とされる、潰したご飯を直径3cmほどに丸めたものとは?

豊かな食に恵まれている秋田県では、様々な食の名産品があります。最も有名なものはきりたんぽといえるでしょう。そして、きりたんぽとよく似たお米を使った食べ物もありますが、知名度はきりたんぽほどありません。今回はその郷土料理にスポットを当てます。

うるち米を使用した郷土料理

秋田県の郷土料理といえば、きりたんぽ鍋を想像する人が多いです。このきりたんぽと似たような郷土料理のひとつとして、うるち米を使用した「だまこ」があります。だまことは、秋田県の中でも中央地域や山本地方で伝統的に食べられてきた郷土料理です。全国的な知名度は、きりたんぽに比べて少ないですが、秋田県内では一般的な食材で、きりたんぽに負けず劣らず食べられています。作り方はきりたんぽと似たようなもので、炊き立てのうるち米のごはんを粒が少し残る程度にすりこぎですりつぶします。それを直径3センチメートルほどの大きさに丸めたものがだまこ・だまこもちと呼ばれます。簡単に言えばごはんの団子ということです。

だまこは、塩を振ってそのまま食べられることもありますが、火にあぶった後で鍋に入れて食べるだまこ鍋が一般的な食べ方です。調理方法は、きりたんぽ鍋とほぼ変わらず、鶏ガラでとった出汁としょうゆで味をとり、鶏肉、ネギ、セロリ、キノコなどといった具材とともに煮込んで作ります。コメの形がうっすらと残っているうえに、鶏のだしを吸って柔らかくなっているため、もちもちとした食感があり、スープの味がしみこんで非常に美味です。その日のうちに食べるだまこ鍋も好まれますが、出汁を十分に吸った2日目のだまこを好む人が多くいます。

だまこは、作り方は簡単で、基本的には各家庭において作ります。その日のうちに食べることもありますが、塩水につけて数日間保存することもあります。新米で作るだまこは、格別の味として特に好まれています。近年では、きりたんぽと同じように名産品とすることを目的として土産物屋で販売したり、スーパーで販売したりしていることも多いです。通常のだまこは、シンプルに塩味だけのことが多いですが、家庭によってはすりごまなどを入れて作ることもあります。また、鍋にして食べることが多いことから、冬場の消費は多いですが、夏場の消費が減る傾向にあり、これを避けるために、様々な種類のだまこも生み出されています。例えば、鶏肉やエビ、枝豆などをすりつぶして入れただまこで、そのままおやつやおつまみとして食べることができるものです。

だまこの歴史

だまこの歴史は、有名なきりたんぽよりも古いとされています。秋田県の中でも八郎潟周辺が発祥とされており、山林で働く人々が飯を切り株に乗せて斧の背でつぶしたことが始まりとしている説とまたぎ料理を起源とする説があります。きりたんぽは、これらの経緯を経て誕生しただまこがもとになって作られたとされています。また、かつてはだまこの汁は、ふなやワカサギなどといった魚の出汁とみそが基本でしたが、干拓の影響によって現在の形に変化しました。

だまこの名称の由来は、「玉」に秋田弁の「こ」が付いたものであり、だまこ・だまっこ・やまもちとも呼ばれていますが、お手玉の形に似ているということを由来とする説もあります。このほか、おいしすぎて黙って食べてしまうからだまこと呼ぶという説もあるほどです。

秋田県の魅力

秋田県の魅力は、豊かな自然とそれによって生み出される、豊富な食材です。日本海に面した厳しい天候の中では、様々な食材が育まれており、だまこの材料である米も甘み豊かに栽培されています。これらのほか、文化財をはじめ、豊かな自然公園、催事などがあり観光地としても魅力的です。

体が温まるスープの染みただまこ

自然も食も豊かな秋田県には、伝統的な郷土料理としてだまこがあります。きりたんぽ鍋と似ていますが、丸くごはんの感触がかすかに残る、出汁の染みたふっくらしただまこは非常においしいです。秋田県に足を運び、食べてみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 秋田県で鍋物の具材とされる、潰したご飯を直径3cmほどに丸めたものを何という?

A.だまこ