「晩白柚」は熊本県八代地方の西側、八代海に面した平野部で作られています。昭和20年代から栽培が始まり、八代の気候や風土に好適だったことから昭和40年代になると栽培が急速に普及しました。八代地方を代表する特産品で八代市の市木にも指定されているこの「晩白柚」、どう読むかご存知ですか?
柑橘類の王様「晩白柚」
「晩白柚」は「バンペイユ」と読みます。原産地はマレー半島で、文旦などと同じザボン(白柚)の一種です。柑橘類の中では最大級の大きさで世界最大とも言われています。直径は20~25cm、重量は1.5~2.5kgにもなり、大きなものだと3kgを超えるものもあるという巨大な柑橘です。平成17年にはなんと約4.8kgの晩白柚が収穫され、ギネスにも掲載されたのだとか。
「晩白柚(バンペイユ)」という名前の由来は、台湾では、果肉が白いみかんが白柚(ペイユ)と呼ばれており、熟すのが遅かったため、晩(晩生)白柚とされたといわれています。
晩白柚の特徴
晩白柚は香りが良くさわやかな甘酸っぱい香りがします。果汁は少なめですが、果肉はサクサクとした歯ざわりで、熟したものは甘みと酸味のバランスに優れています。食べた後の舌に残る苦味などもほとんど感じられません。また皮がとても厚く、表皮の内側、果肉の回りも柔らかい綿のような部分で覆われており、果肉は元の大きさからするとやや小さく感じます。それでも果肉だけでグレープフルーツの丸ごとよりも大きく、身も締まっているので一切れで食べ応えも十分です。
日本一の晩白柚の産地
熊本県は全国生産量の約9割以上の晩白柚が生産されているという全国一の生産地です。12月頃から次第に収穫がスタートし、1月から3月にかけてが最もおいしく食べられる時期です。ではじめの頃の晩白柚は、みずみずしくフレッシュな味わいで、後になっていくとまろやかな風味でパリッとした食感になっていきます。
おいしい晩白柚の選び方・保存方法
晩白柚は表面がすべすべと滑らかで、明るい色をしたものを選びましょう。手に持つと、ずっしりと重みを感じるものが果汁がたっぷりと含まれて、果肉も大きいものです。表面の粒粒(油胞)が大きくて、ブツブツとしたものは避けた方が良いでしょう。
晩白柚はとても保存性が高い果物です。新聞紙などにくるんで冷暗所に置いておくだけで1ヶ月間ほどは大丈夫です。また、そのままでも1~2週間はおいしく食べることができるので、ダイニングテーブルや棚などに飾っておけば、食べるまで間、とてもいい香りを発散し続けてくれます。注意したいのは、暖かいところで生産される果物なので低い温度に長期間置いておくと、低温障害を起こしやすくなるので気をつけましょう。
晩白柚(ばんぺいゆ)の切り方&食べ方
大きな晩白柚、どうやって皮をむいて食べればいいのか迷いますね。まず、ヘタが付いた部分を上から2cmほどの高さで切り落とします。皮に縦に8等分ほどに切り込みを入れた後、実と皮の間に包丁を差し込んで、円を描くようにしながら切り、実と皮をはがしていきます。実を取り出して薄皮(ジョウノウ)をむいて、果実部分を食べましょう。しっかりとした果肉なので、ほぐしてサラダや料理などにも使えます。
そして、晩白柚の分厚い皮も食べられます。表面の黄色い部分を含め厚さ8mm程度になるように白い綿の部分を切り取り、それを幅5mmの棒状に切ってから、シロップで煮てグラッセにします。溶かしたチョコレートでコーティングすれば、ピールチョコのできあがり。白い綿の部分も同じようにシロップで煮詰め、グラニュー糖をまぶせば、りんごのような食感のおいしい砂糖漬けができます。ただ、シロップで煮る前に何度か茹でこぼして苦みを抜いておきましょう。料理だけでなく皮をお風呂に浮かべれば、すがすがしい香りの晩白柚湯が楽しめます。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 熊本県八代市でとれる世界最大級の柑橘類「晩白柚」。何と読む?
A. バンペイユ