福岡県北九州市が発祥で、今では全国で親しまれ食べられているうどん料理があります。発祥のお店は一度閉店しましたが、この味をこよなく愛したまちづくり団体によって見事に復活しました。どんなうどん料理なのでしょうか。
小倉を代表するB級グルメ
北九州のとあるお店から誕生したのは、今では全国的にもお馴染みのメニュー「焼きうどん」。一般的な焼きうどんと違い、乾麺を使うのが最大の特徴で「小倉焼きうどん」とも呼ばれています。焼き目がしっかりと付いたうどんが香ばしく、うどんのもちもちとした食感と具だくさんの野菜のシャキシャキとした食感がたまらない北九州・小倉のご当地グルメなのです。
小倉には焼きうどんを提供する店が多くあり、国内のみならず海外からもお客さんが食べに来るお店も。ソース味はもちろん、しょうゆ味、さっぱりソースからこってりソースまで、各店で違った味わいが楽しめます。
戦後の物不足の時代に生まれた料理
小倉焼きうどんが誕生したのは、食糧難がピークだった終戦直後の頃。北九州市小倉にある「だるま堂」の初代店主が、焼きそばを作りたくても肝心の焼きそば麺を手に入れるのが難しく、比較的手に入れやすかったうどんの乾麺を使い焼きうどんを作ったところ大好評で、定番メニューとして定着しました。
小倉焼うどんの定義と食べられるお店
B級グルメだからと言って侮るなかれ。今では家庭でもよく作られている焼きうどんですが、発祥である「小倉焼うどん」には厳しい定義があるのです。
「小倉焼うどん研究所」によると、
一、乾麺を使用するべし
一、キャベツは若松産であるべし
一、豚肉はバラ肉であるべし
一、玉葱はその甘さを引き出すべし
一、秘伝のソースはよく研究するべし
一、削り節はアジ・サバ節を使用するべし
一、小倉地酒で香り豊かに仕上げるべし
※以上のうち、五項目は必ず取り入れるべし
という、なかなかのこだわりぶり。その味を確かめに行きたくなった方のためにいくつかお店をご紹介します。
やはり外せないのは発祥のお店「だるま堂」。だるま堂の小倉焼うどんは、ゆでた干しうどんと、具材はたまねぎと豚肉、北九州産の若松区産キャベツを使用し、ソースと魚粉だけのシンプルな味わいです。前店主が亡くなり一時閉店していましたが、前記の「小倉焼うどん研究所」が引継ぎ、クラウドファンディングでの資金調達など行って、見事復活させました。メニューは「だるま堂焼うどん」に加え、「研究所焼うどん」焼きうどんに半熟目玉焼きをのせた「天窓」などがあります。
「めんテツ」は デパート井筒屋小倉店の地下にあるお店。テイクアウトのお店ですが、売り場のすぐ前がイートインスペースになっているので、できたても食べられます。ソースは甘味・酸味が程よくバランスが取れており、食べやすいボリュームで、何よりリーズナブルなお値段なのが嬉しい限り。
次に紹介するのは「お好み焼き いしん」。お好み焼き専門店ですが、焼うどんも人気で何と10種類もの焼うどんのメニューがあります。店主は焼うどんを通して街づくり活動に参加してきただけあって、焼うどんのこだわりはどこにも負けないという思いがあるのだとか。乾麺を使った発祥スタイルの焼うどんはもちろんの事、地元の製麺所で毎日作られているというこだわりの麺を用い、お店オリジナルのソースがたまらない数々の焼うどんはおすすめです。食材に「地元の乳業メーカーの生クリーム」「小倉マルチョウ」「関門海峡たこ」を使っているそうなので、焼うどんで北九州グルメのおいしさも味わえますね。
どの店もおいしそうで個性的な焼うどんが食べられそうです。小倉を訪れた際には、一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 福岡県北九州市が発祥地とされているうどん料理は?
A. 焼きうどん