愛媛県の岩城島の名産品である、ある果物を餌に与えて育てた豚は?

愛媛県・岩城島は、瀬戸内海のちょうど真ん中にある島です。温暖な気候を活かし、ある果物の栽培が盛んに行われています。その果物の絞りかすを与えた豚がおいしいと評判になっていますが、その豚は何というかご存知でしょうか?

知る人ぞ知る「レモンポーク」

しまなみ海道に浮かぶ岩城島は、別名「青いレモンの島」。車だと15分もあれば一周できる小さな島の各所にレモン畑があります。収穫されたレモンはジュースなど様々な特産品に加工されますが、大量に搾りカスが出ます。その搾りカスを飼料として豚に与え、試行錯誤の結果「レモンポーク」が誕生しました。

レモンポークの特徴は肉質が柔らかでジューシーであること。さっぱりしているのに旨みはしっかり感じられ、脂身までとろけるほど柔らかく、ほんのりとした甘みも感じられます。このおいしさはレモンだけではなく、生産者が愛情をかけてストレスフリーで豚を育てているから。一般的な豚は6ヶ月で出荷されるのですが、レモンポークは7ヶ月間かけて育てられます。早く大きく肥らせるエサではなく、じっくりとおいしく育てるためのエサの配合になっているからだそうです。ジューシーなレモンポークは、ステーキ、とんかつ、しゃぶしゃぶとどのように料理してもおいしく、島内外で大人気になっています。また島の小学校の給食にも提供されているそうです。

理想的な島内循環

レモンポークは岩城島島で生産された柑橘(レモン・みかんなど)の搾りカスを食べて育ちます。ジュースなど加工品を作る過程で出た搾りカスは、産業廃棄物として排出されます。捨てられていたものが飼料になって、この飼料を食べた豚の排泄物が堆肥となり畑にまかれます。このようにして島内での理想的な循環が生まれているのです。豚を飼育することは、同時に有機堆肥を生産しているということ。良質な有機堆肥を生産することで、おいしく、かつ安全な野菜やかんきつ類を作ることができるそうです。

サイクリングでも散策でも楽しめる岩城島

周囲約15kmほどの岩城島はサイクリングにぴったり。岩城島の海沿いを走れるようなサイクリングコースが整備されているので、瀬戸内海の美しい風景を眺めながらサイクリングできます。

岩城島の観光スポットとして外せないのが、島の中央にそびえる積善山(せきぜんさん)です。春にはソメイヨシノをはじめオオシマザクラ、山桜など約3,000本も桜が咲き誇ります。山肌に桜色の帯が広がる美しい光景は「天女の羽衣」とも称されるほど。そして、積善山まで訪れたなら展望台まで足を伸ばしてみましょう。標高370mの山頂にある展望台からは、360度のパノラマを望むことができます。晴れていれば、瀬戸内の島々はもちろん四国の山地、遠くには中国山地まで見渡せます。桜の風景や、瀬戸内海に沈む夕日などの風景が見られ、季節や時間によって移り変わる絶景の瀬戸内海の多島美が楽しめます。

岩城島には「レモンの散歩道」というレモンの畑をぬける道もあります。この道はレモンの爽やかな香りと海からの風を感じつつ、瀬戸内海に浮かぶ島々と青い海を眺めながら、散策ができるという何とも贅沢な散歩道。途中にある祥雲寺に県指定天然記念物「舟形ウバメガシ」があるので、ぜひ立ち寄って見てみてください。各所には休憩所も用意あるので一休みもできますよ。

サイクリングや散策に疲れた身体を癒すには、菰隠(こもがくし)温泉にどうぞ。海に突き出た岬の先端にある見晴らしのいい場所にあります。地下1,200メートルから汲み上げられる、とろりとした泉質の温泉は「美人の湯」とも言われていて女性に大人気。露天風呂は瀬戸内海の島々の美しい景観が見渡せ、抜群の開放感が感じられます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 愛媛県の岩城島の名産品である、ある果物を餌に与えて育てた豚は?

A. レモンポーク