1746年に伊勢神宮に献上された記録も残る、ある魚を輪切りにした煮込み料理とは?

伊勢神宮にも献上される、神聖な食べ物として地元で食べられている料理をご紹介します。三重県では、この料理を観光の目玉としてもアピールしています。いったいどんな料理なのでしょうか。

こいこくって?

こいこくは、日本で昔より食べられてきました。つかまえた鯉を輪切りにして、お湯をかけて臭みをぬいたあと、日本酒、味噌、場合によっては砂糖を入れて、一時間ほど弱火で煮込み続けたものがこいこくです。途中で灰汁や油が出るので、掬い取る必要があります。

こいこくは、煮込むことでうろこがゼラチン質の柔らかいものへと変わり、汁に味を与えてくれます。そのため、こいこくにする魚は、うろこをとらないまま煮込むのが定番の作り方です。一方で川魚は臭みが強く、味噌を使って煮込むのは臭み消しがその理由でもあります。

場合によってはごぼうや大根などの野菜を一緒に入れて煮込みます。伊勢神宮では鯉は神聖な魚とされて、昔より鯉こくが定期的に献上されてきました。今でも、伊勢神宮のある三重県では、西京味噌を使ったこいこくが食べられています。

こいこくを食べよう

三重県の伊勢神宮の近辺では、こいこくが献上されてきたことにちなんで、こいこくを出す飲食店がいくつかあります。なかでも、鯉のコース料理を提供する老舗の店が有名で、伊勢神宮参拝のついでによる観光名所にもなっています。

鯉のコースでは、鯉の洗いや鯉を甘辛く煮た煮つけのほかに、揚げ物などもだされます。ですが、このコース料理の後半に出される、鯉コクがもっとも人気と言われています。西京味噌を使ったドロっとした汁のなかに、鯉の身が浮かんで見えるのが特徴です。

汁がドロッとなるのは、ウロコが溶け出してゼラチン質が溶け出したためです。さらに、こういった老舗では、仕入れた鯉の臭みを抜くための、専用の池をもっています。澄んだ水にしばらく放流しておくと、鯉の臭みが抜けて美味しく食べることができます。

ウロコのうま味が溶け出したなかにある、皮と実のあいだの部分が特に美味しいと言われています。伊勢神宮に参拝する際には、ぜひ鯉料理のコースを食べてみましょう。

こいこくをご家庭でも

伊勢神宮に献上されたことから、地元の名物として食べられてきた鯉料理ですが、伊勢神宮にまで足を運ばないとなかなか食べることができません。ですが、こいこくは鯉が手に入れば家でも作ることができます。さらに、さまざまなレシピがあるので、探してみてください。

鯉は、まれに道の駅や魚屋などで売っていることがあります。鯉が売っている場合は、だいたいが鯉こく用に輪切りにされているので、それをそのまま使うと便利です。内臓が抜かれているか、かならず確認してください。

ご家庭で作る際には、臭みを抜くことに注意してください。必ず内臓は綺麗にとっておき、事前に熱湯を振りかけて臭みをとることが重要です。特に、内臓の部分は入っていると味が濁るので、気を付けておいたほうが美味しく仕上がります。

鍋にお湯をわかしたところに調味料を入れて、鯉を入れて煮込んだら出来上がりです。お好みで、野菜や豆腐を入れても美味しく仕上がります。鯉こくは栄養価が高く、妊婦さんなどが食べていました。消化によく、味もいいことから、お子さんや高齢者にもおすすめです。

一方でお酒にもあうので、鯉こくを作る際には日本酒などを用意しておくこともおすすめします。鯉が手に入ったら、こいこくづくりにぜひ挑戦してみてください。

伊勢神宮にも献上される、上品な味が特徴のこいこくを食べてみよう

伊勢神宮にこいこくが献上されてきたことにちなみ、三重県ではこいこくが食べられてきました。地元では、有名な鯉こくを出す老舗があります。伊勢神宮に参拝に訪れる際には、ぜひこいこくをはじめとする鯉料理を食べてみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 1746年に伊勢神宮に献上された記録も残る、ある魚を輪切りにした煮込み料理は?

A.こいこく