マグロの水揚げ港として有名な三崎港がある都道府県は?

三崎港は、今ではマグロで有名になり、大勢の観光客が県外からも押し寄せます。でもそれは、寂れた小さな港町にすぎなかった三崎港を活性化させるために立ち上がった、地元の人たちの様々な努力の結果でした。

三崎港が「マグロの港」として知られるようになったのは、地域活性化策の成果

東京湾の神奈川県側の入り口。相模湾に突き出すように伸びている三浦半島の先端には城ヶ島という島があります。その城ヶ島と三浦半島に挟まれた位置にある小さな漁港が三崎港です。三崎港は、現在ではマグロの水揚げ港として有名になっています。しかし、昭和の終わり頃まではそんなに有名な港ではなく、京浜急行の三崎口駅から、城ヶ島に行く途中にある港という程度の認識しかありませんでした。むしろ、城ヶ島のほうが海水浴や磯釣りのスポットとして有名だったと言えるでしょう。当時、現在産直センター「うらりマルシェ」となっている魚市場は、あくまでプロ向けで一般人は入ることができず、漁港周囲には飲食店などもほとんどありませんでした。

時代が平成にうつるころから、三崎港はマグロが名物の港として知られるようになります。歴史をひもとくと、遠洋漁業が盛んになりだしたころ、確かに三崎港はマグロ水揚げ量日本一になったことがあります。そして、現在でもマグロのほか、ブリ、キンメダイ、カジキなどの水揚げ量は日本で2位となっています。

そうした漁港としての機能自体を町の資源として活用しようとしたのが、昭和60年に三浦市の市長となった久野隆作さんでした。久野市長は、三崎港の海に関わる産業を「海業」と名付け、そうした産業が一体となって地域を活性化させるという方針を打ち出しました。それを受け、平成3年に設立されたのが株式会社三浦海業公社です。株式会社三浦海業公社は、漁港横にあった市場を、観光客が立ち寄り、魚だけではなく地元野菜なども買える「うらりマルシェ」に改造するなど、三崎港周辺の町おこしをはじめました。また同時に、そのころから三崎港は「マグロが名物の港」としてアピールされるようになりました。

三崎港で作られた新しいマグログルメ

三崎港の町おこしの一環として、新しく「マグログルメ」の開発が行われました。三崎港がマグロをアピールしだしてから、地元料理店は「みさきまぐろ倶楽部」を結成。横浜中華街の料理店の強力により、マグロの尾の部分を使った中華まん「とろまん」が作り出され、新たな名物として売り出されました。わざわざ料理店に入らなくても、その場で買って手軽に食べられるとろまんは、たちまち評判になり、三崎港の町おこしの起爆剤の一つとなります。

そしてまた、三浦市の中華料理店により結成された「三浦中華料理研究会」は、新たに「マグロラーメン」を考案。これは、マグロでだしをとり、マグロをトッピングに使ったラーメンという以外はその店の発想で自由なマグロラーメンを作っていいというものです。マグロラーメンは2010年に厚木市で開催されたB-1グランプリで初出場ながら5位に入賞。これもまた町おこしに一役買っています。

三崎港めぐりには「みさきまぐろきっぷ」がお得

新しい息吹によって注目され、観光客が集まるようになった三崎港。その玄関口となるのが、京浜急行の終着点である三崎口駅です。三崎港へは、三崎口駅前からバスに乗って行けます。

三崎港をめぐるためにおすすめなのが、京浜急行が販売している「みさきまぐろきっぷ」です。これは、三崎口までの往路券、三崎口からの復路券、そして三浦地区の定められたルートなら京急バスが乗り放題になる「電車&バス乗車券」、加盟店32店の中から1店舗を選んで食事ができる「まぐろまんぷく券」、油壺マリンパークや水中観光船などのスポット、アクティビティから1つを選んで楽しめる「三浦・三崎おもひで券」の3枚がセットとなったもので、品川からは3500円、横浜からは3400円と、お得な値段でまる1日三崎港を中心に三浦半島を遊び尽くせるというものです。

漁港としての歴史が今の「マグロの町」三崎港を作った

三崎港が今日のように県外の人からもマグロで有名な町だと知られるようになったのは、付け焼き刃的にでっち上げられた名物ではなく、漁港としての歴史に根ざしつつも、広く受け入れられる新しいものを生み出してきたおかげなのですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. マグロの水揚げ港として有名な三崎港がある都道府県は?

A.神奈川県

Q. マグロの水揚げで有名な神奈川県の三崎港をめぐることができる、京浜急行が販売しているきっぷは?

A. みさきまぐろきっぷ