江戸から広まった「天抜き」とは、天ぷらそばから何を抜いたもの?

東京都は蕎麦のお店が数多くありますが、天抜きというメニューをご存知でしょうか。天抜きとは、蕎麦屋の裏メニューです。天抜きの注文の仕方や、楽しみ方についてご紹介しましょう。

そもそも天抜きとは?

東京都にはそば屋が数多く点在しています。老舗の高級店から立ち食いそばまで、値段や気分によって選べることも魅力の一つです。そんななか、そば屋でお酒を呑むのがいわゆる「通」の楽しみ方です。
舗のそば屋では、美味しい日本酒や、お酒にあうおつまみを用意しているお店が多くあります。また、先に天ぷらを頼んで、天ぷらをつまみつつお酒を呑む人も多くいます。そして、そば屋でお酒を楽しむ人たちが、密かに目当てにしているのが、天抜きです。

天抜きとは、天ぷらを、そばの温かいダシ汁にひたしたメニューを指します。例えば、海老天の天抜きを頼むと、温かいそばの出汁に、海老天が浸されたものが運ばれてきます。他にも、かき揚げそばの天抜き、かも南蛮の天抜きなど、さまざまな種類があります。
お酒は冷酒ではなく、少し温めた熱燗があうと言われています。温かいだし汁に浸った衣の味と香りが、熱燗にぴったりあうとされていて、昔からそば通に愛されてきました。

天抜きでお酒を呑んだあとには、具が入っていないそばでしめるのが、そば屋で呑む人の定番です。こうすることで、シンプルにそばの香りと味を楽しむことができます。

天抜きの注文の仕方

一般的に天抜きは、そば屋のメニューには並んでいません。いわゆる裏メニューとしての扱いなので、天抜きを頼みたい場合は、店員に直接注文しましょう。
天抜きの存在は通には知られていましたが、著名人のエッセイを通して天抜きの存在を知る人も多かったようです。最近ではウェブやテレビなどで紹介されるようにりました。特に人気のバラエティ番組「マツコ&有吉かりそめ天国」で、著名な作家が愛した名店の天抜きが取り上げられたことで、一躍天抜きが知れ渡るようになりました。

そうした影響を受けて、立ち食いソバのチェーン店のなかには、天ぬきをメニューに出す店もあります。天抜きを頼むと、分厚く揚げたかき揚げに、そばの温かなダシをかけたものが出てきます。かきあげを突き崩してダシにひたしつつ、それをつまみにお酒をのむのが人気を集めています。最近では海外にも知れ渡るようになり、日本で天抜きを注文する外国人も増えたそうです。

ご家庭でも天抜きを

そば屋に行かなくても、天ぷらそばのそばを抜いた天抜きは、ご家庭で作ることができます。特に家呑みが好きな方は、ぜひ挑戦してみてください。まずは、かき揚げに向いた旬の野菜を用意して、適度な大きさにきったものを、てんぷら粉を溶いたものに入れてかき揚げを作りましょう。かき揚げに火が通ったら、温めたダシ汁に浸せば出来上がりです。
天ぷらは、出来あいのものでも十分に天抜きに使うことができます。

最近では、かも南蛮の具材がスーパーで売られていることもあるので、かも南蛮のそばを抜く、鴨南の天抜きにも挑戦できそうです。ダシ汁は、関東風に醤油を多くいれたものでも、関西風の透明なものでも、どちらでも美味しく召し上がることができます。ちなみに関西では、天吸いと呼ぶそうです。
天抜きを楽しんだあとは、残った汁でそばもいただきましょう。東京都にはそばの乾麺が数多く売られています。また、生そばも、地方のアンテナショップや、通販などで買うことができます。そば粉を多く含んだ、香り豊かなそばを選んでください。

東京都で天ぷらそばのそばを抜いた天抜きを食べてみよう

東京都では天ぷらそばのそばを抜いた、天抜きがじわじわとブームになっています。東京都のそば屋をお尋ねの際には、ぜひ天抜きを注文してみてください。ご家庭でも簡単に挑戦できるので、家呑みの際にいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 江戸から広まった「天抜き」とは、天ぷらそばから何を抜いたもの?

A.そば