鳥取県には、地元の人々に古くから親しまれている特産の海産物が存在します。全国的な知名度は高くありませんが、その希少性や味の良さから、近年ひそかに注目を集めています。現地でしか味わえない魅力を持つこのエビについて、詳しく見ていきましょう。
地元でしか食べられない？鳥取の「もさえび」とは
「もさえび」は一般名称で、正式にはクロザコエビという名で分類されています。主に日本海の深海域に生息し、鳥取県を中心とした地域で水揚げされる希少なエビです。県内では古くから地元の味覚として重宝されており、新鮮な状態での提供が基本とされています。
このエビは非常に繊細で、漁獲後すぐに鮮度が落ちやすい性質を持っています。そのため広域流通には不向きとされ、主に産地周辺でのみ消費されてきました。特に鳥取県の網代港や境港では、鮮度を保ったまま味わえるため、地元民や観光客に人気があります。
もさえびの名前の由来には諸説ありますが、一説では「猛者」のように力強く荒波に耐える姿から名づけられたとされています。かつては漁師町の家庭料理として一般的に親しまれ、祝いの席や日常の食卓にも登場していました。いかつい見た目に反して繊細な味わいが特徴です。
もさえびが“幻のエビ”と呼ばれる理由とその魅力
もさえびは身がやわらかく、とろけるような舌ざわりが魅力です。甘エビに近い濃厚な甘みを持ちながらも、クセが少なく上品な味わいが特長です。伊勢海老のような強い弾力はありませんが、口に含んだ瞬間のなめらかさと豊かな旨味が、多くの人を虜にしています。
もさえびの旬は秋から春にかけてとされ、寒い時期ほど身に甘みが増します。新鮮なものは刺身で味わうのが最も贅沢な楽しみ方です。一方、唐揚げにすると殻の香ばしさが引き立ち、味噌汁に加えれば、濃厚な旨味がだしに染み出して体をあたためてくれます。
鮮度が命とされるもさえびは、漁港近くの市場で朝どれが並ぶ光景も珍しくありません。鳥取の漁師町では、家庭の定番食材として親しまれており、特別な料理に使われることもあります。地元ならではの味を大切に守り続けてきた背景が、今の人気につながっています。
もさえびを自宅で楽しむには？通販・ふるさと納税もチェック
もさえびは鮮度が命とされているため、通販では急速冷凍された商品が主流です。水揚げ後すぐに凍結されたものほど、身の質感や風味が保たれています。選ぶ際は「船上凍結」や「産地直送」などの表記を確認し、信頼できる販売元を選ぶことが大切です。
鳥取県のふるさと納税では、もさえびの冷凍パックや唐揚げセットなどが人気を集めています。寄附先の自治体によって内容が異なるため、比較サイトやレビューも参考にすると選びやすくなります。楽天ふるさと納税やさとふるを活用するのもおすすめです。
冷凍のもさえびは、流水で短時間かけて解凍するのが風味を損なわないポイントです。自然解凍は身が柔らかくなりすぎるため避けた方が良いでしょう。使用しない分は空気を抜いて冷凍保存し、できるだけ早めに使い切ることをおすすめします。
もさえびが味わえる鳥取のおすすめ店・市場ガイド
もさえびを新鮮なまま味わいたい場合は、境港や網代港近くの飲食店がおすすめです。特に漁港直送の海鮮丼や刺身定食を提供する店は、地元の人々からも支持を集めています。事前にGoogleマップや食べログの口コミを確認すると、失敗のないお店選びが可能です。
鳥取県内の道の駅や朝市では、鮮度抜群のもさえびを購入できるチャンスがあります。なかでも境港の水産物直売所は、観光ルートに組み込みやすく、朝早い時間帯ほど種類も豊富です。旅行の日程に余裕があれば、朝市に出かける価値があります。
鳥取の旅では、もさえびだけでなく、紅ズワイガニや砂丘らっきょうといった特産品もぜひ味わっておきたい存在です。海沿いの飲食店では、もさえびを使った料理と地元食材を組み合わせたメニューを提供しているところもあり、旅の楽しみが広がります。
地元で愛され続けてきたもさえびは、鮮度と味わいにこだわる人々の間で根強い人気を誇ります。現地ならではの食べ方や入手方法を知ることで、より深くその魅力を味わうことができます。鳥取を訪れる際には、旬の味を体験してみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q.正式には「クロザコエビ」と呼ばれる、鳥取県特産のエビは？
A.もさえび
