青森でポピュラーなご当地グルメは、どんな特徴のおでん?

今回は青森県のご当地グルメのひとつである「おでん」を紹介します。普通のおでんとはちょっと違った、独特の食べ方があるそうです。どうして青森県でこの食べ方が根付いたのでしょうか。

寒い青森の気候だから根付いた文化

青森県は本州最北端の都道府県であり、冬は吹きすさぶ雪とからっ風に煽られる厳しい土地です。かつては、北海道への玄関口としての役割も担い、北海道函館へと向かう人々を青森港から見送っていました。船を待つ人々は海の近くでどんな気持ちで連絡船を待っていたでしょうか。青森県の寒冷な気候は船乗りたちの身体を冷やしたことでしょう。戦前の物資に乏しい時代の話ですので、暖房を焚く燃料はありませんでした。そんなとき、震える船乗りたちの芯から冷え切った身体を温めることができたのが「青森生姜味噌おでん」だったのです。

青森港からすぐのところにある青森駅周辺に軒を連ねたおでん屋台のうちの一軒が、生姜には身体を温める作用があるという事を知ってか知らずか、おでんのつけダレとして使っていた味噌に生姜のすり下ろしを入れたのです。これが船乗りたちの間で評判となり、最初の一軒に続くように我も我もと他のおでん屋台がマネをしていくようになりました。そうしてじわじわと広まり、青森のおでんは生姜味噌のつけダレあってのもの、というほどに根付き、今や青森県のご当地グルメ、あるいはソウルフードと呼ばれるまで浸透することになりました。田楽に近いようで遠い、醤油味で煮込まれた具材に味噌ダレが絡むのは他では味わえない味ではないでしょうか。

伝統の味を守る取り組み

青森生姜味噌おでんは青森の寒冷で厳しい気候と、連絡船で北へ向かう人を思いやる心が生み出した青森県のソウルフードですが、文字通り魂を継承し続けようという取り組みがされています。その陣頭指揮を執っているのが「青森おでんの会」というおでんを提供する飲食店を中心に結成された団体です。伝統の味を守る、という文化継承の役割を担っていると同時に、どこでも青森県のソウルフードの味を楽しんで貰うために標準レシピを公開するなど、全国で広く楽しんで貰うための取り組みを行っています。

また、青森生姜味噌おでんの味をお土産でも楽しんで貰おうと、おでん缶の販売も行っています。缶コーヒーよりも一回り大きい缶の中に数種類の具材が詰め込まれているもので、スタンダードな味を楽しめる「屋台の味」と青森県の地鶏であるシャモロックを使用した「シャモロックスープ味」の2種類を展開しています。自動販売機で販売しているわけではないのでどこでも手に入るわけではないのが残念ですが、青森県のお土産売り場や一部のスーパーで買い求めることが出来ます。青森県を訪れた際のお土産のひとつにしても喜ばれるのではないでしょうか。

青森生姜味噌おでん、つけダレの作り方

青森生姜味噌おでんは実はご家庭でも簡単に再現することが出来ます。必要なのは赤味噌、生姜、だし汁、味醂、酒です。酒を鍋でひと煮立ちさせてアルコールを飛ばしたら、すり下ろした生姜、だし汁、味醂を加えて十分ほど煮立たせた後、あら熱をとって味噌を溶かす、たったこれだけの手順で青森生姜味噌おでんのつけダレが完成するのです。おでんは自身で作ってもいいですが、コンビニエンスストアで売っているものを買ってきて、つけダレに絡めてお手軽に楽しんでもいいでしょう。普段おでんを食べる時にはなかなか味わうことのない、優しく懐かしい味わいを楽しんでください。

青森県のご当地グルメ、青森生姜味噌おでんを本場で楽しんで

青森生姜味噌おでんは青森県のソウルフードであり、手軽に楽しめるのもご紹介した通りですが、ご当地グルメなのですから実際に青森県に足を運び、風土や気候を楽しみながら舌鼓を打つというのもお勧めです。味も青森も楽しんでみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 青森でポピュラーなご当地グルメ。「青森・何・おでん」?

A.生姜味噌