熊本ラーメンに欠かせない「マー油」。焦がした何から作る油?

熊本ラーメンに欠かせない黒くて香ばしい「マー油」。スープの上に浮く黒い油が「マー油」です。これはある物を焦がして作られた油ですが、一体何を焦がして作ったものでしょうか。

「マー油」は焦がしたニンニクで作られている!

博多豚骨ラーメンとはまたひと味違う熊本豚骨ラーメン。
博多豚骨ラーメンはより細い極細麺を使用するのに対し、熊本豚骨ラーメンは、細麺もしくは中細麺が使用されます。
豚骨に加え鶏ガラなどをブレンドしたスープを取っていて、よりまろやかに感じる豚骨ラーメンです。チャーシューのほか角煮を使う店舗も多いことや、そのマイルドさから女性にも食べやすいと支持されていることが魅力とされていますが、熊本豚骨ラーメンの最大の特徴で最大の魅力といえば、真っ黒で香ばしい「マー油」がかけられていることではないでしょうか。
この一口食べればクセになる、がつんと香ばしいマー油の正体は実は焦がしたニンニクだったのです。
熊本ラーメン店では店主自慢のお手製マー油が使用されていることがほとんどで、たっぷりのニンニクをしっかりと黒く焦げるまで揚げたニンニクペーストオイルとまろやかな豚骨スープのハーモニーは、やみつきになること間違いなしです。

濃厚で香ばしい焦がしニンニクが効いた「マー油」!

普段の料理ではなかなか使うことがない「マー油」ですが、実は熊本ラーメンだけではなく、から揚げやチャーハンなどにも使える万能調味料なのです。
「マー油」だけを食べてみてもなんだか不思議な風味で、さほどの美味しさを感じないのですが、ひとたび料理にあわせるとラーメンであれば臭みを消し、その料理のコクと風味を増してくれます。
味にも締まりがでて食欲をそそるこの「マー油」ですが、調味料メーカーから家庭用の「マー油」も何種類か発売されておりスーパーなどで購入が可能です。
カレーライスや野菜炒め、また中華料理との相性が良く、香りとうま味を引き立たせ、ご想像以上にキッチンで重宝します。
ラーメンにおいては豚骨だけではなく醤油ラーメンとの相性も抜群なので、家庭でインスタントラーメンや中華そばを作る際にも、この「マー油」のひとかけでプロの味に近づきます。
「マー油」は、焦がしたニンニクのペーストをたっぷり使用して作られることから、容器の底に沈みやすいのでしっかり混ぜて使ってください。そして、まずはほんの少し、仕上げに使うところから始めてください。「マー油」の虜になれば自然と多めに使いたくなってきます。

ニンニクたっぷりでスタミナ満点!「マー油」の作り方!

そもそもマー油はたっぷりのニンニクスライス(もしくはニンニクチップ)を幾度かにわけ、ラード・背脂・サラダ油・ごま油などで揚げて焦がして作った香味油です。その際、長ネギや玉ネギショウガなどの香味野菜を香りづけなどで一緒に揚げていきます。
香味野菜は焦げる前に引き上げ、真っ黒~飴色に段階的に焦がしたニンニクをミキサー・すり鉢などでしっかりとすりつぶし、ペースト状になったら加熱で使っていた油を合わせて混ぜて出来あがりです。
その際に加えられる野菜の種類、油の種類、にんにくの炒り方・つぶし方などには、それぞれ作り手のこだわりが見られます。
失敗が少ないことから「手作りマー油」も難しくはありません。ニンニク好きならチャレンジする価値ありです。

「マー油」のはじまりは、あの名店にあり?!

そんな「マー油」を使いだしたのは、熊本だけでなく都心にも店を構える熊本ラーメンの名店・桂花ラーメンだそうです。この桂花ラーメンが1955年に作り出したと言われている「マー油」、当時は味や香りを引き立てる「魔法の油」と呼ばれていたそうで、その「魔油」から「マー油」と呼ばれるようになったとのことです。
ちなみに「魔油」という言葉は、桂花ラーメン秘伝の「マー油」のみを指し、一般的な「マー油」の漢字表記は「麻油」です。
まろやかな熊本豚骨ラーメンにパンチの効いた「マー油」のひとかけが織りなす絶品のハーモニー。熊本にはラーメン店が300軒以上あり、それぞれのラーメンと「マー油」が待っています。ぜひ、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q.熊本ラーメンに欠かせない「マー油」。焦がした何から作る油?

A.ニンニク