商店街に漂う香りに誘われて、旅人も地元の人々も同じ屋台へと足を運びます。県産素材にこだわったご当地バーガーは、初開催のB級グルメ競技会で見事に優勝し、いまでは観光ルートの定番グルメとなりました。本記事では名称の秘密や誕生背景、味覚設計まで幅広く掘り下げ、B級グルメ王座の魅力について解説します。
紀州よさこい焼豚バーガーとは? 和歌山発の話題グルメを解説
紀州よさこい焼豚バーガーという長い名称は三つの言葉で構成されます。「紀州」は梅やみかんが彩る和歌山の旧国名を示す言葉です。続く「よさこい」は祭りの躍動感を取り込み、食べ手の高揚感を引き出します。最後の「焼豚」は低温で火を入れ香ばしさを閉じ込めた肩ロースのことで、調理への強いこだわりを表したものです。
同バーガーが脚光を浴びた契機は、地元商工会議所が主催した第1回和歌山B級グルメグランプリでした。出場条件は県産素材の使用と独創性で、肉のまる彦本店は炭火で仕上げた焼豚と米粉バンズを組み合わせた独自のバーガーで勝負しました。
審査員は地産地消の姿勢と丁寧な製法に着目し、満場一致で初代王者の座を勝ち取ることになったのです。優勝報道はSNSで急速に拡散され、観光客の行列が商店街を彩るまでに成長しました。
紀州よさこい焼豚バーガーが愛される3つの魅力【味・香り・食感】
紀州産たまり醤油に黒糖と生姜を合わせた甘辛だれが、このバーガーの特徴です。地元醸造所の秘伝のレシピで、濃厚なのに後味はすっきりとしています。塩分控えめな製法なので、健康志向の方にも好まれ、リピーターが多いのも特徴です。
肩ロースは前日から低温熟成し、紀州備長炭でじっくり焼き上げるので、遠赤外線効果で表面はカリッとします。中はジューシーに仕上がり、プリッとした食感とあふれる旨味が多くの人を魅了しています。
バンズは県産米粉と小麦を7:3の割合でブレンドし、スチームオーブンで焼き上げています。米粉のもっちり感と小麦の香ばしさが絶妙で、噛むほどに自然な甘みが広がります。水分をしっかり保持するので、甘辛だれや肉汁が染み込んでも形が崩れず、全体のバランスがとれています。
自宅で再現!紀州よさこい焼豚バーガーの簡単レシピ&アレンジ集
本格派の焼豚バーガーを自宅で再現するには、肩ロースの下ごしらえが重要です。まず、醤油、みりん、砂糖、すりおろし生姜に紀州梅ペーストを加えた特製だれに、豚肉を一晩漬け込みましょう。翌日はフライパンで両面を焼き、火を止めた後は余熱で中までじっくり火を通しましょう。そうすることで、肉がふっくら柔らかく仕上がります。
健康志向の方には、雑穀入りバンズを使ったアレンジがおすすめです。米粉や全粒粉に黒米やキヌアを加えれば、香ばしさと食感がアップします。豚肉の代わりに鶏むね肉を使用し、蒸し焼きにすれば脂質を抑えられます。
お子様向けには、味付けをアレンジして食べやすく仕上げましょう。焼豚の中央にスライスチーズを挟んで焼くことで、コクとまろやかさがプラスされます。梅だれの配合を醤油とみりん中心の甘口にすれば、照り焼き風になり、子どもにも人気です。
どこで食べられる?紀州よさこい焼豚バーガーの店舗&通販完全ガイド
紀州よさこい焼豚バーガーを味わいたいなら、和歌山市にある「肉のまる彦 本店」へ。七曲市場の中央付近にあり、南海和歌山市駅から徒歩約10分とアクセスも良好です。営業時間は10時から18時までですが、売り切れ次第終了となります。定休日は水曜日ですが、祝日は営業する場合もあります。価格は税込500円前後とリーズナブルで、地元でも人気のグルメです。
本店に行けない場合も、イベント出店や移動販売で楽しめます。特に夏の「おどるんや~紀州よさこい祭り~」や地元商工会のマルシェなどで出店機会が多く、公式SNSで最新情報をこまめにチェックするのがおすすめです。キッチンカーは和歌山市内を中心に、紀南エリアや県外イベントにも展開しているので、事前にチェックしましょう。
現在、焼豚バーガーは本店のみで提供されています。冷凍販売はしていませんが、焼豚や梅だれの瓶詰はオンラインショップで購入できます。公式通販サイトでは地域別に送料が設定されており、関西圏では700円~900円程度です。
紀州よさこい焼豚バーガーを味わうなら、まずは肉のまる彦本店を訪れてみましょう。さらに、各地のイベントやキッチンカーにも出店しているので、多くの場所で味わえます。さまざまな場所や方法で、このご当地バーガーの味を楽しんでみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q.第1回和歌山B級グルメグランプリで優勝したご当地バーガー「紀州よさこい○○バーガー
A.焼豚