静岡県清水に元々根付いていたご当地グルメを、さらにラーメンと掛け合わせるという新感覚のご当地グルメがあるそうです。今回はその新感覚ご当地グルメの魅力を静岡県清水の風土と一緒に掘り下げていきます。
静岡県清水の風土
静岡県の旧清水市(現在の静岡市清水区)は日本一深い湾として有名な駿河湾に面し、サクラエビを始めとする漁業が盛んです。
自然豊かで日本平の夢テラスや世界遺産の三保の松原からの眺望は、富士山も大きく見えて実に見事です。
温暖な気候を生かして栽培した石垣いちごが名物で、シーズンになると海沿いの国道150号線沿いに「いちご娘」と呼ばれる呼び子が立ち並び、笑顔いっぱいにいちごの風船を振り回して出迎えてくれます。
この暖かい環境もあってスポーツも盛んで、サッカーにおいてはJリーグの清水エスパルスの本拠地でもあります。
静岡県清水は歴史文化においても魅力的な街で、幕末から明治初期にかけて東海道一の大親分として活躍した清水次郎長や、ちびまる子ちゃんの作者であるさくらももこさんの所縁の地でもあります。
このような自然豊かで文化的な清水の環境に育まれて生まれたご当地グルメが「もつカレー」です。
もつカレーはこうして生まれた
静岡県のご当地グルメ「もつカレー」は、金の字本店の杉本金重さんによって考案されました。
もつカレーはその名の通り、食感の良いもつをカレーで煮込んだ料理ですが、味付けは作り手によって様々で、甘口・辛口だけでなく、和風から洋風まで幅があります。
杉本さんがもつカレーを戦後間もない頃に世に出して以来、静岡県清水のソウルフードとして、何十年も市民達に親しまれ続けてきました。
最初のもつカレーは串焼きスタイルでしたが、煮込みや鍋、黒カレーに白カレーと様々なバリエーションが生まれています。現在では清水区内の居酒屋の定番メニューとなっています。
アレンジも店ごとに個性があり、シンプルにもつだけを煮込んだタイプもあれば、具だくさんの土手煮風もあります。
もつカレー×ラーメンという新発想
もつカレーラーメンは、静岡県清水のソウルフードであるもつカレーを現代人に人気のラーメンと掛け合わせた新しいご当地ラーメンです。清水を盛り上げるべく静岡商工会議所青年部が開発しました。
元祖のもつカレーラーメンは、素材もご当地の名産品をふんだんに取り入れ、スープには地元由比蒲原の鯖節から出汁を取り、メインのもつは幻の豚とも呼ばれる富士宮の「萬幻豚(まんげんとん)」を使っているのが特徴です。麺は卵を使わずに極太のストレート麺を作る事で、弾力ともっちりとした歯ごたえを実現しています。
静岡商工会議所青年部は地域一丸となって、2013年のご当地ラーメングランプリで日本一になるべく寝る間を惜しんで開発を進め、清水みなと屋台まつりを始めとする地元イベントに出店した他、ランチタイムや曜日を限定して3店舗で提供を開始しました。まずは昔懐かしいカレーうどんを現代風にアレンジして、子供にも食べやすいよう辛さを控えめにした元祖清水もつカレーラーメン。つけ麺とラーメンの2タイプを用意して「銀座酒場こさむ」というお店からスタートしました。
その後、まぜそばバージョンとして「豚風亭」、鯛だし塩もつカレー担々麺として「創菜屋 花城」が後に続き、どれも大好評だったこともあり、ぐるなび主催のラーメングランプリ2013では、堂々3位入賞を果たしました。
もつカレーラーメンは、今ではもつカレーと並ぶもう一つのソウルフードとして、市民に深く浸透しています。
ソウルフードと掛け合わせた新感覚ご当地グルメ「もつカレーラーメン」
静岡県清水は伝統のご当地グルメであるもつカレーが有名でした。それをより親しみやすくしようと若い世代が知恵を出し合い、現代風にアレンジしたのがもつカレーラーメンです。素材にも拘りをもって地元を代表する名産品を取り入れた逸品です。ぜひご賞味ください。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 静岡県の清水で食べられる、この地域のご当地グルメと掛け合わされたラーメンは?
A. もつカレーラーメン