水産品の高級ブランドで「関あじ」や「関さば」と呼ばれるものがありますが、どこの都道府県のブランド魚かご存じですか?
「関あじ」「関さば」は大分県・佐賀関(さがのせき)のブランド魚!
瀬戸内海と太平洋の水塊がぶつかり合う豊後水道。中でも大分県の佐賀関半島と愛媛県の佐田岬に挟まれた、潮流の速い豊予海峡「速吸瀬戸(はやすいのせと)」のエリアで「一本釣り」により漁獲され、佐賀関側で水揚げされるマアジやマサバのことを「関あじ」「関さば」といいます。
鮮度が高く、脂が乗り身が引き締まっている「関あじ」「関さば」はしっかりとした歯ごたえがあり非常においしく、水産品の高級ブランドとして高い人気を誇ります。
佐賀関の漁協が商標を出願した「関あじ」「関さば」は、1996年に全国初の水産品の商標登録が認められたブランドでもあるのです。
「関あじ」「関さば」のおいしさの秘密!
「関あじ」「関さば」の獲れる豊予海峡は、瀬戸内海と太平洋の境界に位置しています。古くから「速吸瀬戸」と呼ばれている豊予海峡の沖合いに、「ホゴ瀬」という水深の深い漁場があります。そこは九州・四国間の幅の狭い海峡で海流も速く、餌となるプランクトンが豊富にあることから、本来は回遊魚であるサバやアジが居ついているそうです。また水温の変化も少なく、速い潮流に揉まれて生育するアジの体は大きく身も締まっています。
昔から関あじは「瀬つき魚」として豊予海峡だけに住みつく独立した群れであるとされ、小さい頭、きらきらと艶のある体、たくましく発達した尾びれなどが特徴です。
またこの「ホゴ瀬」の辺りでは、波が高いこと、海底の起伏が複雑であることから、漁網を使わず指先に引っ掛けた釣り糸での「一本釣り」で漁をするのが伝統です。
腹の中に余計な餌が残らないよう、魚の皮を使った疑似餌で「一本釣り」をし、すぐに船の生簀に放します。そして生きたまま漁港へ運びます。
港に戻ると、熟年の技により魚をぱっと見ただけで大きさや重さを判断する「面買い(つらがい)」で取引され、すぐさま港の生簀に仕分けられます。
釣られたストレスを緩和させ、興奮状態で他の魚を傷つけないために、新魚専用の生簀に入れて1日落ち着かせて、最後に魚の血を抜き鮮度を保つ「活け締め」で出荷されます。
この「活け締め」までは、人間の体温で魚の鮮度が失われないよう、釣った時から一切魚に触れずに行われるという徹底した鮮度管理をしています。
こういったひとつひとつの作業が「関あじ」「関さば」の新鮮さに繋がり、魚の体に傷が付きにくく美しい光沢が守られ、人気のブランドとなっているそうです。
「関あじ」「関さば」の旬は?!食べ方は?!
この「速吸瀬戸」に生息しているアマジやマサバは、他の海域の魚とほぼ交わることなく独立した群れを持っているそうですが、このことは昔から、佐賀関の漁師たちの間では常識でした。永い経験から他とは違う佐賀関で水揚げされる魚介類を「関もの」と呼び別格に扱ってきたことが、関あじ・関さばのはじまりとされています。
・「関あじ」・・・頭が小さく、よく肥えて、尾びれの辺りがたくましい。全体に美しい艶がある。一番の旬は7~9月。大型で鮮度が高いため刺身がおすすめ。大分名産の「かぼす」をかけるのも地元流。
・「関さば」・・・一般的なマサバよりも大ぶりの体型。金色がかった艶がある。一年を通して安定した脂のりがあるが、特に秋口になると更によくなり、12~3月が旬とされている。新鮮なので刺身でも非常に美味しく、一夜干しやフライなどもおすすめ。
「関もの」は新鮮で身が引き締まり、刺身で頂くと弾力と歯ごたえがあり、口の中でとろけるような味わいが魅力です。大分の郷土料理「りゅうきゅう」にアレンジしてはいかがでしょうか?
・りゅうきゅう 刺身の大きさに切った身に醤油と擂った白ゴマをかけ混ぜます。葱、海苔など刻んだ薬味にワサビ、かぼすなどを添えてできあがり。
醤油だけの味付けのご家庭もあれば、醤油1+みりん1(お好みで日本酒や昆布など)で「たれ」を作る家庭も。たれを和えたり、寝かせれば、まだ違った味わいで楽しめます。最後にお茶漬けにするのもよし。
「関もの」には、「関あじ」「関さば」のほかにも「関ぶり」「関たい」「関いさき」があります。新鮮で美味しい「関もの」を味わいに、ご当地へ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q.水産品の高級ブランド「関あじ」や「関さば」といえば、どこの都道府県で水揚げされた魚?
A.大分