ステーキにハンバーガー、ポーク卵…などなど西洋的な沖縄料理は多数ありますが、その中でもごはんの上に様々な具材がのせて、オリジナルソースもしくはケチャップをかけた料理は沖縄のみならず、全国的にも人気です。食べたことがある方も多いこの料理が何かわかりますか?
メキシコ料理がヒントになって誕生した料理
沖縄のソウルフードの1つのタコライス、もちろん海産物のタコが入ったごはんを想像する人はいないと思いますが、沖縄発祥の料理だとご存知の方は少ないのではないでしょうか。タコライスはその名前から、外国の料理と思っている人が多いかも知れませんが、実はメキシコ料理の「タコス」がヒントになって誕生した、沖縄発祥の料理なのです。
タコスとはスパイスたっぷりに炒めた挽き肉とタマネギ、トマト、レタス、細かく刻んだチーズなどを、トウモロコシの粉をこねて薄く伸ばして焼いたトルティーヤと呼ばれる生地の上にのせ、その上からトマトベースのソース(サルサ)をかけて食べるメキシコの伝統的な料理のこと。そのタコスの具材とサルサをご飯の上に乗せて食べるのがタコライスで、タコスとライスでタコライスと名付けられました。ちなみにタコ(taco)は、もちろん海産物のタコではなくスペイン語で軽食を意味する言葉です。
タコライス誕生秘話
タコライスは沖縄本島の中北部にある米軍基地キャンプ、ハンセンがある金武町(きんちょう)で誕生しました。考案したのはこの地にあった「パーラー千里」の創業者である、今は亡き儀保松三さん。儀保さんはもともとバーを経営していましたが、金銭的に余裕のない若い米兵たちをターゲットにした安くてボリュームのある食べ物を出すため「パーラー千里」をオープンさせました。バーで人気があったタコスをアレンジして、ごはんの上に具材をのせたタコライスを出したところ評判となり、米国人コミュニティのみならず、沖縄の人々や観光客からも人気がでたのです。タコライスは商標登録をしなかったため、個性豊かなタコライスがあちこちで作られて日本各地に広まり、今では米国へも渡って、ニューヨークなどの大都市で提供されているそうです。そして、沖縄では1990年代から学校給食にも提供され、ファーストフード店やコンビニでも定番メニューであり、まさしく沖縄県民のソウルフードとなっているのです。
元祖タコライスの味
発祥のお店である「パーラー千里」は2015年に閉店となりましたが、その味を受け継いでいるのが、儀保さんが1985年に開いたたタコライス専門店「キングタコス」です。沖縄の人々から「キンタコ」と呼ばれて親しまれて、県内各地に支店があり、今では行列ができる人気店となっています。
キングタコス定番の「タコライスチーズ野菜」はコクのあるタコミートに、シャキシャキとした新鮮レタス、甘みのあるトマトと濃厚なチーズがのってボリュームたっぷり。ソースは酸味もあってピリ辛なキンタコ特製のタコソース、もしくは甘めのケチャップの2種類あるので、お好きな方をどうぞ。満腹必至なのでお腹を空かせて行きましょう。
簡単に作れるタコライス
タコライスは身近な材料で手早く作れるので、忙しい時のメニューにぴったり。お弁当にもいいですよ。材料は合挽き肉、タマネギ、レタス、ミニトマト、ケチャップ、ウスターソース、カレー粉、塩コショウ。
みじん切りにした玉ねぎと合挽き肉をフライパンで炒め、火が通ったところに、調味料と塩コショウを入れて混ぜ合わせます。お皿かどんぶりにご飯を盛り、炒めた具材、千切りにしたレタス、半分に切ったミニトマトを盛り付けたら出来上がり!
ザ・ご当地検定の問題
Q. ごはんの上に、ひき肉・チーズ・レタス・トマトを載せた沖縄料理は?
A. タコライス