沖縄県でよく食べられているという「イラブチャー」ですが、どんな食べ物なのか想像つきますか?沖縄独自の方言なので県外の人たちには耳慣れない言葉です。沖縄の飲食店で提供される事も多いこの食べ物。正体を知ったらおもわず「あれか!」と言ってしまいそうな、あの食べ物です。
「イラブチャー」はブダイ科の魚
「イラブチャー」という名前を聞いたことがあるでしょうか?実は「イラブチャー」とは沖縄でよく食べられているブダイ科の魚のことなんです。見た目はいかにも南国の魚らしく、全体的に鮮やかな青色をしており、沖縄の魚屋さんなどで目にした方もいるかと思います。青や赤、緑など色鮮やかで綺麗ですが、なんとなく食欲はそそられませんよね。でも食べたてみたらタンパクな味のする美味しい綺麗な白身の魚なんです。
沖縄県ではお刺身で食べるのが定番となっていますが、お刺身のほかにも、アラをつかって出汁をとった魚汁にしてみたり、バターで香ばしく焼いたバター焼きや、軽く塩コショーをし小麦粉につけて油で揚げる唐揚げにするのも人気があっておすすめの食べ方です。
「イラブチャー」とはブダイ科の魚だと説明しましたが、ブダイ科全般を指す総称なので、一言で「イラブチャー」といってもその種類はさまざまです。見た目も多種多様で、青色が代表的に思われますが赤や緑に、白や黒など、生息する場所のサンゴ礁にあったカラフルな種類が多種棲息しています。なんと種類は90種ほどもいるといわれています。また、イラブチャーには鋭い歯があるので生きた魚を触る時には気を付けたいですね。この歯で岩礁表面の海草類をかじり取り食べるのだそうです。
アオブダイとイラブチャーの違い
沖縄でよく食べられている「イラブチャー」は毒のある「アオブダイ」ではなくブダイ科の中の「ナンヨウブダイ」や「ヒブダイ」などの他の魚なので毒の心配はありません。「アオブダイ」には毒があるので沖縄でもあまり食べられていません。「ナンヨウブダイ」や「ヒブダイ」などの「イラブチャー」は毒性を持つスナギンチャクをエサとしないため毒性を体内に蓄積していません。しかし、アオブダイも「ナンヨウブダイ」や「ヒブダイ」も「アオブダイ」と同じブダイ科の魚なので、毒性をもつスナギンチャクをエサとして食べていないとは言い切れないので注意が必要です。「ナンヨウブダイ」や「ヒブダイ」を食べる際も内臓は避けたほうがよいとされています。なによりも調理の際は内臓を傷つけることなく上手に処理することが大切です。
他のブダイとアオブダイは見た目はよく似ていて見分けるのが難しいですが、簡単な見分け方として、その魚の尾びれの端が長く伸びているどうかをチェックしてみてください。尾びれの端が長くなっていればアオブダイではなく、反対に長ければアオブダイという事です。
ブダイ科を食べる時は毒に注意
アオブダイは、この青い魚は生まれた時から毒をもっている魚ではありません。自己で毒を作り出しているのではなく、エサとして食べているスナギンチャクが猛毒を持っているのです。そのスナギンチャクを食べるとパリトキシンという毒性が内臓に蓄積され、その毒が蓄積されて毒性を持った魚となるのです。 このアオブダイにあるパリトキシンという毒は、生物がもつ自然毒の中でもかなり強力とされており、あのフグのもつテトロドトキシンよりもはるかに強い毒性を持っています。生物界一恐ろしい毒といっても過言ではないでしょう。水洗いや加熱しても毒性が消えることはないのです。日本では1953年以降、5人のアオブダイによる食中毒での死亡例があります。 アオブダイは、厚生労働省のサイトにも食中毒の危険のあるパリトキシンを含む魚として名前が載っています。このように毒の危険性がありますので、アオブダイを釣って、調理する際には十分に注意してください。また、「アオブダイ」以外のブダイにも内臓に毒がある可能性があるので、ブダイ科の魚の内臓は食べない方が良いでしょう。
ザ・ご当地検定の問題
Q.沖縄県でよく食べられている「イラブチャー」とは、何の名前?
A. 魚