新潟県で食べられている「かきのもと」をご存じですか?。秋の旬を感じられる食材で、おひたしなどのほか、食べ方もさまざまあります。最近の研究では、現代人に必要な栄養や効能があることがわかってきました。
「かきのもと」の歴史と名前の由来
新潟県でよく食べられている紫色のキクの花「かきのもと」は、細長い花びらが特徴です。中国では、キクは延命長寿の花として、菊茶、菊花酒、漢方薬として飲まれていました。食用に品種改良された食用菊が中国から伝来し、奈良時代には日本でも栽培されていたようです。松尾芭蕉はキクが好きで好んで食べていたようで、俳句にも詠んでいます。
新潟では、江戸時代から「かきのもと」が栽培されており、農家の庭先や畑の片隅に植えられていました。「かきのもと」の名前の由来は、生け垣の根本に植えていたからとか、柿の木の根本に植えていたからなどと言われていますが、柿の実が赤く色づいてくる頃に花が咲き始めるから、という説が一般的に知られているようです。
「かきのもと」は、新潟市の白根地区で、新潟県内の8割を生産しています。キクを食べる風習があるのは新潟県と山形県の地域に限られ、県外の方に驚かれることが多いようです。新潟県内では、秋の食卓にキクが出されることは定番になっています。黄色いキクでも花びらが細いものや幅のあるもの、薄い紫色で花びらの幅が広いキクなど、品種改良が進んでいるため、さまざまな種類があります。キクによって、苦みが強かったり、甘味が強かったりと、好みによって栽培するキクが違うようです。
気になる「かきのもと」の栄養とは?
中国でも延命長寿の花として知られていたキクは、解毒作用があることが研究でわかっています。食用菊は研究によって、発ガン効果の抑制があることがわかりました。また、現代人が気になるコレステロールを下げる効果や中性脂肪を下げる効果もあることがわかりました。栄養面では、ビタミンやミネラルが多く含まれており、その中でもベータカロテンやビタミンC、ビタミンB群、葉酸などの抗酸化作用のある栄養素が多いこともわかってきました。さらに、「かきのもと」をはじめとする紫色のキクには、抗糖化作用があることがわかり、アンチエイジングの効能にも注目が集まっています。
どんなキクの料理があるの?
買ってきたキクを茹でる前に、がくの部分を残して、花びらだけを取ります。茶色くなっている花びらなどは取り除きます。たっぷりのお湯を鍋で沸かし、沸騰したら、一気にキクの花を入れます。軽いので浮き上がってしまいますが、押さえつけながら菜箸で上下をひっくり返し、2.3回かき混ぜたら、ざるにあけて、流水で冷やします。ゆで時間は、30秒くらいです。茹ですぎると、キクの食感が損なわれてしまいます。「かきのもと」などの紫色のキクは、キクを鍋に入れる前に、少量の酢を入れておくと色止めになり、色よく茹であがります。
そのままおひたしにする家庭がほとんどです。醤油につけて食べる人もいますし、醤油とマヨネーズをブレンドして、キクをつけて食べる人もいます。次に多いのが酢の物です。キクだけでも酢の物になりますが、人参などの野菜や、なめこなどのきのこと和えて酢の物にすると、栄養バランスもよくなります。春菊やほうれん草の葉もの野菜と胡麻和えにするのも、おいしいですよ。エディブルフラワーのように、サラダの色どりに使うのもきれいで、黄色や紫色の色を意識して、料理の色どりとしても活躍します。新潟県では、キクの花が食卓にあがると秋の訪れを感じさせてくれます。
新潟県で食べられている「かきのもと」は、季節を感じる旬の食材
新潟県で食べられているキクの花は、古くから食卓にあがっていた馴染みのある食材です。ブランドとしても流通している「かきのもと」の特徴は、紫色で細長い花びらです。栄養面でも研究が進み、現代人にとって注目される食材になっています。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 新潟県で食べられている「かきのもと」といえば、どんな花の種類?
A.キク