長崎の特産品「世知原」「そのぎ」「びわ」といえば何の種類?

長崎県には野菜や果物・和牛など、さまざまな特産品がありますが、その中でも「世知原(せちばる)」や「そのぎ」「びわ」と名の付く特産品があります。これは一体何の種類かご存じでしょうか?

中国から長崎へ、そして長崎から世界に羽ばたいた日本の「お茶」?!

長崎では、実は「お茶」も特産品だということをご存じでしょうか?
今や「日本茶」といえば、静岡、宇治、狭山が日本三大緑茶と呼ばれていますが、実は最初にお茶が入ってきたのは長崎県の平戸だと言われています。
そもそもお茶の発祥は紀元前2700年の中国といわれており、相当古くからお茶が飲まれてきました。そんなお茶が日本に入ってきたのは、平安時代の初めの頃で、遣唐使や留学僧により持ち込まれたとのことで、日本での歴史は1200年ほどということになります。この1200年で日本には独自スタイルの日本茶文化が根付いていきます。
持ち帰ったのは、鎌倉時代初期の1191年、栄西禅師(えいさいぜんじ)という禅僧だと言われています。
修行先の中国(宗)から平戸の地に持ち帰り茶の栽培をした事が、 後に本格的なお茶の栽培となり日本全国へ広まっていくきっかけになったとされます。
当初は、僧侶や貴族階級しか飲めなかったお茶ですが、江戸時代初期の1654年には、中国(明)から長崎に渡った隠元禅師(いんげんぜんじ)が、煎茶を伝承します。
つまりお湯を注ぐだけの簡単な飲み方ということで、これを機にお茶が庶民の飲み物としても普及していったのだそうです。
日本に根付き独自の発展を遂げた日本茶ですが、今度は海外へと輸出されだします。平戸に来航したオランダ東インド会社によってヨーロッパに向け船積みされたのをきっかけに、当時は鎖国時代なので長崎を窓口にして、日本茶はオランダ人によって世界へと広められていきました。
そんな「日本茶」の分岐点ともいえる長崎には、「世知原茶(せちばるちゃ)」「そのぎ茶」「びわ茶」などが特産品として人気です。

冷涼で山深い地で育つ希少な「世知原茶(せちばるちゃ)」

佐世保市世知原で栽培されている「世知原茶」は、長崎県の中でも霧深く冷涼とされる山の中で育ちます。
県北最高峰である国見山は777m、その山麓の標高250~450mの山間部に広がる茶畑に、世知原を源流とする県内最長の佐々川が清流を運びます。
冬には茶畑に雪が積もるほど、朝と夜の寒暖差が大きいことが高品質のお茶を育むゆえんとなっています。
煎茶と同じ製法で途中までは作られますが、葉の形をまっすぐに整える工程が無く、葉を回転させながら熱風で乾燥させるため丸くグリっとした形状に仕上がることから「グリ茶」とも呼ばれるそうです。正式には「玉緑茶」という種類になり、世知原茶は「蒸し製玉緑茶」という製造方法になります。
渋みは少なくまろやか。爽やかな香りと濃厚な旨味と口当たりが特徴です。
「蒸し製玉緑茶」で作られるお茶は全国生産の4%ほどしか生産されていない希少なお茶なのです。

日本一をW受賞した、歴史が深い「そのぎ茶」

釜煎りによる製茶法が西九州に伝えられた15世紀から、大村湾の東側にあたる、東彼杵町(ひがしそのぎちょう)ではお茶栽培を盛んに行ってきました。現在では、東彼杵町は県内有数のお茶の生産地となり、生産量は県内の約60%を占めています。
そんな古い時代から脈々と受け継がれてきた緑茶生産で日本一をW受賞したのが東彼杵町の「そのぎ茶」です。
新茶の味や香りを評価する全国茶品評会にて、蒸し製玉緑茶部門でそのぎ茶を生産する東彼杵町が産地賞に輝き、個人では生産者の尾上和彦さんが日本一の農林水産大臣賞を受賞しました。
苦味や渋みは控えめで、一煎目だけでなく二煎目も美味しいという特徴がある「そのぎ茶」。
世知原茶と同じく「蒸し製玉緑茶」にあたり、希少でおいしくお土産にも人気のお茶です。

実はこちらも長崎発祥!「びわ茶」

長崎では「びわのは茶」とも呼ばれている「びわ茶」は、びわの葉を煎じて作られます。
江戸時代から栽培が始まったとされる「びわ」ですが、こちらも実は長崎が始まりとのことです。そして現在においても「びわ」の生産日本一を誇ります。
古来より体に良いと伝えられている「びわ」は、実も葉から作るお茶も長崎の特産品。長崎のびわ茶には、独特なのどごしや、えぐみが減らされていて、ハーブティーのような爽やかさと美しい色合いが魅力です。無添加で安全、なにより健康に良い「びわ茶」も長崎の自慢の一品なのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q.長崎の特産品「世知原」「そのぎ」「びわ」といえば何の種類?

A.茶