本場・鹿児島県の芋焼酎に使われる芋は?

薩摩焼酎といえば、まず「芋焼酎」をイメージする方も多いではないでしょうか。鹿児島の地酒として有名な芋焼酎はどんな芋が使われているのでしょうか?今回は薩摩の芋焼酎についてご紹介します。

薩摩で作られる芋焼酎

焼酎には芋焼酎、米焼酎、麦焼酎などが良く知られています。その中でも鹿児島の薩摩で最も生産されているのが「芋焼酎」です。

芋焼酎の原料となる芋は「さつまいも」です。さつまいもは鹿児島県、宮崎県を中心とした九州南部で多く収穫できることもあり同地域でよく飲まれています。芋焼酎にはさつまいもの香りが強く、くせがあるものが多いので好みが分かれるかもしれません。
  
さて、いちがいに「さつまいも」といっても、どんな品種のさつまいもが焼酎の原料となるのでしょう。
私たちが普段食べており、スーパーなどでよく見かけるあのさつまいもはほとんど「紅東(べにあずま)」という品種です。
焼き芋などで良く食べられてますよね。焼いたり、ふかしたりするとホクホクした食感と甘みが強くなるのが特徴です。
それに対して芋焼酎の原料となるさつまいもの種類は、なんと40種類以上あると言われています。

その中でも「黄金千貫(こがねせんがん)」というさつまいもが最も多く使われています。

この黄金千貫は焼酎造りに理想的なさつまいもとして何度も品種改良され、生まれた品種です。

黄金千貫は、その名のとおり黄金色の皮と、淡黄色の果肉を持つサツマイモです。それまで芋焼酎の主原料だった「農林2号」に比べて、デンプンの含有量が多く、効率よくアルコールを造り出せることから、芋焼酎の理想的な原材料といわれています。また、収穫量も他のさつまいもより多く、一反(10アール)あたり千貫(3.75Kg)も収穫できるのだそう。
さらに、黄金千貫で造る芋焼酎は、ふんわりとしたイモの香りとキレのよい甘味で、味バランスが良い事に定評があります。「クセが強い」と敬遠される事も多い芋焼酎でしたが、黄金千貫がもたらす上品な香りと甘さが、芋焼酎の人気拡大のいったんをになったのです。
最近では特に「芋焼酎らしい」という表現自体が黄金千貫由来の焼酎を指す言葉になっています。

このようなまさに「芋焼酎のためのさつまいも」という利点から黄金千貫は焼酎原料芋の新定番として急速に普及していったのです。

代表的な薩摩焼酎の銘柄

薩摩焼酎には、銘柄が沢山存在します。
焼酎ブームの火付け役にもなった「森伊蔵」や「魔王」なども芋焼酎となっていますが、その他にもいくつかご紹介しましょう。

まずは、「黒伊佐錦」焼酎好きの間で人気となっている銘柄のひとつです。麹造りに伝統的な黒麹を利用しており、華やかな香りとコクがあってまろやかな口当たりです。現在の黒ブームの先がけとなったお酒です。
白麹の焼酎と比べるとより甘味を感じられるでしょう。芋焼酎が盛んな鹿児島の中でも最高評価を受けるほどです。

「天狗櫻」はこだわりの土地で育てた芋を使用している銘柄です。オーガニックと言っても差し付かえないかもしれません。豊かな香りとなめらかな味わいで かなり香ばしく、甘くすっきりとしています。芋の香りを存分に味わえるので、ロックや濃いお湯割等で飲むことがオススメです。

「一尚」は小牧醸造の創業100周年記念に「次の100年」を目指して作られた銘柄です。シルバーとブロンズの2種類があり、シルバーには黒麹菌と江戸酵母菌を使用されており、「手すきろ過」によって醸した、手間暇かけたお酒となっています。
爽やかで、香りは軽やかで香ばしさと甘味があるのが特徴です。そして、ブロンズにはビール酵母を使用しています。超低温発行によって醸す方法で作られ、軽やかな口当たりと、ビターな風味を楽しむことができます。それぞれロック、水割り、ストレート、お湯割り、前割りと様々なシチュエーションで、違いを楽しむのも良いですね。

最後に、芋焼酎の中でも女性に人気がある銘柄が黄麹仕込みの「富乃宝山」です。ロックで飲める芋焼酎を目指して作られたため、柑橘系の爽やかな香りとキレのいい口当たりです。芋焼酎ならではの甘みもあり、普段芋焼酎をあまり飲まないという方でも楽しめるでしょう。。本来の味を味わうために、飲み方としてはロックがおすすめです。

薩摩焼酎は他にも沢山の銘柄がありますので、是非飲み比べしてみてくださいね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 本場・鹿児島県の芋焼酎に使われる芋は?

A. サツマイモ