大根や里芋などの野菜をふんだんに使った茨城県大子町のうどん料理をご紹介します。この郷土料理はどのようにして誕生したのでしょうか。
けんちん汁とけんちんうどん
けんちん汁は上述の通り、具材としてニンジンやゴボウ、大根や里芋を使って作られる汁物料理です。肉類や魚類は一切使わず、昆布などで出汁を取るため精進料理として親しまれていたと言われています。このけんちん汁がどのように誕生したのかということについて、2つの説があります。まず、建長寺に由来するという説です。建長寺は神奈川県鎌倉市にある臨済宗の寺院で、数ある鎌倉の寺院の中でも非常に格式の高い寺院として広く知られており人気の観光スポットにもなっています。
時代は定かではないのですが、建長寺の僧侶が精進料理として作り修行僧の間で食べられていた汁物料理が「建長寺汁」と言われそれが徐々に「建長汁」へと変化し、けんちん汁になったというのです。次に、中国から伝来したのではないかという説です。これも時代は定かではありませんが、中国の精進料理を作る調理法としてけんちんというものがあります。このけんちんは中国では「ケンチェン」と呼ばれており日本に伝わった際にけんちんと呼ばれるようになった、というものです。
いずれの説にせよ、このようにして伝わったとされるけんちん汁にうどんを入れてあるいはつけ麺のようにして食べる料理をけんちんうどんと言います。茨城県のご当地グルメとして人気の食べ物となっています。
けんちんうどんの栄養
けんちんうどんには肉類や魚類を使わず、多くの野菜が使われていることから様々な栄養素が含まれているだけでなく低カロリーでもあります。それでは、どのような栄養が含まれているか見ていきます。まず、葉酸が多く含まれています。これは、細胞を正常にしてその増殖を助ける効果や、がん予防の効果があるとされています。しかし、過剰に摂取するとがんの発生率が高まってしまうともいわれているのです。次に、カロテンがあります。これには、免疫力の強化やがん予防、アンチエイジング効果があります。
さらに、カリウムも含まれています。これは、体内の余分な塩分を排出してくれる働きがあるため高血圧の改善に効くとされています。このように、様々な栄養素がけんちんうどんには含まれていますが栄養を摂取できるだけでなくダイエットにも効果があると言われているのです。
茨城県大子町の観光スポット
続いて、けんちんうどんが郷土料理として知られている茨城県大子町の観光スポットを紹介します。まず、袋田の滝が挙げられます。日本三大瀑布の一つとして数えられている袋田の滝の歴史は、平安時代に始まると言われています。その頃から優美な景色として有名で時代を経ても日本中で広く愛されている観光スポットです。次に、永源寺が挙げられます。ここは別名もみじ寺とも呼ばれているのですが、その名の通り紅葉シーズンには綺麗に染まったもみじやカエデが辺り一面を幻想的に染めてくれます。
次に、旧上岡小学校が挙げられます。ここは、明治時代に建てられた木造の校舎で廃校後はドラマや映画のロケ地として利用されています。また当時使用されていた備品が校舎内に残されていますので、それを見てノスタルジックな雰囲気に酔いしれるのも良いかもしれません。また、月待の滝も観光スポットとして有名です。ここは「くぐり滝」とも呼ばれているように滝の裏側から流れる姿を見ることができるため多くの観光客が訪れます。
うどんと野菜が美味しい、茨城県大子町の郷土料理けんちんうどん
誕生の由来は諸説ありますが、けんちん汁とうどんを掛け合わせた茨城県大子町の郷土料理をけんちんうどんと言います。野菜をふんだんに使うため健康に良いというだけでなく心も身体も温まる食べ物として、広く愛されているのです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 野菜などを煮込んだ汁にうどんをつけて食べる、茨城県大子町の郷土料理は?
A.けんちんうどん
Q. 通称「もみじ寺」ともよばれる、茨城県大子町のお寺は?
A. 永源寺