港町・神戸には横浜・長崎とならぶ日本三大中華街に数えられる中華街があります。それはどこにあるかご存知でしょうか?
神戸元町にあるチャイナタウン
西日本最大の中華街である神戸の南京中華街は、神戸市中央区にある南京町にあります。実は『南京町』は住所表記の地名ではなく、南京町商店街振興組合が維持管理する商店街の名称で、JR・阪神元町駅の南側、元町通と栄町通をまたがるエリアを指します。東西約270メートル、南北約110メートルの範囲に、中国料理店や中華のテイクアウトができるお店、中国の雑貨や食材を扱う商店などが100軒以上軒を連ね、食べ歩きやショッピングが楽しめます。異国情緒が感じられる街並みは観光スポットとしても人気で大勢の観光客が訪れています。
個性的な美しい楼門
中華街の入り口に必ずあるのが立派な門。南京町中華街の長安門(東楼門)は、中華街にしては珍しく白い色をしていますが、それは中国河北省から取り寄せた大理石で作られたものだからです。見事な龍の彫刻が彫られているこの門は阪神淡路大震災で半壊しましたが、今では立派に修復されています。
南京町の東西に伸びるメインストリートの西端にあるのが西安門です。中国で商業が最も栄えたとされる北宋時代の門をモデルにしており、艶やかな絵が特徴的です。震災から10年経った2005年に復興のシンボルとして建設され、門の裏側には中国語で復興を意味する「光復」の文字が掲げられています。
南京中華街の歴史
南京町は、明治元年(1867年)の神戸港の開港からと言われているそうです。当時の中国を支配していのは清国で日本と条約非締結国であったため、政府が定めた外国人居留地に住むことを許されていませんでした。そのため、西側に隣接する現在の「南京町」のあたりを生活の場とし、雑貨や豚肉の商売や飲食店などを始めました。そこから、中国人が多く住む町として「南京町(なんきんまち・なんきんちょう)」「南京街(なんきんがい)」と呼ばれるようになったと
言われています。
昭和初期には「関西の台所」として大いに栄えましたが、昭和20年に神戸を襲った大空襲で元町一帯は焼き尽くされました。戦後はバラックが立ち並ぶ闇市となり、やがて米軍などが訪れ外国人バーが立ち並ぶ裏通りに変貌して喧嘩や客引きが横行し、町の治安は悪化してきました。
昭和50年代に入ると、南京町一帯が神戸市の区画整理事業の対象となったことを発端に、商店主たちが南京町を復活させるべく、南京町商店街振興組合を設立し、中華街としての町づくりが進められました。名称も「南京町(なんきんまち)」に統一され、現在の南京中華街となったのです。
南京町の最大のイベント
南京中華街では年間を通じて様々なイベントが行われますが、最大のイベントと言えるのが旧暦の元日に合わせて開催する春節祭。パレードや獅子舞、雑技などイベントも盛りだくさんで、期間中は30~50万人もの人々で賑わいます。
美味しい中華グルメを食べ歩く
神戸と言えば、神戸ビーフに神戸スイーツと評される絶品スイーツ、そばめしといったおいしいものが目白押しですが、中華も必ずカウントしたいところ。南京中華街も当然おいしいものに溢れています。
豚饅頭の元祖といわれている大正4年創業の『老祥記(ろうしょうき)』は、豚まん専門店です。南京中華街を訪れた人のほとんどが食べに行くという行列必至のお店ですが、並んででも食べたい豚まんです。他、食べ歩きには角煮まんや小籠包、フカヒレラーメンにコロッケ、ごま団子やエッグタルトといったスイーツもあります。北京ダックまで食べ歩きができますよ。もちろん食べ歩きだけではなく、中華料理店も充実しているので、南京中華街を訪れる時には相当お腹を空かせておかなくてはなりませんね。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 日本三大中華街といえば、横浜中華街、長崎新地中華街と、神戸市のどこ?
A. 南京町