「日本三大漬け菜」をご存知ですか? 長野県の「野沢菜」、九州の「高菜」は知っていたり、食べたことがある方も多いかもしれませんが、残りのあと1つはちょっと聞きなれない野菜かもしれません。
広島菜って?
広島菜は日本三大漬け菜」の一つで、 広島県名産の伝統的な漬け菜です。一株がとても大きく、茎の幅は広くて肉厚で、お漬物にすると鮮やかな緑色とシャキシャキとした歯切れが良く、ピリッと感じるわさびと似た成分の香味を持つのが特徴です。広島菜漬けは浅漬けのものが多く流通しており、ぬか漬けに代表されるような、独特な風味が苦手という方でも食べやすいお漬物です。
広島ではほとんどのスーパーの漬物コーナーに並べられているくらい、一般的な食べ物のひとつ。また、そのバリエーションも豊富で、とうがらし風味、赤シソ風味、レモン風味など浅漬け以外の味も楽しむことができます。
詳しく知ろう広島菜
広島菜はアブラナ科に属し、白菜の一種として位置づけられています。葉は濃い緑色でしており、幅広く肉厚。縦に平行した葉脈に特徴があります。一株の大きさは50~60cm、重さは2~3kgになるほど大きく立派に育ちます。生産地は主に中国産地から瀬戸内海に流れる太田川流域(広島市安佐南区の川内地区)で栽培され、収穫時期は秋が深まる11月から1月ごろまで。暑さに弱く、低温に遭遇することで成長が誘導される低温感応性なため、栽培の大部分は秋に種をまき、年末に収穫する露地栽培を行っています。そして、収穫された広島菜は、ほぼ全て広島菜漬けとして使用されているのです。
広島菜の由来
広島菜の由来には諸説あります。多いのが京都のお寺伝えれられたという説。当初は「京(きょうな)」と呼ばれ、またその形状から「平茎菜(ひらぐきな)」とも呼ばれていました。
平安時代、平清盛が現在の広島県の西部に相当する安芸国に赴任した時に宮島で食べたという伝説や、江戸時代、安芸城主福島正則が参勤交代の途中に、同行した観音村(現在の広島市西区観音町)の住人が京都本願寺へ参詣し、その種子を広島に持ち帰ったという説もあります。明治初期に瀬戸内海を通って京阪神にも出荷されるようになり、関西でもに知られるようになりました。昭和8年広島県産業奨励館(現在の原爆ドーム)で「広島菜」として命名展示されました。
広島菜漬けの食べ方いろいろ
広島では広島菜漬けをご飯のお供やお茶うけ、お酒の肴としてそのまま食べることはもちろん、さまざまな食べ方で親しまれています。広島菜は葉が大きいので、めはり寿司のように葉でしっかりおにぎりを包み、巻きおにぎりにします。また巻きずしの海苔の代わりに巻いたりも。地域によっては、お正月に雑煮の具の一つとして使うこともあるそうです。
他にも、ご家庭で簡単にできる広島菜漬けチャーハンの作り方をご紹介します。材料は二人分で、広島菜漬け100g、ご飯お茶碗2杯分、卵2個、ちりめんじゃこスプーン2杯分、塩コショウ、サラダ油を適量。作り方は、まず広島菜漬けはみじん切りにします。フライパンにサラダ油を入れ、卵を溶き入れます。あまり炒め過ぎないよう半熟くらいに火が通ったら、別のお皿に移しておきましょう。再度フライパンにサラダ油を入れ、ちりめんじゃこをさっと炒めます。ここにご飯、広島菜漬け、炒めておいた卵を入れて、強火で水分を飛ばすようさらに炒めます。全体がパラパラとしてきたら、塩コショウで味を調えてできあがり。サラダ油の代わりにゴマ油を使えば、よりいっそう香ばしさも感じられます。ランチや、冷めてもおいしいのでお弁当にもぴったりですよ。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 高菜、野沢菜とともに日本三大漬け菜に数えられる、アブラナ科の野菜は?
A. 広島菜