博多名物でお馴染みの「辛子明太子」。とある魚の卵巣に味付け発酵させた食べ物なのですが、それは一体どんな魚の卵巣なのでしょうか?
「辛子明太子」はスケトウダラの卵巣!
ホカホカご飯にそのまま乗せても、おかずやおつまみにひと手間加えても美味しい、博多名物の辛子明太子。ピリッとした辛さ、ぷちぷちとした食感、広がる旨みで大人から子供まで大人気の惣菜です。
辛子明太子は、スケトウダラの卵巣に唐辛子を原料とする調味料で味付けをした食べ物です。これは日本統治時代の朝鮮半島・釜山などで食べられていた明卵漬(ミョンランジョ)から発想を得て日本人好みの味に改良し作られました。
スケトウダラを朝鮮語で「明太(ミョンテ) 」と言い、その卵を使うことから「明太子」と日本で呼ぶようになりました。
「明太子」は「たらこ」に味を付けたものと思われがちなのですが、実は正確には「スケトウダラの卵巣」だけが「明太子」と呼ばれ、「たらこ」という大きなジャンルの中で「マダラの卵巣」で作ったものなどは、加工をしても「明太子」とは呼べない決まりがあります。
やがて博多名物に!
辛子明太子の元とも言われる食文化は、朝鮮半島に昔からありました。赤唐辛子やニンニクをまぶした「明太の卵巣の辛子漬け(明卵漬)」が、辛子明太子の元と言われるのですが「コチュジャン」や「キムチ」のようなもっと辛い食べ物だったそうです。
昭和の初期からこの明卵漬が日本に輸入されるようになり、福岡、北九州、下関などの朝鮮半島との交流が盛んな地域では、辛子明太子が作られる前から、惣菜として魚屋の店頭などに並んでいたそうです。
そして第二次世界大戦後、博多に引き揚げてきた川原俊夫氏(明太子メーカーのふくや創業者)が若い頃に釜山で食べた明卵漬の記憶を基に、日本人向けに独自の味付けや加工の後、製品化したものが「辛子明太子」で、博多の中洲で販売し人気に火がつきました。
1960年代にはふくやに続いて多数の明太子製造販売の会社が作られ、1975年に山陽新幹線が博多駅まで繋がると、東京博多間の新幹線の駅や東京の百貨店などでも辛子明太子が販売され、全国的に「博多名物」として知れ渡るようになりました。
辛子明太子を選ぶコツ!
- 辛子明太子は形で価格が変わりますが、実は味の違いはありません。製法は全く同じなので用途で選ぶと良いでしょう。
・一本もの(ちぎれのない整った形) 価格高め/贈答用
・切れ子(形崩れもの。カットされた形) 通常価格/自宅用
・バラ子(ほぼ粒に近いもの。パック詰) 価格安め/自宅・調理用
- 実は味も辛さも店舗やメーカーによって大きく違います。一般的なものは中辛ですが、甘口・中辛・辛口・激辛と大体の辛さが、すでに他店舗と比較済みである所が購入する際の良いところです。辛いものが好みの方は、激激辛などを探してみてください。
- 明太子の大きさは、1本ものが約10cm、その約2~3本で100gとなり、1人前~1.5人前として販売されていることが多いです。贈答の際は、100gで1人前を目安にすると良いでしょう。
- 明太子の賞味期限は、冷蔵で2週間、冷凍で2ヶ月が基本です。明太子は空気に触れると味が落ちるのですぐに食べない分は、密閉できるフリーザーバッグやラップに包むのがおすすめです。実は冷凍しても味が落ちますので期限内に食べきってしまうのが一番美味しい食べ方です。
現在ではおにぎりやパスタの具としても広く加工利用・販売されている辛子明太子。コンビニの普及などにより、2007年には加工用の辛子明太子出荷量が土産用の出荷量を超えました。
博多土産としても、全国のスーパーや百貨店でも、コンビニのおにぎりの具としても、身近になった博多名物の辛子明太子。
めんつゆを使ってパスタにしたり、明太だし巻き卵や、明太ポテトサラダなど簡単におかずに加えてみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q.博多名物の「辛子明太子」は、どんな魚の卵巣?
A.スケトウダラ